37.気体の絶縁屋と固体・液体の絶縁屋
長い間絶縁に関して携わってくると大学、企業でのいろいろな方と知り合いになってきました。この際面白いと思ったのは破壊電界の表現方法です。
昔から雷の研究をされている先生方はkV/cmの単位を使用します。また、変電機器でも主に外部絶縁(気中絶縁)が問題となる碍子を扱う部門の技術者は同じくkV/cmの単位を使用します。同じ流れでしょうかガス絶縁開閉装置を扱う技術者もkV/cmの単位を使用します。
一方、ポリエチレンなどの固体絶縁材料、鉱油などの液体絶縁材料を研究されている先生はkV/mmを使用します。もちろん、液体ヘリウム、液体窒素などの超電導機器の開発を行う大学の先生もkV/mmを使用します。従来の変圧器は絶縁油と絶縁紙を用いているため変圧器に携わる技術者もkV/mmを用います。ガス絶縁変圧器を扱う技術者は、気体絶縁を扱っていますが変圧器の流れでkV/mmを用います。
このように絶縁破壊電界の単位としてkV/cmを使用するか、kV/mmを使用するかでその先生や技術者が何から絶縁に携わるようになったかが分かります。
ちなみに小生は学生時代からポリエチレンの絶縁特性に関わってきたので基本はkV/mmを使用しますが、話し相手が気体関連の技術者と分かっていればkV/cmを使用します。