愛知県碧南市 三河線碧南・吉良吉田間 忘れないように最後の日を見届ける
<ついに迎えた廃線の日、平成16年(2004)3月31日。大正15年(1926)よりずっと守ってきた歴史に終止符を打つ決断を私達は受け入れた。沿線の発展を願い敷設した先人達の想いに私達は答えたのか? 未来への判断材料として私はここに「最後の日」を記す> 平成16年(2004)3月31日の午後10時53分、吉良吉田駅にLEカーが到着し、碧南~吉良吉田間の三河線が廃線となった。開業から78年目のことだった。 自動車王国として成り立つ西三河地区にて、よく頑張ってくれたと思う。十数年来、赤字路線ながらも保持してくれた「名古屋鉄道」に深く感謝の意を表したい。 また数年前、一度は決定した廃線案を補填という形で延命してくれた「沿線の自治体」の努力も忘れてはならない。 大正15年(1926)9月1日に最初の区間、大浜港~神谷間を開通させた先人達。その想いは、沿線の町を発展させるという未来へ託した希望だった。 私達は先人達の希望に添えただろうか? 答えは人ぞれぞれだろう。 だがひとつ言えるのは、私達は案を容認し、確実に1つの路線が消えたこと。 それが正しい判断であったかの答えは、私達ではなく次世代の人々が答えを出す。 人々に語り継がれることを願い、私はここに「最後の日」を記する。
<78年の歴史>大正15年(1926)に敷設された三河線・碧南~吉良吉田間の歴史。廃線間際の様子。■『78年の歴史』へ
<3月31日(水曜)>最終営業日となった平成16年3月31日をリポート。忘れられない思い出となる。■『3月31日(水曜日)』へ
< text • photo by heboto >