ネオ「検索エンジンにさ、妖精から聞いた単語を入力してみたの。
    七つ、クリスタル、分裂、魔、封印、復活。」
 
 ジオ「一度にそんなに入れるなーっ!」
 
 ネオ「でも反応あったよ。」
 
 ジオ「本当だ、一件だけ。よし、見てみようぜ。」
 
 GM「そこはセーラームーンに関するページだった。」
 
 ジオ「・・・この物語に出てくる女の子とセーラー戦士と
    関係あるんかい!第一数が合わないじゃないか!!」
 
 GM「ちびうさ除けば合うけどね。」
 
 ネオ「うるさい。で、そっちは。」
 
 ジオ「応。名前は桃子。去年交通事故で亡くなったらしい。」
 
 ネオ「じゃあ、俺達とそんなに年は変わらないんだ。」
 
 ジオ「そうなるな。明日にでも学園の生徒が
    彼女の幽霊を見ていないか取材してみよう。」
 
 ネオ「俺、ちょっとトイレ。」
 
 ジオ「ああ、俺もう一寸調べてみるよ。」
 
 GM「ジオはその学校のリンクや別の検索エンジンを利用して
    手掛かりを調べようとした。」
 
 ジオ(それにしても他校の生徒の霊が何でネオの前に・・・?
    あいつが誰かと付き合っていたとかそんな話は
    聞いた事ないし・・・???)
 
 GM「この手のネット・サーフィンならぬネット・ダイブは
    往々にしてドツボと化すものである。」
 
 ジオ(そう言えば、妖精さんはクリスタルを吸収した娘を
    見つけられたかな・・?ってどうやって探すんだ?!)
 
 GM「ジオもジオの前のパソコンもフリーズしてしまった。」
 
 ジオ「うーん・・・・」
 
 ネオ「うぅーうん、すっきりした。」
 
 GM「ネオがトイレから出ると何かの気配を感じた。」
 
 ネオ「ずわっ、も、桃子ちゃん!」
 
 桃子「!!・・・私の事知ってたの?!」
 
 ネオ「ええと、さっき調べたんだよ。」
 
 GM「桃子はネオの口から自分の名を聞けたことに歓喜したが、
    それが今し方の入れ知恵であると知り、少し切なくなった。」
 
 桃子「そう・・でも、どうして?」
  桃子(どうしてもっと早く私の事知ろうとしてくれなかったの?)
 
 ネオ「あの、ほら、この間助けて貰ったお礼が言いたくて。」
 
 桃子「私もね、ずっと前からあなたとお話がしたかったの。」
  桃子(ずっと、ずっと前から貴方に声を掛けて貰いたかったのよ。)
 
 ネオ「ああ、そ。じゃあ、人気のない場所で話そうか。」
 
 桃子「・・・うん。」
 
 GM「二人は旧館の裏庭に行った。」
 
 ネオ「あ、あの、この間は助けてくれてアリガトウ。それと校門で
    泣かせてゴメン。後、ホモの人嫌いじゃ無いけど
    オレとジオはそういう関係じゃないから。うん。」
 
 桃子「・・・それで話は終わりなの?」
 
 ネオ「いや、その、何かお礼したいんだけど。何でもするからさ。」
 
 桃子「本当に?」
 
 ネオ「もちろん。だって命の恩人なんだから。」
 
 桃子「・・・・・本当はね、あの日にネオ君と知り合いになって
    デートとかに行ってみたかったの。・・・
    行きたい所・・・・いっぱい、あったのよ・・・・・。
    でも、もう無理だよね・・幽霊だってバレちゃったもの。
    ・・・だから、もう行こうと思うの。」
 
 ネオ「どこに???」
 
 桃子「あの世に。それでね、お願いがあるの。聞いてくれる?」
 
 ネオ「聞きます、聞きます。」
 
 桃子「・・・・私と一緒に行って欲しいの。」
 
 ネオ「(即座に)うんっ!」
 
 桃子「(目が点)え?何言ったか分かってる?死ぬのよ!」
 
 ネオ「あ、だけど半年したらね。」
 
 桃子「ほへ??どうして半年経つと死んじゃうって分かるの?!!」
 
 ネオ「いや、あのさぁ(周りを見て)
    実は俺、魔王と戦わないといけないんだ。」
 
 GM「ネオは桃子に今までの経緯を
    彼の頭で理解できている分だけ話した。」
 
 桃子「そっか、そうなんだ。・・・大変だね。」
 
 ネオ「うん。やる事は全部やるけど、どっかで死んじゃうかも
    しれないし。でもさ一緒にあの世に
    行ってくれる人が出来たから
    もう怖くないや。ホント、俺の方から頼みたかったんだ。」
 
