16.元中山峠(もとなかやまとうげ)(2014.10.12)   参考サイトはこちら他多数

 

前回の教訓から水輸送を改善すべく、またまたモンベルに出かけて、私の分だけですが、2Lのハイドレーションシステムと1,5Lの畳める水筒を導入しました。その上で、10月の11〜13日の三連休でのテント泊第二弾を目論みましたが、11日は長男がサッカーの試合、13日は台風19号襲来の予報(実際にも予報どおり午前中から嵐模様になりました)で、12日しか動けず、東海自然歩道歩きの日帰り区間を消化することにしました。

東海自然歩道の愛知県コースを日帰り或いは一泊で消化していこうとすると、必ず区切りになるであろう地点が幾つかあります。1)定光寺 は、その前後が交通の便の良くないところに中央本線の駅があります。2)香嵐渓 と 3)田口 は、寧比曽岳への入り口と出口になります。寧比曽岳には、山頂から伊勢神に降りる東海自然歩道恵那コースの他には、有効なエスケープルートはありません。4)大野引地) は、田口からの設楽山地の尾根伝いのルートが飯田線・R151の線まで下りてくる地点です。田口−大野間では、四谷と宇連山のどちらかで区切ることになります。

「鉄人さん」級の足があれば、定光寺と香嵐渓の間は、一日では無理だけれど、二日だと少し余る(でも余った時間で有効に歩き足せる区間もない)ので、区切るのは、猿投山の前後、即ち、雲興寺か猿投神社、となるようです。こちらの方は雲興寺・広瀬で3分割する当初予定を変更して雲興寺から香嵐渓まで一気に歩かれたようです。「鉄人さん」は猿投神社の前後をそれぞれ日帰りされていますが、これを我々が見習おうとすると、猿投神社前後でどちらも中途半端に短いテント泊コースとなってしまいます。しかも、猿投神社・香嵐渓間に幕営適地があるかどうかも疑わしいのです。そこで、定光寺から出発する時に、雲興寺〜猿投山間のどこかで野宿して、広瀬か勘八まで歩く、次の機会に香嵐渓までの区間を日帰りする(広瀬までも歩けなかったのならそれはその時考える)、と一応考えていました。しかし日帰りの方を先にすることになってしまったので、見切りで広瀬から歩くことにしました。広瀬であれば香嵐渓からのバスも通るので、自分の車で広瀬に行って置いておき、香嵐渓まで歩いてバスで広瀬まで戻る、として、アプローチの時間を短縮できます。

この区間は刈谷の自宅から一番近いことだけが取り柄で、特にこれといった見所は無さそうです。舗装区間も多いし、あまり期待しないでね、と予め家族に念を押しておきました。朝の犬の散歩を済ませてから、8時くらいに出発、伊勢湾岸自動車道から東海環状自動車道に直進して豊田勘八ICで下りて、名鉄三河線の廃線区間の三河広瀬駅跡に8時50分に到着です。予めグーグルのストリートビューにて駅前の駐車場の「月2000円、一日200円」という看板が読み取れたので、そこに停めるつもりだったのですが、行ってみると看板から「一日200円」の方が消されていました。それならば、と途中に見えていたスペース(50mほど西で道路の北側)に戻って車を停めました。

線路の上を歩いてもOK、ホームから飛び降りるのもOK、というのに子供達はかなり反応していました(左下)が、「もう一度戻ってくるから」とそこそこに切り上げさせて出発、駅から直ぐの広瀬城跡への登り口から東海自然歩道になります。ここで8:57です(右下)。
 

ここから広瀬城跡に階段で上がって、向こう側に下りて行きます・・・と、よそのお宅のお庭に入ってしまい、注意されて慌てて引き返しました。東海自然歩道の道標は多いのですが、それでもアレレ?という箇所はこの日も何箇所かありました。最初の失敗の後、麓まで降りて田んぼの中をジグザグ歩いた後の次の山に近づいていくところでも、用水路の反対側を歩いてしまいました。

その用水路から離れて少しだけ山道ですが、すぐに舗装道路に出ます。車通りがあったのは最初のわずかな区間だけで、すぐにほぼ歩行者天国状態になりました。特徴のない道で、現在地がよく分かっていなかったところで、猿投グリーンロードを渡る橋が見えて、意外と前進していることを理解しました。結構とんでもなく高い跨道橋でした(下左)。
 
この後、坂を徐々に下りていきます。途中の養鶏場が臭っていました。下り切って「勘八峡」の看板の前通過が10:04、愛知県コースタイムが1:00のところ、1:07かかってしまいました。車で来る途中で勘八峡にボートがいくつも浮かんでいるのは見ていたのですが、東海自然歩道からは全然見えません。「勘八峡」の看板からほんの少しだけR153を歩いてから逸れますが、やはり舗装道路です。左側の牧場に、今度は牛が見えました(上右)。

