愛知県碧南市 碧南市民図書館は市民の誇り いつも親切にありがとうの気持ち
<「すべてが完璧…」絶句する程、豊田市図書館は素晴らしかった。だけどどこか落ち着かない。碧南市民図書館の暖かい応対に懐かしさを覚える。図書館としては珍しい”もてなしの心”を重視する姿勢。碧南市民図書館は碧南市民の誇りです> 先日、何年も前から訪れてみたかった「豊田市中央図書館」へ行く事が出来た。 「豊田参合館」という地上13階、地下2階という巨大なビル、3階から7階までが図書館である。 入口はまるで美術館のよう。少し緊張した面持ちでゲートへ進入する。 見渡せば、遙か向こうまで本棚が続いていた。普段、碧南市図書館職員さんを困らせている私のワガママな要求に、 全て応えられるだけの受容力を想像させる。実に的確な応対で、何もかも全てが完璧だ。 しかし私は何か居心地の悪さを感じてしまった。完璧であるがうえに人間味が希薄なのである。 まるで銀行にでも来たような腰の落ち着かない気持ちといったらよいか。 全てがシステム的で破綻がない。本来の図書館はこうあるべきかも知れない。だけど私は碧南市民図書館のほう良い。 無理難題を押しつけても「分かりません」と冷たくあしらわずに、最善を尽くした上で「ウ~ン…」と一緒になって考えてくれる。 この利用者と同じ目線の応対が魅力なのだ。それに図書館入口での「こんにちは~」と明るい挨拶がなんとも心地良い。昔の碧南市図書館を知る世代には驚きである。 私はこの碧南市民図書館をとても誇りに思う。碧南市民の多くもおそらく同じ思いのはず。ありがとう、碧南市民図書館職員のみなさん。
私たちの世代が抱く図書館のイメージは、それはとても怖いものだった。碧南市文化会館の敷地にある現在の中部分館が碧南市唯一の図書館だった時代の話。 今の明るく開放的な感じとはからは想像できぬほどに当時の図書館は暗く陰湿で、そしてピリピリと張りつめた空気が漂っていた。 子供である、不注意で本棚から本を落とそうものなら、音もなく司書の方が背後に迫り 「あんたたち、騒ぐなら出て行きなさい!」と一喝される。 叱られた子供達はショボンとした面もちで俯きながら、足音をたてぬようにと薄暗い廊下を帰って行く。現在の明るく開放的な図書館とは真逆の実に恐ろしい場所だったのである。
< text • photo by heboto >