 桃子「(くすっと笑って)なんだ、
    ネオ君も同じような事考えていたんだ。
    じゃあ、お願いを変えていい?」
 
 ネオ「OKっすよ。」
 
 桃子「・・あのねぇ、ネオ君が生きてる間は私と
    ・・・・・・恋人として・・つ、付き、」
 
 妖精「きゃあぁーーーーーーっ!」
 
 桃子「なによ何よ!折角いい雰囲気になった所なのにぃっ!」
リンツ「へへ、やっと見つけたよ、妖精ちゃぁん。」
 
 妖精「か・体が。気持ち悪い。。。」
リンツ「ほれ、捕まえた!妙な結界まで張ってくれちゃってぇ、
    その分たっぷり可愛がってあげるよ。」
 
 妖精「そんなの知らなぁい。いやっ、離してえっ!」
 
 GM「妖精は空中で捕獲された。」
 
 ネオ「オイッッ!!その妖精、離してやれよっ!」
 
 桃子「そうよ、そうよ。」
リンツ「フン!弱い奴ほど良く吠える、てね。」
 
 妖精「・・・ぅぇ」
 
 GM「三人はピリピリと睨み合った。」
 
 ジオ「おーい、外でしてるのかネオ?」
 
 ネオ「そう、掃除中で・・でなくて、こっちこっち!」
 
 妖精「あーん、助けてぇ。」
 
 ジオ「ほぉう。これは又、凄いのが来たな。」
 
 GM「ジオは自分でも呆れる位に落ち着いて呟いた。」
リンツ「な、何だいあんたは!」
 
 ジオ「そう仰る君の名こそ知りたいものだな、異国の君よ。」
 
 GM「ジオは斜に構えたまま質問に質問で答えた。」
リンツ「あ、・・あたいはリンツ。」
 
 ジオ「良い名だな。妖精を捕まえるとは流石だな。」
リンツ「ま、まぁ伊達に魔王様を・・って、何言わせるの!」
 
 ネオ「やーい、引っかかった。この妖怪マユゲ女!!」
リンツ「な、なんですってえぇっっ!
    もう怒った。こいつの羽、千切ってやる!」
 
 妖精「いやーっ、止めてー!!」
 
 GM「と、その時妖精の羽の先端が七色に光った。」
リンツ「なんだぁ、コイツ。生意気な。」
 
 ネオ「止めろぉっっ!」
 
 GM「リンツは憎々しげに、その羽を力任せにもいだ。」
 
 妖精「ダメェーッ。駄目。だ・・め・・」
 
 桃子「えぇーーいっ!」
 
 GM「桃子は空中で実体化してリンツの後頭部に天下の宝刀
    サマーソルトキックをお見舞いした。」 
リンツ「っくぁわ!」
 
 GM「リンツはショックで妖精を手から離した。」
 
 妖精「あ・・・」
 
 GM「力弱い声を漏らしながら落下する妖精。
    そこに一匹の生物が飛び付いてきた。」
 
 桃子「え、猫!?」
 
 GM「そのトラ猫は妖精を傷つけないように甘咬みしたまま着地し、
    そっと下ろした。」
  
  猫「にーお。」
リンツ「ちっくしょう!もう帰る!そいつの看病でもしてな!」
 
 GM「リンツは飛んでいき、桃子はネオの隣に降りてきた。」
 
 ジオ(・?・!・??・!??・・・)
 
 GM「ジオは数瞬前から奇妙な感覚に溺れていた。」
 
 ジオ「・・・看病?誰が・・!ネオ、妖精は!!?」
 
 GM「ネオと猫はじっと目を合わせていたが、
    猫はプイッと背を向けて去って行った。」
 
 ネオ「あの猫、どこかで・・・?」
 
 ジオ「今はそれどころじゃないだろ。おいGM、妖精の状態は?」
 
 GM「妖精は既に」
 
 ネオ「(即座に)死んじゃったの!?」
 
 GM「違ーう!中毒症状だ、ぎっ!」
  GM(しまった。調べさせるつもりだったのに・・・)
 