その先、ようやく山道に入ったところで、子イノシシ?の死骸にウジが湧いているのを横目で見たりしながら、「勘八牧場」に上がっていくのですが、どこからどこまでが「勘八牧場」なのか釈然としないまま通過していきました。開けたところを歩いている間は、程よいアップダウンの気持ちの良い道だったのですが、その先の樹林の中に入っていくと、一気に虫の数が増えました。それ以上に凄まじいのが蜘蛛の巣の密度で、巨大な蜘蛛が皆丸々肥えています。この辺りは太陽の方向の加減で蜘蛛の巣が割りと見えたので、見えた巣はくぐって行ったのですが、その前に通った人が私より小さかったのか、前に人が通ってから時間が経っているのか。とにかくこの日は最後までハイキング姿の人には全く出会えませんでした。

「勘八峡」の次のチェックポイントの「上高」がどこなのか確信が持てないまま通過してしまいました。そこから「千鳥寺」に向かってしばらく行くとまた舗装道路ですが、車が来ないのは相変わらずです。カマキリが居る、と思ってよく見たら、一匹がもう一匹を押さえつけていて、押さえつけられた方がジタバタしているのですが、そいつの頭がありません。少し離れたところに頭だけ落ちていました。(下左画像、画像の一番下に見えている黄緑の三角形が取れちゃった頭です。)
 
舗装道路で「千鳥寺」が見えるところまで来ましたが、東海自然歩道の看板は、そちらではなく民家の庭先のような方を指しています。朝一番のこともあるので、少しビビリましたが、少し行ったところに自然歩道のベンチが見えたので、今回は間違いありません。穏やかな山道を更に先に進んで、11:56、その次の広々としたベンチで昼食にしました(上右)。

昼食は、前回に手をつけなかった二日目の昼に予定していた分、チャーハン/五目ご飯/ピラフ/ドライカレー、とミニカップヌードルです。里に近いところを歩くので全然心配していないながら、ザックも軽いから、と水を総計3.5Lの容量一杯に持ってきた・・・はずだったのですが、1.5Lのはずの水筒に0.8Lくらいしか入っておらず、2Lのハイドレーションシステム側から大分継ぎ足すことになりました。ハイドレーション側は最終的に0.6Lほど余らせたので全然問題は無かったのですが、次回への反省材料にはなります。湯を沸かしてアルファ化米の袋に注ぎ、待っている間に次の湯を沸かしてミニカップヌードルへ、という流れは大分スムーズになりましたが、湯が湧くまでの時間のために、昼食休憩は47分もかかってしまっています。テント泊初日で行動時間が貴重な時には、おにぎり他で手早く済ませたほうが良さそうです。

山道を山中町に向かって下りていく途中で、長いトカゲ?・・・ではなくて、細いヘビが居ました。山道をかなりのスピードで下りて逃げていくのですが、それを次男が走って追いかけます。と、ヘビは追われるのにうんざりしたのでしょうか、止まって威嚇のようなポーズを取りました(右)。毒蛇ではないだろうと思いましたが、これ以上刺激することもないので、遠巻きにして通過しました。

山中町まで下りてくると、イノシシよけの柵(下左)と、案内看板(下右)が見えます・・・・・ここで間違えました。
 

看板の右の道標の存在を見落とした&看板の地図の現在地の表記が何だか変に思えた&25000分の1の地図に転記していた愛知県のサイトの表示も微妙だった、などが重なり、正解はイノシシよけ柵から出てきて目の前の舗装道路を渡り看板横の道標の方に進む、だったところ、舗装道路を南に下り始めてしまいました。ただ、道間違いの怪我の功名で、山中町の祭り行列を見ることができました。下左の画像は、変だなと思って看板まで戻ろうとしていたところですが、馬や火縄銃隊が出ていてにぎわっていました。
 
という訳で、6分のロスで「元中山」の道標まで戻ってきました(上右)。ここで13:11、「上高」を飛ばしてしまいましたが、「勘八峡」からの愛知県コースタイムが2:20、我々の所要時間が3:07、昼食休憩の0:47を除くと丁度タイム通りです。道迷い分の0:06だけは速く歩いていた計算です。

山中町(元中山?)の舗装道路を歩いて町外れの田んぼに来たところで、まず最初に見えたのが、26cmの私の靴より明らかに長い特大のミミズ(右)。

その次にはカエルとヘビのバトルが見えました。残念ながらデジカメには収められなかった(という以上にビデオが欲しいところだった)のですが、頭から尻まで10cmくらいの比較的大きなカエルが跳ねると、直後にヘビ(これも先に見たヘビよりずっと太い)が跳ねる、を3回くらい繰り返して、結局カエルが逃げ切りました。

この先に再びイノシシ除けの柵があり、それを越えるとこの日唯一の本格感のある登りの山道だったのですが、カエルvsヘビの現場からでも僅か9分で元中山峠に着いてしまいました。この日の山道の頂上では唯一名前のある場所なのでページのタイトルにしましたが、何の変哲も無い、普通の樹林の中の峠でした。その先は下りになります。

そして、大島の集落に出る少し手前で、この日の動物ウォッチ大会のハイライトを迎えました。大きなリスのような動物が目の前の木をするする登っていくのが見えたので、デジカメを向けたら、ほぼシルエットになってしまいましたが、高い枝の上(上空20m?)で止まっていたのを収めることができました(下)。


