愛知県碧南市 紺碧の海はどこへ行ってしまったのだろう 失われた海を探す
<碧南にはかつて綺麗な海があった事実が消えていく。人々の間にあの海が語られることはない。 碧南市は海を失うと同時に、何か自信を失っていった。「このままで本当によいのか…」そんな想いを胸に、かつての海岸線を歩いてみる> 灰色コンクリートの海岸線。得体の知れない液体が泡立ちながら打ち寄せる。ボクらの世代は、これを海だと教えられてきた。透き通った海、サラサラの砂浜は、どこか南の島の話だと教えられてきた。 だがそれは嘘だった。碧南にも綺麗な海は存在していたのである。毎年夏になると、県内からたくさんの人が海を求めて、碧南へやって来た歴史があった。 碧南は、美しいあの海を捨てた。富は得たが、同時にどこか自信を失った。 もはや人々の思い出のなかでしかない碧南の海…。いつしかその思い出さえも消えていく。 「本当にそれでいいのか…」 私はイヤである。そこで私は”碧南の海を知らない世代に広く知って欲しい”との思いから、「かつての海」を歩いた。 人々の海に対する意識が高まれば、碧南の地に再び美しい砂浜が戻ってくることも夢ではない。「碧南市の歴史は誰が創るのか?」の答えは、あなたにある。
<玉津浦海水浴場>かつての海を知る人々は回想する。”玉津浦海水浴場は別格の美しさだった”と。■『玉津浦海水浴場』へ
<新須磨海水浴場>碧南で一番賑わっていた海水浴場。牛車や乗合船を使って沢山の人が来た。■『新須磨海水浴場』へ
< text • photo by heboto >