3.コンセントの電圧はなぜ100V?(パッシェンの法則)
家庭に来ている電気の電圧は100 Vが多いと思いますが、エアコンで大容量のものは200Vのものもあります。しかし、電気は電圧と電流の掛け算が送ることのできるエネルギーになるので、多くのエネルギーを送ろうとすれば高い電圧にして電流を少なくすると損失が小さくなり有利になるはずです。では家庭に来ている電気の電圧は200Vまでがほとんどで、どうして400V、1000Vが無いのでしょうか。
答えはパッシェンの法則にあります。パッシェンの法則とは気体の絶縁破壊現象のことです。あるギャップ長で破壊電圧が最低になり、この距離より短くても長くても破壊電圧は高くなる、いわゆるU字特性を持っていることを示す法則です。この法則は空気を絶縁媒体として用いた場合に320Vpeak以下では絶縁破壊(ショート)しないことを示しています。
ここで電気工学を学習したことが無い人はなぜpeakをVの後ろにつけるの?と思うはずです。実は、通常電気の電圧を表すのは実効値というある特殊な平均値を用いています。電圧と電流の実効値の掛け算が送ることのできる電力を表しています。実効値と明確にするためにVrmsと記載する必要がありますが通常はrmsを記載せずに表すことが多く、実効値と区別するためpeakをVの後ろに付けてピーク値と明確にしています。実効値は、ピーク値を√2(約1.414)で割ったものです。つまり通常200Vというのはピーク値が282.8Vということになります。この電圧値では電線が少しでも(今はやりのナノメートルの距離でも)離れていれば、ショートしないということになります。
このため家庭に電気を送る際に200V以下であれば、配線でどのようなミスをしても接触していないかぎりショートして火事の原因にならないことになります。うまく設定されています。