愛知県碧南市 鋳物師「国松十兵衛」に深く関わりある松江の稲荷神社に秋祭り
<スーツ姿の紳士が列をなし、手に提灯を携えて先頭を行く。次に赤とアイボリーの煌びやかな衣装を着た女の子達が続く> ざわめきと共にやってきた。青ハッピの子供達が「西松江囃子連」と1文字ずつ書かれた提灯をぶら下げた車を引き連れる。ポコポコと音を立てて、スーツの一団の最後尾に位置していく。 グルリと町内をまわってきた一団は、松江の稲荷神社前で再び列を立て直し、境内の神前へと向かいだす。 一通り神様に丁重な挨拶が行われた後、それまでの賑やかな一団は解散する。遠くで見ていた母親の元へと走る子供達。親たちが慌てて子供達へ指さす方向にはテントが張られていた。 そこでお菓子の詰め合わせが貰える。満足げに家路へと向かう子供達。他の地区のように派手さはないけれど、何故か安心する。 お稲荷さんへの信頼という気持ちが伝わってくるからだ。あの面白い表情をしたキツネさん、 今日のために設えた真っ赤なスカーフには、人々の思いが込められている。
静かに見守っていて欲しい。淡々とした祭の雰囲気がこの「松江・稲荷神社」の魅力。 露店も一切出ていることはない。本来の意味で地元の人の地元の人によるお祭りなのだ。 神社に入る列に静かに参列して雰囲気を楽しみましょう。やはりこちらも郷には郷に従え”の精神でお願いします。 神社にある面白い表情をしたキツネさんは、境内の一番奥にある。大人のハッピ姿、囃子車の屋根飾りに注目して欲しい。 稲荷神社特有の紋章がきっと目に留まるはず。(記事内容:2003年10月11日)
< text • photo by heboto >