愛知県碧南市 煤けた「住吉社」は氏子の誇り 共に歩む歴史が祭にも感じられ
<新川のほとり、一段高くなった場所にある住吉社。他の神社とは違う、どこか薄暗い雰囲気が漂う。 そう思わせる正体は、境内全体を覆う煤にある>鳥居・灯籠など煤で黒ずみ、雨の作用で、ベタッと黒いシミが所々にたれている。 圧巻は顔面崩壊した狛犬だ。煤だけでなく、苔むしてまでいるから迫力満点。 普通なら直してしまうものだが、おそらく地元の人はしないだろう。祭の準備を寡黙にこなす男達。 決して綺麗とはいえない神社であろうとも、卑下することなく、むしろ誇らしく思うという男達の顔。 このあたりには瓦を焼く工場が林立している。神社の煤は証。住吉社は人々と共に苦しい時も耐えてきた証なのである。
<どういう意味があるのだろうか?今日はお祭りのはずである。なのに住吉社の境内の一画、御神木前にいらっしゃる神様は、祭の日であるはずなのに白と黒の「鯨幕」で覆われていた>祭で境内は紅白ばかりだというのに、一瞬目を疑ってしまった。 本殿で御神酒をついでいる世話役の方にお伺いしても分からないという返事。 「神主さんに聞けば分かるかも」とのことだが、あいにく神主さんは不在で分からずじまい。 このような光景を見たのは初めて。普段見る白と黒の幕と云えば、葬式の「鯨幕」。凶事に使用される幕として知られている。 のちに調べたのだが、白と黒の「鯨幕」は凶事の他に、神事でも使われることもあり、それは古くから伝わる慣習に則ったものだという。 やはり「住吉社」は、他とは違う何かがある。
狭い神社さんなので駐車場は皆無。また近くに車を駐車出来るスペースもないのが困りどころ。 私は実際にその光景を目にすることは出来なかったが、”住吉社ビンゴゲーム大会”という看板があった。小規模な祭を行う神社では、「ビンゴゲーム」が流行なのだろうか、他でも見たことがある。 住吉社で行われた「餅投げ」の主な景品の紹介。特賞・高級布団セット(2本)、1等・21型テレビ(4本)、2等・デジタルカメラ(5本)、 3等・自転車(5本)、4等・米5キロ(15本)だった。(記事内容・2003年10月12日)
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