コラム

所長のコラムです。

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35.金属のような銀色をしたシリコン

 現在最もよく使われる半導体であるシリコンですが、電子回路を焼き付けた薄い板であるウェハーやそれを切って外部との配線取り付けたICやLSIをたまにテレビ等で見かけることがあります。しかし、シリコンのかたまりを見かけることはほとんど無いと思われます。

 小生がシリコンの小さなかたまりを見つけたのは、とある書籍店で鉱物展をしていたところでした。もともと石が好きなため鉱物を販売しているとつい見てしまいます。そこで30mm×40mm×50mmのシリコンのかけらを1000円で売っていました。銀色に光る金属のような光沢を持っており見た目は金属ですが、金属ほどの重さはありません。しかも、10年以上経っても見た目は変化が無く、表面はピカピカ光っています。

 シリコンはバンドギャップが電磁波のテラヘルツの領域に対応しているため、テラヘルツの電磁波の吸収、放出をします。このためテラヘルツの電磁波による空間浄化、細胞のヒーリングとうたって10万円以上のぼったくり価格で売っている場合があり、気を付けなければいけません。

 シリコンのウェハーを作るために引き上げ方式でシリコンの単結晶の円柱を作っている際に何らかの問題があり使えなくなり、廃棄したものをリサイクルとして売っているはずなので、そこまで価格が高いことはありません。

 大学では電気工学を専攻した学生に電気材料の講義で見せていましたが今は有効活用ができていません。近いうちに電気塾なるものを開講して小学生に見せる機会を作りたいと現在準備中です。その際に、温度を高くすると抵抗がどうなるかなどを考えさせて実際に見せようと思います。

 半導体であるシリコンは、温度を高くすると電子が移動できるキャリアが大幅に増えます。そして、温度上昇によって増えたキャリアはシリコンの原子核の振動の増大による妨害に打ち勝ちます。その結果、移動するキャリアが多くなるために電流が増え、抵抗が下がります。高分子材料などの絶縁材料とは温度特性が逆です。

 

 

2025年10月20日

34.ミランコビッチサイクルによる寒冷化

 ミランコビッチサイクルというものがあります。地球の気候変化は地球が太陽を回る公転の軌道が時間と共に変化するだけで無く、地球の自転の軸の公転面に対する変化、および自転軸の歳差運動により説明できるというものです。これは南極に堆積する氷に含まれる酸素の同位体が気温により変化することをもとに解析した結果、過去100万年の気温変化はミランコビッチサイクルの結果と非常に良く合っています。

 現在は間氷期の温かい時期であり、氷河期になると現在よりも最大10℃は気温が低下するとのことです。20年前にこれから氷河期が来ると言われていました。これはミランコビッチサイクルの計算では間氷期もそろそろ終わり、氷河期が来る状態に近づいているとの結果によるものです。しかし、この時期には幅があり数十年の誤差がある可能性があります。

 近年、平均気温が2℃上昇して米の生育状況が悪くなることからして平均気温の変化は農作物に大きな影響を及ぼします。
平均気温が10℃下がると寒さに強いカブ・レタスを中心にそば、大麦、ジャガイモ程度しか露地栽培できなくなり、食べるものが非常に少なくなります。これを避けるには作物を工場で栽培し工場内の温度を栽培に適した温度にするためのエネルギーが必要になります。まだ温かい時期に大量の農作物を工場で生産できる体制を構築しないといけなさそうです。 

 以前より地球寒冷化が発生したら二酸化炭素を空気中に放出して温度を一定に保つことが対策であり、重要な資源である二酸化炭素をどこかに貯めておく必要があると思っていました。2025年の今年、ノーベル化学賞を受賞された北川進先生が発明された金属有機構造体で、温暖化が危惧される現在は大量の二酸化炭素を回収・貯蔵しておき、寒冷化の始まりが確認されたら二酸化炭素を放出して寒冷化を食い止めることができるかもしれません。

 1990年に見た映画 アーノルド・シュワルツェネッガー主演のトータル・リコールで、火星の環境を大量の酸素放出で変え、人類が住めるようにしたラストシーンのようなことが現実にできるような気がします。

 