猫サイズの胴体に特大の尻尾を付けたリス、を後で調べたら、ムササビ以外に該当しそうにありません。ムササビは夜行性、というのが引っかかりますが、昼間に活動しているムササビに出会えた貴重な体験だったに違いない、と思うことにしています。

大島の集落の最上部に下りて来たところで、広瀬城跡から下りて来たときと同じく、「眼下に公道が見えているけれど、そこまでどう下りればいいのか分からない」になりました。道なりに行くとまた庭先に出そうです。左に少し行って見ましたが、これだと元中山峠方向に戻りそうです。で、一番頼り無さそうな右の道へ行ってみるとこれが正解で、出口には道標がありました。

しばらく大島の集落を歩いて、巴川沿いの道に出たところで自動販売機があり、飲み物を補給しました。そのすぐ先に東海自然歩道の看板があります。ここで14:06、「元中山」からの愛知県コースタイムが0:45のところ0:55かけています。思いがけず見どころ一杯になった結果だと考えています。道迷いもしましたし。

さて、ここから香嵐渓まで愛知県のコースタイムで2:05、バスは毎時41分発ですから、香嵐渓で少し時間をつぶしてから16:41のバスに乗るのかな、それでも大きな問題はないけれど、広瀬に戻った時に暗くなっていたら少し残念かな、などと考えておりました。

大国橋を渡って、巴川の左岸を上流に向かうのですが、舗装道路を少し歩いてから入る山道が意外と本格派でした。幅は十分なので落ちそうとは思いませんでしたが、もし落ちたら怪我しそうな高さでしたし、細かいアップダウンもあります。ただ、巴川の流れの音に混じって対岸の足助街道を走る車の音も絶えないので、山奥感は皆無です。この区間も「勘八牧場」周辺に次いで蜘蛛の巣の密度が高く、しかも今度は光線の加減で殆ど見えないのです。蜘蛛の巣に突っ込んだ回数ではこちらの方が大分多かったように思います。

30分くらい?山道を歩いた後は全て舗装道路になります。白鷺温泉通過が15:07、看板には「香嵐渓 2.3km 55分」とあります。55分の方だと大島で考えていた通りの香嵐渓着時刻になりますが、2.3kmは少し頑張れば30分、15:41に乗れてもいい計算です。駄目元でペースアップすることにしました。

足助病院の手前で警察が出ていて、バス以外を一方通行にしていました。実はこの日は足助祭り当日だったのでした。足助大橋の直前に、右を指示している道標があり、そこを登ると香嵐渓の大駐車場の裏に出ます。駐車場を左に見て回りこむのが東海自然歩道の正しいルートだったようですが、そのまま駐車場の中、さらには土産物屋の並ぶ通りに突っ込んでいきました。

そして大きく曲がっている巴川に再びぶつかったところで、この日の東海自然歩道歩きの終わりということにしました(下左)。ここで15:37、場所が少々怪しいながら、大島からの愛知県のコースタイム2:05のところを1:31と大幅に短縮できました。バス発車時刻の少し前に到着したバス停からは足助祭りの賑わいも見えました(下右)。
 

定刻15:41より少し遅れて到着した小ぶりな「おいでんバス」は意外と混んでいました。最初は渋滞しましたが、足助街道(巴川右岸)が分かれる「足助追分」を過ぎてからは、飯田街道(R153)をバスは爆走しました。その走りっぷりからも一日で歩いた距離を実感できました。車窓から、廃線の終点だった西中金駅跡を写したりして(下左)から、16:11に乗り換え拠点になっている広瀬バス停につきました(下右:乗ってきたバスは発車した後で、写っているのは同じ形の別のバス)。
 

ホームと線路とでアスレチックを子供が納得するまでやらせて(下左)から、矢作川の河原にも下りてみました。阿寒湖では全然だめだった「水切り」にトライしたら、今回は2バウンドするところを子供達に披露できました。動物ウォッチ大会の仕上げに小さなカエルをデジカメに収めて(下右)から帰路に着きました。
 

 

舗装道路が多く、標高が上がらず、東海自然歩道歩きをしている人以外は歩きそうにないコースで、実際ハイキング姿の人は一切見かけませんでしたが、意外と変化に富み、さらに動物の出現多数で、当初予想を大きく上回って楽しめました。
険しいところが全くない点でも子連れ向きなのですが、いいエスケープルートがありません。香嵐渓まで広瀬から18km、勘八峡からでも15km、という距離は、慣れていないお子さんには厳しいかもしれません。
愛知県コースタイム6:05のところ、全体で6:40、昼食時間だけ除けば5:53で歩けました。香嵐渓−寧比曽岳の前半に似ているのでは、と想像していたこのコースにおいて、希望がつながるタイムとなりました。
私一人が導入したハイドレーションシステムは快適でしたが、増備する計画は当面ありません。一方、畳める水筒には水をしっかり充填せねばなりません。
ガス消費は18gでした。(使用中缶:310g、新品缶:376g、前回までの使用量48g)

 

歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道区間、緑:その他区間(歩き始め/終わり・・今回は殆ど無し)

・東海自然歩道区間で17.9km歩きました。

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