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QRP用パワーメータ(SWR計)の改造記




 ORP運用に力を入れていたころキットで購入したパワー計兼SWR計のOak Hills Research社 「WM-1 Wattmeter」を100W運用に使えるよう改造することにしました。
「WM-1」は最小目盛が5ミリWと微小なパワーも測れる優れもので
す。
(計測器精度誤差には最下段 (4)「計測精度や誤差に関する誤解」を参照してください)

この「WM-1」はQRP界で注目度が高く、海外のサイトでよく紹介されています。

下記サイト「You Tube」 でアップされているものです、ただし紹介されている機種は「WM-1」の後継機「WM-2」です、-1 との違いは、外部電源からも使えるようになったことで、基本的には大きな違いはありません。

@のサイトは、組み立てや、内部を紹介 Aのサイトは「Bird社」のパワー計と精度を比較しています。

@ http://www.youtube.com/watch?v=Jti8aGvuiiw
A http://www.youtube.com/watch?v=lbA-UH4T174&NR=1

下記のように改造することにしました。
(1)従来のQRP機能はすべて残す。(パワー、SWR測定機能)
(2)フルスケール100Wを測定できるようにする。(オリジナルは 最大10W)
(3)SWR値を直読できるようにする。(オリジナルはFRD,REF から 計算で求めていた)
(4)外部電源からも使えるようにする(オリジナルは内臓乾電池のみ006P)

 




(1)オリジナル回路と外観
                                 





WM-1 回路図


上図がオリジナル回路です、青枠で囲った、A、Bおよび、C部を改造しました




オリジナル外観 外観です
メータパネル面に
ハンダごてを誤って
当ててしまい一部溶解
ています。
最小目盛は5mWです。
オリジナル内部
基盤へ部品から組み
立てたものです。
電池(006P)は抜いて
撮影した。







(2)改造の内容

 下図のように改造しました。
(1)「SW1」はQRPと100Wの切り替え用スイッチで前面に出した。

(2)「SW2」のロータリSWオリジナルは4回路2接点でしたので、3回路4接点に交換した、回路図は3接点で記してあります。

(3)「SW3」のオリジナルは3回路4接点でした、1回路遊んでいたのでメーターへ行く回路の切り替えSWとして使った。

(4)「SW4]は内臓電池(006P)と外部電源の切り替え用として、背面に取り付けた。
  


改造後回路



オリジナルメーター目盛 メータ目盛に「SWR値}
を入れる必要があるため
目盛を書き直すことに
した。
オリジナルの目盛のコピー
をとった。(左図)
改造後メーター目盛 オリジナルのコピーから
Windows 付属の「ペイント」
を使い、一部消去した
のち、SWR値目盛を書き
加えた。(左図)

これをプリントした後
オリジナル目盛板の上へ
貼り付けた。

上記「コピー」を取り「ペイント」で修正する方法を、前面パネルで試みたところ
前面パネル下部曲げ部が微小に出ており、スキャナのガラス部に密着できず
「ボケ」てしまい断念した。





(3)調整と使い方
                         

 調整はマスターのSWR、パワー計を使用して「フルスケール」100Wになるよう、100W調整用半固定ボリュームを廻します。

フルスケールを合わせたのみで、100W以下の目盛もピタリと同じ値を示し完成しました。

SWR直読(100W時のみ)方法は「SW2」を「FWD」に切り替え、「CAL」ボリュームで、フルスケールになるようにします。
「SW2」を「REF」に切り替え「SWR値」を読みます。



改造後外観 完成外観のようす、
メータパネル面の溶解痕
が気になり、オリジナル
パネル面を強引に剥が
した。
そこへ透明クリリル板を
貼り付けた。

改造後背面 背面は「DC外部入力部」
および「電池(006P)」と
「DC外部入力」切り替え
用SWを取り付けた。

改造後内部 内部のようす、
右端の電池(006P)の
上部に、3端子レギュレタ
等を配置した「蛇の目
基盤」を取り付けた。
(水色リード線の先端)






(4)計測精度や誤差に関する誤解


                         
 私はアマ無線の場合、計測精度などあまり気にせずアバウトでよいと思っています。ただし正しい知識をもったうえでの話です。

ここで一番多い誤解を紹介します。
残念ながら、「MW-1」の取り説にスペックが明記されていませんので、現用しているSWR、パワー計 「REVEX W520」を例に説明します。



W520目盛 これが「REVEX W520」の
メーター目盛です。
パワー(W)はフルスケール
200、20、2(W)と3段階
切り替えができます。
W520定格 「定格」は他社、機種に
よって「スペック」「仕様」と
呼ばれています。

ポイントは、赤下線の
「電力測定確度」すなわち
測定精度です。


 上図赤下線部分、「REVEX W520」は親切で、「±10%(フルスケール値の)」と記していますが 他社、機種によっては「±10%(F/S)」とだけ記してあります。

ここで目盛の針が200Wを示した場合誤差は「±10%」すなわち±20Wで結果「180〜220W」であることが分かります。

目盛が50Wを示した場合「50W±10%」だから「45〜55W」は誤解です。
フルスケール時、±10%ですから50Wを示した場合「50W±20W」になり結果
「30〜70W」が正しいのです。

このことから測定する際は、指示値をフルスケールの2/3以上、最悪でも1/3以上になるよう測定レンジを選ぶ必要があります。

上記のことがらは「デジタル計測機」もまったく同じです。

冒頭 「WM-1」は最小目盛が「5ミリW」と記してありますが「5ミリW」はまったく当てになりません、「5ミリW」くらいとアバウトに考えたほうがよいでしょう。




 
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