44.CIGREとIEC

 「5.ナノ材料の脅威」でCIGRE(Conseil International des Grands Reseaux Electriques :国際大電力システム会議)についてのことを書きました。CIGREは1921年にフランス・パリで設立され、電力システムに関する専門知識を共有する技術的な学会のようなものです。1906年に国際的な規格を作るIEC(International Electrotechnical Commission : 国際電気標準会議) ができて電気に関する規格を作るにあたり技術的に新しい分野について検討していましたが、IECで行うのは困難であるとのことで、IECから技術的な討論をする場として分離されてCIGREが作られました。

 CIGREとIECは違う組織で、CIGREはその分野の専門家として個人的に参加するのですが、IECは国の規格に影響するので国の代表として参加することになり日本のIECに関係する団体からの推薦が必要になります。しかし、そうはいってもCIGREも国の代表みたいなものなので基本的には日本CIGRE国内委員会(JNC)で合意されてCIGREの参加メンバーになります。

 先に述べたようにCIGREとIECは違う組織ですが、その会議の実態は非常に似ています。というのは参加するのは電気のその分野の専門家であるためです。IEC TC42は高電圧・大電流の発生と測定に関するものですが、そこでは午前中にCIGREの会議を行い、午後は数名が入れ替わるもののほとんど同じメンバーでIECの会議をすることがよくありました。

 高電圧技術グループの課長が代々JNCのメンバーであったので、小生が課長になった1999年の時点でJNCデビューしました。当初はCIGREのWGグループ(SC33)のメンバーだけ務めましたが、2009年にIECの規格IEC60060の高電圧・大電流試験方法が10年目の改定の検討時期になっていたので規格IEC 60060-1 Ed. 3.0:2010改定が終わる2011年までの2年間IECのメンバーにもなってしまいました。

 昨年、改定されIEC 60060-1 Ed. 4.0:2025が発行されています。日本語で10万円越えです。

2026年01月05日