愛知県碧南市 称名寺の5月「三州大浜・東照宮」祭礼と8月「そろばん供養祭」

碧南の祭へ行こう!

称名寺東照宮のお祭り

やんやの歓声にカラオケの熱唱も続く 商品目当てに子供達も集まる

本堂でお参りする老人

<徳川家康の幼名である「竹千代」命名の寺として知られる時宗「称名寺」。毎年5月には境内にある「三州大浜・東照宮」の祭礼で賑わう。往時は身分の高い者のみ許される祭であったが、現在は大浜下区民みんなの祭となる。景品当たるカラーボール投げに殺到する人々に嬉しい顔> 大浜地区にある時宗「称名寺」。声阿弥陀仏を開基とし、歴応2年(1339)に創建した寺院である。 海運の要所として栄えた大浜にあるが故、時の権力者に代々保護されてきた。 松平信忠はこの称名寺で没し、また徳川家康幼名である「竹千代」命名の寺としても有名だ。 境内の西にある「三州大浜・東照宮」は往時”松平神社”と称し、徳川家先祖の御霊を祀った社であった。 世間が連休を楽しむ5月5日、称名寺の境内はこの「三州大浜・東照宮」の祭礼で賑わっていた。昔は極限られた身分の者だけに参加が許される祭であったが、いつしか門前となる大浜下区皆の祭となった。 山門から本道にかけて露店が並び、特設ステージでは自慢の喉を聞かせるカラオケ大会。 奥の庭園では茶席が設けられ、普段見ることの出来ない「加藤菊女」の屏風絵、東姫の持仏である本尊「聖観音菩薩立像」も拝める。 だが一番の盛況は、カラーボール投げ。餅投げの寺院版である。

投げられるカラーボールを拾う人々

<珠を弾く音に因んで毎年8月8日は「そろばんの日」。大浜の称名寺では古いそろばんを供養する「そろばん供養祭」が行われる。市内の珠算塾に通う子供達が集まり、読み上げ算を奉納した後に古いそろばんを燃やす。参加した子供達へのご褒美は缶ジュースと「渡宋天満宮」御守り> 再び「そろばん」が流行の兆しを見せている。消費税や金利・利息と、なにかと計算能力が求められる昨今、頭の中で珠を弾く「そろばん脳」に憧れる人も多いようだ。 私の少年時代、先ず親達は”そろばん”には子供を通わせていた。 赤貧の家であっても「せめて、そろばんだけは…」という親の思いがあった。 パチパチと珠を弾く音に因んで8月8日は「そろばんの日」である。 大浜の称名寺境内にある「渡宋天満宮」にて、毎年そろばんの日である8月8日に「そろばん供養祭」が営まれている。 主催は「碧南珠算連盟」。午前9時より始まった「そろばん供養祭」には各珠算教室の生徒である子供達が集まっていた。 巨大なそろばんある祭壇で代表の子供が読み上げ算を奉納した後、子供達は列を成して焼香していく。 巨大なそろばんが赤煉瓦の炉へと八の字に立て掛けられるのを合図として、古いそろばんに火が着く。そろばん供養祭は開始より30分で終わる。 子供達にはご褒美として缶ジュースと「渡宋天満宮」御守りが配られた。

ヘボト自画像ヘボトの「踊躍歓喜(ゆやくかんき)」

数多くの

「萬燈供養」

平成17年(2005)7月22日の金曜日、午後7時より大浜にある称名寺境内にて「萬燈供養法会」が営まれた。 主催は「大浜地区仏教会」。戦後の昭和20年代に戦没者供養の為に始まったとされる。 今日では「英霊供養」の他に三界のあらゆる霊を供養する「三界萬霊」、そして港町大浜らしく「魚介類供養」と「海上安全」祈願も行われている。 480の燈明は三段に分けられ、大浜各地より集まった住職たちによって蝋燭に灯が点される。戒名と施主の書かれた燈明は紙製で赤・桃・緑・紫とそれぞれ縁取りされ、仏教絵が描かれたもの。 萬燈供養が始まった当初は、大浜の南にある玉津浦海岸を会場とし、燈明をそのまま海へと流していた。しかし臨海工業地帯造成により、海が消失したためにやもなく称名寺で行われることになった。 称名寺若住職司会のもと、各寺院の住職が順に読経を始める。集まった一般の参列者たちが焼香し、萬燈供養はわずか30分で終わった。 すっかり闇夜となった称名寺に故人を偲ぶ480の燈明は灯されたまま。静寂した境内に燈明の明かりが揺らぐ光景はとても幻想的であった。

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