愛知県碧南市 港町風情残る大浜に懐かしの旅路 寺院巡りの愉しみがある地区
<大浜の繁栄無くして、碧南市の誕生は有り得なかった。海運栄えた港町として発展した大浜。時代の取り残された事が幸いし古い街並が現存する。今も残る潮の香りを楽しみながら、寺院間の乳母道、黒い蔵の続く通り、懐かしの商店を巡り歩いてみたい> 大浜である。他の碧海4市がまだ小さな集落の集まりにすぎなかった時代、大浜には既に「問丸」があり、木材の集散地として繁栄を極めていた。 織田信長が幾度と大浜を襲い、名高い武将が大浜に砦を築き守らせた事は、いかに大浜が海運の要地であったかを示し、 湊橋を中心に寺院が密集する様子は、この大浜が三河西部における文化の中心地であった事を物語る。 現在の碧南市で西端・鷲塚を除く全ての地域は、大浜の枝郷に過ぎなかった。栄華を極めた大浜も、明治以後の物流形態の変化により、次第に衰退していく。 しかし、開発の波に乗り遅れた事が幸いし、港町としての雰囲気が未だ色濃く残っている。 近年「歩いて暮らせる街づくり」のモデル地区として選定され、訪れる人々が増えている。
<湊橋>鳴海まで続く大浜街道の起点、湊橋。北に瓜漬けで名を馳せた”角谷大十商店”、西を向けば岡崎街道。■『港橋』へ
<中の稲荷社>乱杭渡り人形が有名な中の稲荷社。7・6・2と続く石段。境内に漂う潮の香りは大浜気分。■『中の稲荷社』へ
<稲荷社の隠れた狐さん>隠されたお狐さんは瓦製。陣屋の武士達が奉納したという。■『稲荷社の隠れた狐さん』へ
<西方寺>清沢満之の寺。近年、記念館で執筆の部屋等が新たに公開。清沢満之先生の生き方を学ぼう。■『西方寺』へ
<常行院>いつも本堂前に下駄があり。人少なく静かな境内。天井の秘密。本当は寝そべって見たいのだが…。■『常行院』へ
<林泉寺>座禅道場で有名な寺。綺麗な境内に気持ちが締まる。鷲塚騒動の犠牲者・藤岡薫氏のお墓がある。■『林泉寺』へ
<大浜陣屋跡>かつては、羽根町一帯が大浜陣屋。今は公園として、有志の建てた記念碑だけが残る。■『大浜陣屋跡』へ
<大浜発電所>三河地震で折れてしまった煙突。北には、西洋帆船を造る造船所が明治の時代あった。■『大浜発電所』へ
<大浜上の熊野神社>境内の射小屋・南山矢取塚は県指定の文化財。神社西は、かつて海水浴場。■『大浜上の熊野神社』へ
<大浜弁天>加藤菊女の生家跡に建てられた弁天さん。加藤家の屋敷神であった。白蛇の伝説が残る。 ■『大浜弁天』へ
<大正通>軍人さんが開墾した道。道沿いに味噌醤油たちの倉庫群。たまりの匂いに大浜を感じて下さい。■『大正通』へ
<大浜さかな通り>堀川岸の岡崎街道に魚屋が大繁盛。新鮮で安い魚介類を求める人は真剣!■『大浜さかな通り』へ
< text • photo by heboto >