 ジオ「毒だって!おい、妖精。何か解毒方法は知らないか?」
 
 GM「ジオは両手で妖精を包むように拾い声を掛けた。
    が、か細い息づかいしかしていない。」
 
 ネオ「どうしよう?病院には連れてけないし・・??!!!」
 
 桃子「そうだ、漢方薬とかで解毒作用を高めて上げればどうかしら。」
 
 ネオ「それだ!そうしようジオ!・・・ってジオ??」
 
 GM「ジオは目を閉じて心静かに祈っているかのように見えた。
    指先から微かに黄緑色のオーラが流れ、
    妖精の体にしみ込んでいった。」
 
 妖精「う・うう・ん。」
 
 桃子「良かった、気が付いたわ!」
 
 ネオ「やった!すっげー、ジオ!
    いつの間にこんな事出来るようになったんだ?!!」
 
 GM「ジオは狐に化かされたような妙な顔をしてネオの方を向き、
    一言尋ねた。」
 
 ジオ「なあ、俺、いや俺達って・・・本当は何者なんだ?」
 
 ネオ「え・・・・・さあ???」
 
 桃子「とにかく妖精さんを休ませてあげましょ。」
 
 ジオ「あ、ああ。そうだな。」
 
 GM「この出来事を物陰から気配を消し全て耳にしていた者がいた。」
真由美(やはりあの二人ね。全て教えるべきかしら・・・・・。)
 
 GM「そのまま真由美は去って行った。」
 
 ジオ「あ、あの桃子ちゃんって呼んでいいかな。」
 
 GM「ジオは妖精を手にしたまま桃子に話しかけた。」
 
 桃子「え、ええ。何?」
 
 ジオ「悪いんだけど自分とネオが鞄持ってくる間だけ
    ここでGMと妖精を看ていて貰えないかな。」
 
 桃子「うん・・分かった。」
 
 ネオ「すぐ戻るからさ。」
 
 桃子「まだ近くにいるかも知れないから気を付けてね、ネオ君。」
 
 ネオ「あ、ああ。」
 
 GM「二人は館内に入っていった。」
 
 ジオ「なぁ、ネオ。人間の性別ってのは精神的・肉体的・趣向性の
    三要素はあると思うんだ。」
 
 ネオ「どしたの、いきなり?」
 
 ジオ「俺達は自分を男と思い、男の体を持ち、女性が好きだという
    現代では極めて特殊なカテゴリーに属している。」
 
 ネオ「はぁ、で?」
 
 ジオ「そのような者がアレを目の当たりにした以上、
    やっておかなくてはならない事がある。」
 
 ネオ「アレっすか?!」
 
 ジオ「見たろ、お前も」
 
 ネオ「そりゃ、もう。モロにしっかりと。」
 
 ジオ「なればいざ、喜びの踊りを!」
 
 ネオ「オレ、昔っからのヤツね。」
 
 ジオ「んじゃ、アレンジ・バージョンな」

パン          ワレ

ツー          メ

まる          くっ

みえ          きり

  ネオ「うしっ!」
 
 ジオ「うぃやっ!」
 
 ネオ「いやぁ、目の保養になりましたなぁ。」
 
 ジオ「一度に二つだもんねぇ。」
 
 ネオ「え、オレ桃子ちゃんのばっかり見てて知らなかった。」
 
 ジオ「ふふふ、先ず全体を眺める。テストの基本だぜにょ。」
 
 ネオ「ま、いいや。オレ、マユゲ女には興味ないし。
    そう言えば、さっきは格好良かったなぁ、ジオ。」
 
 ジオ「ぁ、あぁ。さっきのは自分でも良く分からないんだ。」
 
 ネオ「そっか。あ、早くしようぜ。待たせると悪いし。」
 
 ジオ「そうだな。妖精の状態も気になるし。」
 
 GM「二人は鞄を持って桃子達と合流した。はい、妖精。」
 
 ネオ「んじゃ、急いで帰りやすか。」
 
 ジオ「おう。二人とも来るんだろ。」
 
 GM「彼等も図書館から去って行った。」
リンツ「畜生!今日は散々な目にあったぜ!・・それにしても連中は
    何であんな所にいたんだ?ま、お勉強じゃあ無いな。」
 
 GM「そう言ってリンツは人気の無い所で人間の姿になり、
    図書館に入った。暫くあちこちを歩いた後、
    ネットの端末の前に来た。」
リンツ(この娘はさっきの・・・・・こいつは決まりだな。)
 
 GM「ついに思いをうち明けた桃子とネオの間はこれからどうなる?
    その桃子にリンツは何をするつもりか?ネオとジオについて
    真由美は何を知っているのか?どうでも良いがこの猫何者?
    縁があったらto be cotinued!」
リンツ(アイツ、やっぱり何かが違う。)
 
 ネオ「え、何が違うの?」
 
 GM「だから今日の分は終わりだってば!!」