4.アブレーション材料のPTFE

 「2.遮断器と遮断機」の題目においてアークを冷却するためパッファという「ふいご」構造の機構により冷たい気体を吹き付けてアークを構成する高温でイオンと電子に分解したプラズマを元の分子に戻して絶縁性能を回復させて電流を遮断する構成をしています」、と書きました。この「ふいご」にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)という材料が用いられることが多いです。PTFEといってもなんだか小難しい材料と思うかもしれませんが一般にはテフロン🄬と呼ばれています。🄬が付くのは商標で米国のデュポン社が開発し売っている材料です。スマートフォンを一時アップル社の「アイフォン🄬」、摺動型電圧調整器を一般に東芝の「スライダック🄬」と呼ぶのと同じです。最も普及している特定の機器の名前が一般呼称にされることは良くあります。

 話を戻して、PTFEをふいごとして用いる理由はPTFEが持つアブレーションという特性です。今は現役を引退してしまったスペースシャトルが宇宙空間から地球に帰還する際に、底部分が空気との摩擦で高温になり内部にいる人間や機械に影響するために、この熱の発生を抑える特性がアブレーションです。自らが熱により蒸発し、蒸発熱により温度の上昇を抑えることができます。

 遮断器ではアークを吹き消すために高い圧力でガスを流す必要があります。このガスを流すために大きな力でピストンを動かしガスを押し出して高い圧力を発生し流れを作るのですが、このアブレーションにより発生した圧力を加えることでピストンに加える力を少なくすることができます。これによりピストンを動かすための操作機構を小さくできるため小型の遮断器にすることができます。遮断器の性能は遮断可能な電圧、電流と遮断器を操作するエネルギーで評価されます。

2025年02月05日