空気清浄機には各種方式があるがファン式、電気集塵方式、イオン発生方式がある。この内、電気集塵方式、イオン発生方式は高電圧を使用して放電させてイオンを発生させ集めるべき塵を帯電させて反対極性の電極に吸着させます。
たばこを吸う人が少なくなった現在では室内で喫煙する機会が少なくなりましたが、1980年台はまだ多くの人が喫煙し、家庭、職場、電車、飛行機内での喫煙が認められていました。このような多くの人が喫煙する場所の汚れた空気をきれいにするために空気清浄機が使用されていました。この時点では、現在の空気清浄機で多く使用されている高性能HEPAフィルターは半導体の製造工場に使われ始めたばかりで非常に高価であったため、家庭や職場で使用される空気清浄機は電気集塵方式がほとんどでした。
当時、空気集塵方式の空気清浄機が火を出した現象があり、この現象の解明にために高電圧の部門に依頼がありました。対策をするために、現象の再現をさせる必要がありました。火を出した空気清浄機はたばこのヤニが多く付着していたことから、たばこの煙を多く空気清浄機に吸い込ませる必要がありました。このため研究費でたばこが吸えるということで喫煙者が喜んでたばこを空気清浄機の前で吸いました。数人の喫煙者が、1日に一人50本以上吸うようなハードな喫煙をしても付着するニコチンの状況が発火した事故当該機とは程遠いものでした。この状況を3日続けた段階で限られた人がたばこを吸っても明らかに限界と分かりました。そこで縦横10本ずつ並べて100本のたばこを支える容器を作り、100本同時に点火して煙を出し、フィルターのところに火が来たら新しい100本のたばこに交換することを繰り返しました。すると3日後に空気清浄機が発火しました。
この現象はたばこから発生するススはニコチンと炭素が主成分なので導電性があります。このため集塵されたススが溜まり高くなることで高電圧側の電極と間隔が狭くなりついには大きな放電が発生してその熱でススに火が着き、スス全体に火が広がりついには空気清浄機が燃えることが分かりました。
上記のことからたばこの煙を大量に処理しないのであれば、電気集塵方式の空気清浄機は発火する危険性はありません。しかし、喫煙場所のようなたばこの煙が漂うような場所でこの頃広告を良く見るこのタイプの空気清浄機を使うと火災の原因になる可能性あります。このような状況で電気集塵方式の空気清浄機を使用する場合にはこまめに電気集塵の電極の清掃する必要があります。