45.CIGREパリ大会

 CIGREは2年に1回パリの大展示場であるパリ国際会議場(Palais des Congrès)で世界の技術者が一堂に集まる討論の場が約1週間に渡り行われます。参加費も格段に高く2006年頃では他の一般的な国際会議が3~4万円であったときに12万円近いものでした。これは会場費が高いだけでなく、懇親会である晩さん会が非常に有名な場所を貸し切って行われることだと想像しています。最近の2024年のパリ大会では早期申込で19万円、通常申込で25万円とさらに高騰しており、驚きです。

 パリ国際会議場には開会式を行う大ホール以外に約1000人が入れる4つのホールがあります。この4つのホールのうち2つを用いて毎日違う分野での討論が行われます。CIGREパリ大会での論文は、前回の大会が終わると間もなく次の大会における各分野のキーワードが3つ発表され、このキーワードに対応した論文を各国から募集します。

 投稿された論文から重要と大会幹事より選ばれたものが大会半年前に公表されます。この論文に対してコメント(コントリビューション)したい研究者・技術者は発表用1枚の原稿との8枚程度のPPTを討論がされる1日前の指定された時間に指定された場所に行き、セッションの議長に面会して内容を説明すると採否の判定がされます。採用された場合には、発表の順番が後に知らされるのでキーワードに対応した論文の概要の内容が議長からされた後、順番に発表します。

 2006年のD1「材料と新しい試験技術」のキーワードで「新しい変圧器」の内容に対して、東芝で製造している大容量ガス冷却式ガス絶縁変圧器の概要と納入の実績について「SF6とPET/PPSフィルムを用いたガス絶縁変圧器」のタイトルでコメント(コントリビューション)の発表をしました。

 通常はこのような発表に対しての会場からの質問は極めてまれです。しかし、質問がありました。「大容量の変圧器は絶縁油でやっと冷却することができるのに、ガスを用いて大容量の変圧器を冷却することは不可能ではないのか。」との質問でした。これに対して、「あなたたちはできないかもしれないが、私たちはそれを可能にした。」と言ってやりました。

 大体この手の質問をするのはコンサルティングを職業にしている人です。注目を浴びて商売につなげようとします。

 この大会では東芝がガス冷却式ガス絶縁変圧器のブースを出していたので、「分からなければ、東芝のガス絶縁変圧器のブースを見学して、もっと変圧器のことを勉強してみてはどうですか。」と言い忘れたのが心残りです。

 今でも大容量のガス冷却式ガス絶縁変圧器を製造できるのは世界で東芝しかありません。

2026年01月12日