74.雷インパルス電圧発生器の定格電圧と印加可能な電圧


雷インパルス電圧発生器の定格は、「60.雷インパルス電圧発生器の原理」で記載したように雷インパルス電圧発生器に搭載されたコンデンサの定格電圧の合計の電圧です。しかし、定格電圧は、電圧を印加したい供試物に加えられる電圧ではありません。

 雷インパルス電圧発生器のコンデンサの静電容量、供試物の静電容量、波形調整用の抵抗の関係で通常、定格電圧の80%程度が加えることができる最大の電圧になります。「72.初期の雷インパルス電圧発生器」で出てくる定格電圧4000kVでは印加可能な電圧は約3200kVです。

 コンデンサの充電可能な電圧は新品であっても定格の90%程度以上を印加すると破壊する可能性があり、さらに長期劣化の具合により90~70%に抑える必要があります。4000kV雷インパルス電圧発生器では50年位使用していたのでの通常長期劣化係数を75%としていました。4000kV×0.8×0.9×0.75=2160kVが印加できる最大の電圧でした。

 このため、500kV変圧器モデルの試験電圧は1550kVですが、試験電圧の何倍まで耐えられることができるかを検証する限度試験で1.3倍の2015kVは問題なく印加できました。一方、1.4倍の2170kVは限度を少し超えていますが、ぎりぎりこの電圧間までは印加しました。これ以上はリスクを負えないため、試験場を変更する必要がありました。

 逆に低い電圧を印加する場合にはコンデンサを直列につなぐ球ギャップのギャップ長が全て揃っていると印加で可能電圧の30%位は比較的容易に印加できますが、細かい電圧の調整が難しくなります。そこで使用するコンデンサを減らして定格電圧を下げるため、必要なコンデンサを残し他は充電しないように短絡する構成に回路を変更して使用します。このため雷インパルス電圧発生器に登る必要が出てきます。

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2026年08月03日