愛知県碧南市 伝えていこう「ありがとう」の言葉 感謝する喜びを知る毎日
<不安を抱えた情勢下でも「お願いします」と「ありがとう」の言葉は決して消えず。子供に叱られ気付く大切な言葉。英国での体験は私に満たされた心を与えてくれた。素直に伝える「ありがとう」の気持ちは、なんだかとっても温かい。碧南を歩いて見つけよう、たくさんの「ありがとう」> 1990年秋、ベルリンの壁が崩れて以来、未だ混沌とした欧州に私はいた。 街には軍服姿が目立ち、テロを警戒する殺伐とした雰囲気に、「ああ、これから戦争が始まるんだ」と感じたのを覚えている。 そんななか、英国での体験。英語も満足に話せない私は、日本にいる感覚で言葉を直訳し、ただ単語を連呼して応じていた。 日本では、例えば「オムライス!」と一言いうだけで店員は笑顔で運んできてくれる。 だが、英国では店員は皆、眉をひそめて無言のまま商品を差し出してくる。「これが人種差別か!」と、一人憤慨している私。 脇にいた子供が私の袖を引っ張り、「Please!」と口元を見せて喋った。そして「Thank you!」とも。 以来、どこの国でも「お願いします」と「ありがとう」の言葉を覚え、ハッキリと言うようにした。 そのおかげか、日本人だからといって見下されることは決してなかった。 日本に帰ってからも「お願いします」と「ありがとう」を使うように心がけた。 次第に1つのことに気付く。「ありがとう」という感謝の気持ちを言葉にして伝える行為が、なんとも気持ちがよいのだ。 とかく”感謝される”ことに頑張りがちだが、実は”感謝する”という気持ちある方が、心が満たされるのではと私は思う。 碧南市を歩いて普段気付かない「ありがとう」を見つける。喜びは身近な場所にきっとある。
<碧南市民図書館>どんな難解な質問にも一緒になって考えてくれる。いつも優しい笑顔は碧南の誇り。■『碧南市民図書館』へ
<橋をありがとう>橋は当然あるべき存在?賞賛される事も感謝される事もない名も無き人々を讃える。■『橋をありがとう』へ
<まちなかの花> 花は誰が植える?静かにやってきて花に水、誰にも見つからないように去っていく人。 ■『まちなかの花』へ
<瓦工場のえんとつ> 毎日真っ黒な煙を出しながら、一生懸命に働いた煙突。今は静かに立っている。 ■『瓦工場のえんとつ』へ
<公園のしあわせ>ポカポカした陽気に誘われて公園に。そこには幸せの気配。生きる希望がたくさんある。■『公園のしあわせ』へ
<称名寺の甘茶>毎年4月8日になると本堂前に置かれる甘いお茶とお釈迦さん。参拝客が少なくとも続く。■『称名寺の甘茶』へ
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