2025年10月13日

33.今までで最も怖かった霊現象 

 体温が低いといろいろなものを感じると前回書きました。朝ドラの怪談ではありませんが、その中で最も怖かった経験です。

 今から33年前、開発設計にいた頃です。初夏の季節でした。ガス絶縁変圧器の絶縁設計も佳境を迎え設計レビューが目前に控えていたため、その日は夜の1時くらいまでそのフロアで1人で頑張っていました。終わったらすぐ帰ることができるように幸いにも作業着から通勤着に着替えて解析をしていました。

 設計の入っている建物の室内は長手方向が東西80mくらい、幅が南北20mくらいで南北の中央に東西方向に通り抜ける広い通路があり、通路に直角に5m毎に窓方向に向かう細い通路がありました。私は西側から20m位の南の窓に近いところに作業机がありました。

 ふと気が付くと中央の通路の東側からスリッパをはいて小走りしているパタパタという音が聞こえてきました。その方向を見ても誰もおらず、最初は上の階の人がスリッパを履いて走っていると思いまいた。同じ時間まで頑張っている同志がいて心強い思いがしました。

 そのパタパタ音がちょうど西の出入り口に到達したら反転して東の方向にパタパタと進んで行きました。そして、そのパタパタ音は東の出入り口付近でまたも反転して西に向かってきます。パタパタという音はどうも先ほどより中央通路より近い位置からしています。これは何かおかしい、よく考えたら上の階の人の足音が聞こえるはずがないことに気が付きました。

 これはやばいことになった。得体の知れないものが近付いてきたと、ぞぞ~~として鳥肌が立ちました。これはすぐに逃げないといけないと判断してパソコンの電源を切り、片づけて鞄を持ちました。パタパタ音がまた西の出入り口付近で反転し東に向って前を通った瞬間に、窓側の細い通路を走って西の出入り口に行き照明を消して建物から屋外に出て、すぐに帰宅しました。

 あのパタパタ音が何だったのか、すぐ近くに来たら何がおこったのか分かりませんが、とても怖い思い出です。

2025年10月06日

32.大腸フローラ変化?で大幅な体温変化 

 体温が低いと霊的な感覚が高くなると言われています。

 小生の学生時代はたぶん36℃代であったと思いますが、30歳代半ばで35℃位になっていました。そのため一般の人の平熱である36.7℃になると体がふらふらになるほどの影響を受けていました。その頃は霊感が強いのか、いわゆるラップ音や気配を頻繁に感じて大変怖い思いもしました。

 この35℃位の体温は55歳まで続きました。この時、大腸ポリープができている可能性が健康診断で出たため、大腸検査を受診しました。検査のため大量の下剤を飲み、腸内細菌を含め全て出してしまったようです。その後、腸に良い食物を摂取すると良いとのことで、発酵食品や野菜を多く食べました。そして気が付いたら体温が36.7℃になっていました。

 1.5℃も体温が変わるという話は聞いたことが無かったので驚きましたが事実です。体温が上昇すると免疫が上がるとのことで健康的になって良かったと思います。また、体温が上がってからはいわゆる霊感が無くなったのか、ラップ音や霊の気配を感じなくなりました。不思議ですが有り難いです。

2025年09月28日

31.透明度が抜群で良い絶縁材料のアクリル 

 アクリルは透明度が非常に良いため金魚鉢や水族館の観察用の窓の材料として多く用いられます。特に水族館の水槽の壁には1mを超えるような厚いアクリル板を用いています。最初から厚い板を作るのは困難であるため数十センチメートルの板を専用の接着剤を用いて貼り合わせて厚い板を作って使用しています。

 実験装置で中の様子をよく見てみたいと思う場合にはアクリルで作製することが良くあります。純水の実験やファインバブルの実験では非常に重宝しました。また、高ガス圧タンク内の中を観察する際にもアクリル板を取り付けることをします。

 また、アクリルは透明度だけでなく絶縁材料としても非常に優秀です。放電を観測する必要がある実験装置を作る場合には役に立ちます。接着剤にアクリル専用のものを用いると全く接着面が分からなくなり見た目が非常に良くなります。ただし、紫外線は通さないものもあるので注意が必要です。

 一方、傷が付くと非常に割れやすいので、傷をつけないように気を付ける必要があります。圧力が加わるような場所に、万一、傷を見つけたら直ぐに補修するか交換をする必要があります。

2025年09月23日
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