51.そもそも規格はどうして必要なのか
IECやJECなど規格が各種ありますがどうして規格が必要なのでしょうか。たくさんの企業の人が基本はボランティアとして企画委員会に参画して新しく作ることや、ある期間ごとに改定する作業をしています。
規格が必要な理由は、端的に言えば規格はモノやサービスの取引をする上で必要なのです。
身近な例でいえば、A4のコピー紙を手に入れようとする場合、現在では「A4」の紙をすれば大きさは決まります。あとは材質、厚さ、重さや色を指定すれば基本は同じものが購入できます。
紙の大きさの規格が無ければ、コピー機やプリンターを作るにあたって全ての大きさの紙を対象にするのは不可能なので対象とする紙の大きさを独自に指定することになります。紙のメーカも毎回お客の注文に応じて違う大きさの紙を作るのは膨大な手間とコストの増大を招きます。コピー機やプリンターで使用する紙を購入する際に紙の寸法を毎回指定するのは大変です。大量に注文すれば紙を安く手に入れることは可能ですが、少量の紙を手に入れようとしてもコピー機やプリンターで指定された紙の大きさのものが売られているか分からないし、売られていても非常に高額なものになります。大変不便です。
高電圧試験でいえば、IEC60060-1に準拠した1050kVの雷インパルス電圧を印加してほしいといえば、細かいことを言わずに試験をしてもらえます。立ち上がり時間が1.2 µsで±30%の許容値があり、波尾で電圧がピーク電圧の50%になるまでの時間は50 µsで±20%の許容値があり、ピーク値も±3%の許容値が認められますが、これらをわざわざ指定する必要はありません。
このように規格によってモノやサービスの取引が容易になるためでなく、良く分からない素人でも容易に必要なものの購入やサービスを受けられるメリットがあります。
でも1つ疑問なのは、100ページに満たないIEC60060-1の価格が10万円以上なのはどうなのかな?と感じます。ボランティア活動でできた規格をあのバカ高い価格で販売した利益はどこに消えているのか非常に気になります。IEC委員の会議をする会議室の費用や職員の給料でしょうか。もっと安くしても良いような気がします。