34.ミランコビッチサイクルによる寒冷化
ミランコビッチサイクルというものがあります。地球の気候変化は地球が太陽を回る公転の軌道が時間と共に変化するだけで無く、地球の自転の軸の公転面に対する変化、および自転軸の歳差運動により説明できるというものです。これは南極に堆積する氷に含まれる酸素の同位体が気温により変化することをもとに解析した結果、過去100万年の気温変化はミランコビッチサイクルの結果と非常に良く合っています。
現在は間氷期の温かい時期であり、氷河期になると現在よりも最大10℃は気温が低下するとのことです。20年前にこれから氷河期が来ると言われていました。これはミランコビッチサイクルの計算では間氷期もそろそろ終わり、氷河期が来る状態に近づいているとの結果によるものです。しかし、この時期には幅があり数十年の誤差がある可能性があります。
近年、平均気温が2℃上昇して米の生育状況が悪くなることからして平均気温の変化は農作物に大きな影響を及ぼします。
平均気温が10℃下がると寒さに強いカブ・レタスを中心にそば、大麦、ジャガイモ程度しか露地栽培できなくなり、食べるものが非常に少なくなります。これを避けるには作物を工場で栽培し工場内の温度を栽培に適した温度にするためのエネルギーが必要になります。まだ温かい時期に大量の農作物を工場で生産できる体制を構築しないといけなさそうです。
以前より地球寒冷化が発生したら二酸化炭素を空気中に放出して温度を一定に保つことが対策であり、重要な資源である二酸化炭素をどこかに貯めておく必要があると思っていました。2025年の今年、ノーベル化学賞を受賞された北川進先生が発明された金属有機構造体で、温暖化が危惧される現在は大量の二酸化炭素を回収・貯蔵しておき、寒冷化の始まりが確認されたら二酸化炭素を放出して寒冷化を食い止めることができるかもしれません。
1990年に見た映画 アーノルド・シュワルツェネッガー主演のトータル・リコールで、火星の環境を大量の酸素放出で変え、人類が住めるようにしたラストシーンのようなことが現実にできるような気がします。