8.PTFEは絶縁材料として過ぎたるは及ばざるがごとし
「4.アブレーション材料のPTFE」で書いたようにPTFEは遮断器のふいごの材料に使われていると書きました。遮断器は接続された2つの電極を切り離し電流を零にした瞬間にアークが消えて完全に切り離されます。この瞬間、切り離された2つの電極(2つの電力系統)間に高い電圧を発生します。極端な場合、交流電圧の位相が180°異なることもあり得ます。(これについては機会があれば書きます。)
このふいごに使用されるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)はアブレーション材料としだけでは無く、優れた絶縁特性、高い絶縁抵抗率を持つために、何か困りごとがあった時につい使いたくなる材料です。
しかし、「過ぎたるは及ばざるがごとし」のことわざにあるようにPTFEは極めて難しい材料です。抵抗率が高すぎるために一度内部に電荷を溜めると容易に放出しません。
これは材料の時定数に関係しています。時定数はその材料の抵抗率と誘電率を掛け算したもので単位は秒です。時定数の時間が過ぎると電荷は約1/2.7(=0.367)倍に小さくなります。PTFEは製造方法にも拠りますが時定数が100万秒になることがあります。これは約2年です。2年経ってやっと電荷が0.367倍になるということです。
このように一旦電荷を蓄積する(帯電)と途方もない時間経たないと電荷を放出しないため、この電荷が製品の絶縁特性に悪影響を及ぼす可能性があります。(これについても機会があれば書きます。)
このためこの高い抵抗をあえて下げるために混ぜ物をして時定数を下げることもあります。