愛知県碧南市 最後の催し 海徳寺「雅楽」と「大浜てらまち俳句img」表彰式へ

大浜てらまちウォーキング

雅楽と俳句

大仏さんと雅楽の音色 「大浜てらまち俳句img」会場は大人な雰囲気

海徳寺の本堂へ人が集まり出す

<「雅楽の演奏」おこなわれる海徳寺へと急ぐ。会場となる本堂は既に満員。前日に顔を合わせた御婦人が私の窮地を救った。明治初年、廃棄される寸前だった仏像を「角谷大十商店」店主が譲り受けという由緒を持つ「大浜大仏」。雅楽の音色はその半生を物語るかのように響いていた> いつから始まる「大浜てらまち俳句img」表彰式を待つより、開始時刻迫る「雅楽の演奏」を優先して会場となる海徳寺へ向かうことにした。 本堂は既に雅楽の演奏を待つたくさんの人で満員となっていた。なんとか場所を確保しなくてはと、モジモジしていると、横から座布団が飛んでくる。 ニコリと微笑む御婦人。前日、海徳寺の本尊「木造阿弥陀如来坐像」が国重要文化財の指定を受けて催された特別講演会で顔を合わせた方が場所を空けてくれたのだ。 仏像を愛する仲間の慈愛、ありがたく頂戴する。最前列横という恵まれた場所で改めて「大浜大仏」を見上げる。 明治初年の神仏分離令の騒動で廃棄される運命にあったのを、檀家の「角谷大十商店」店主が譲り受けてきた仏像である。 伊勢市の「菩提山・神宮寺」より、船に乗り海路、大浜へとやって来た。 感慨に耽っていると、和楽器の淋しげな音色が響いてきた。大浜大仏の半生を物語るかのように、堂内は哀愁の雰囲気に包まれていく。2人の巫女による舞いが入り、観衆を楽しませた。

偉い先生が優秀作品を発表している

<遅れていた「大浜てらまち俳句img」の表彰式会場へ。平均年齢50歳以上という大人達で満員だった。俳句の先生たちの品評を真剣にメモする大人達。各賞が発表される度に一喜一憂の表情。受賞者には碧南市指定優良土産品が送られる。俳句に対する碧南市の画策は着々と進む> 当日の「大浜てらまちウォーキング」イベントでは、並行して「大浜てらまち俳句img」という吟行会が行われいた。 「吟行(ぎんこう)」とは、”俳句を詠む為に野外や名所、旧蹟を訪れること”の意味。 碧南市のトップが文人であるが故か、近年、碧南市では俳句を元にした観光誘致を画策しているようだ。 「大浜てらまち俳句img」は参加費500円を徴収するイベントにも関わらず、人気を集めている。 その根拠は表彰式会場となる大浜公民館2階大広間にあった。並べられた椅子、最後列まで満員なのだ。 その数、200名以上か。私が会場に駆けつけた時には、既に表彰式は始まっており、俳句の先生が作品について解説している最中だった。 おそらく50歳以上の大人達が9割を占める会場、皆真剣に先生の発する言葉をメモしている。 演壇の右には、碧南市市長、教育委員長など碧南市のエスタブリッシュメント(establishment)達の顔、左には俳句会の巨匠達が虚空を眺める。 次々と各賞が発表され、用意された前列に座っていく受賞者。 最後に今年の最優秀作品が発表される。が、その作者は会場内には来ていなかった。少しばかり間の抜けた空気が場を包む。 しかし司会者の女性のユーモアによって場内は和やかに。 受賞者には碧南市指定優良土産詰め合わせセットが送られるという。

ヘボト自画像次回予告 第16回 『反省、そしてススメ』

歩いて暮らせるまちづくりの看板 昨年度の「じじみ汁無料接待」を逃したという失敗から周到な計画を立て、万全の体制で臨んだ私。そして平成15年(2003)の「大浜てらまちウォーキング」は終わった。 はたして十分に楽しめたのだろうか? 自らを問いただす。私の答えは「No」。 私は大きな過ちを犯していたことに気付く。多くを回ろうとする余り、大切なことを忘れていたのだ。 「大浜てらまちウォーキング」の根本である”歩いて暮らせる街づくり”構想に掲げられた理念。 ”効率重視”の世の中から、誰しもが機会平等に楽しめる事を趣旨とする志を無にした。 次回は平成15年(2003)の「大浜てらまちウォーキング」私的反省会。 ■第16回『反省、そしてススメ』

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