愛知県碧南市 大樹の陰で何を語り尽くす ポニー来る「東松江の神明社」秋祭り
<やって来るのは「ポニー」である。馬に祭といえば「おまんと」を想像する。年男達が荒れ狂う馬に引きずられ、蹴られ、散々な目に遭う神事である。だがこの「東松江の神明社」ではポニーが子供を乗せて黙々と仕事をこなす。じつに静かな祭に代官「鳥居牛之助」の思惑はあるのだろうか>樹齢何百年という大樹の木陰、ポニーにまたがる子供達が静かに乗馬を楽しむ。 大人が跨れば、腰が浮いてしまうほど小さなポニーである。乗るは子供だとバカにせず、ポニーは黙々と仕事をこなしていく。 ポクポクと音だけがする落ち着いた雰囲気に本当に今日は祭かと問う。大浜下地区では恒例の「奇声を上げてバカ騒ぎする輩」などは皆無。ゆっくりとした時間だけが過ぎていくなか、囃子のざわめきが近づいてきた。 垢抜けた子供達が笛を吹き、小太鼓を叩きながら境内へと入ってくる。 大浜下地区でいう「しみったれた子」はいない。この東松江の神明社を含む一帯はかつて「松江代官所」が存在した。代官「鳥山牛之助」が松江の将来性を見出して事だった。事実、松江は「鶴ヶ崎」よりも早い時期に発展している。南西には旧字「郭前」という地名も存在していたことから文化的な発展も試みた可能性も。 この「東松江の神明社」秋祭りがいたってお淑やかな祭なのも代官「鳥居牛之助」の思惑が未だ息づいているのかもしれない。
全てオープンになる本殿に注目。普通は本殿とは別に、後ろに小さな神様の社が構えているはずなのに、 こちらの神明社では、その小さな社がない。だから後ろの扉を含む全てが開け放たれる奇妙な姿を目にすることになる。 この神明社一帯は、松江代官「鳥居牛之助」が代官所を置いた歴史がある。大浜に「大浜陣屋」がおかれる明和5年(1768)まで存在した。 神明社も代官「鳥山牛之助」が当地へ祀った。 境内の見所は他に水屋にある龍、碧南出身の彫刻家「加藤潮光」の作品。餅投げ景品を紹介する。 子供の部<特大ぬいぐるみ・ゲームボーイアドバンスSP・目覚まし時計・図書券>一般の部<最高級浄水器・ 自転車・お楽しみ賞・オリーブ石けん・洗濯石けん>であった。(記事内容・2003年10月12日)
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