33.今までで最も怖かった霊現象
体温が低いといろいろなものを感じると前回書きました。朝ドラの怪談ではありませんが、その中で最も怖かった経験です。
今から33年前、開発設計にいた頃です。初夏の季節でした。ガス絶縁変圧器の絶縁設計も佳境を迎え設計レビューが目前に控えていたため、その日は夜の1時くらいまでそのフロアで1人で頑張っていました。終わったらすぐ帰ることができるように幸いにも作業着から通勤着に着替えて解析をしていました。
設計の入っている建物の室内は長手方向が東西80mくらい、幅が南北20mくらいで南北の中央に東西方向に通り抜ける広い通路があり、通路に直角に5m毎に窓方向に向かう細い通路がありました。私は西側から20m位の南の窓に近いところに作業机がありました。
ふと気が付くと中央の通路の東側からスリッパをはいて小走りしているパタパタという音が聞こえてきました。その方向を見ても誰もおらず、最初は上の階の人がスリッパを履いて走っていると思いまいた。同じ時間まで頑張っている同志がいて心強い思いがしました。
そのパタパタ音がちょうど西の出入り口に到達したら反転して東の方向にパタパタと進んで行きました。そして、そのパタパタ音は東の出入り口付近でまたも反転して西に向かってきます。パタパタという音はどうも先ほどより中央通路より近い位置からしています。これは何かおかしい、よく考えたら上の階の人の足音が聞こえるはずがないことに気が付きました。
これはやばいことになった。得体の知れないものが近付いてきたと、ぞぞ~~として鳥肌が立ちました。これはすぐに逃げないといけないと判断してパソコンの電源を切り、片づけて鞄を持ちました。パタパタ音がまた西の出入り口付近で反転し東に向って前を通った瞬間に、窓側の細い通路を走って西の出入り口に行き照明を消して建物から屋外に出て、すぐに帰宅しました。
あのパタパタ音が何だったのか、すぐ近くに来たら何がおこったのか分かりませんが、とても怖い思い出です。