GM「リンツは‘うにゃにゅー’な顔をして定時連絡に来た。」
 
 ジオ「ちょっと待て!なんだその変な表現は!!」
 
 GM「分かんない?こう、園児が先生に叱られに行くような
    そんな表情なんよ。」
 
 ネオ「それより、なんでオレ達じゃないの?」
 
 桃子「そうよそうよ!」
 
 ジオ「んな事言ったら先生の方が気になるんじゃないのか、御客さんは。」
 
 GM「いいの!!訳は後で分かるから!!はい、部屋から出た出た。」
  
  ?「狭いぞっ!」
リンツ「そうよそうよ!」
 
 桃子「真似しないでよぉ。」
リンツ「なんだよぉー。」
 
 桃子「なによぉー。」
 
 ネオ「なにょぉーーーん。」
 
 ジオ「時間稼ぎってのがバレバレの気が・・・。」
 
 GM「事故に巻き込まれたって連絡あったから仕方ない。」
  
  ?「ま、間に合わなかったらGMの采配を問うとするか。」
 
 ジオ「あ、バレバレって言えば、オレ前回桃子ちゃんがネオの前に
    現れた理由考えていたけどさあ、」
 
 ネオ「ふんふん。」
 
 ジオ「よく考えたら今朝の授業の合間で桃子ちゃんが片思いしてたの
    バレバレじゃねぃですか。」
 
 GM「図書館の前で頭シャッフルした時に脳味噌から落ちたんでしょ。」
 
 ネオ「バカボンのパパみたいでやんの。」
 
 桃子「あれ?パパは鼻から脳味噌が転げ落ちるんじゃなかったっけ?」
 
 ジオ「ま、良いや。俺達は毎回遊びっ切りだしね。では、ここらで退散。」
 
 ネオ「がんばれー、じゃ。」
 
 桃子「お疲れ様でしたぁ。」
 
 ジオ「それじゃあ、次回にお会いしましょう(本当か?)」
 
 GM「(やれやれ)と、兎に角リンツちゃん報告始めて!」
リンツ「えと、今回報告することは三つありまして・・・。」
  
  ?「一つ目は。」
リンツ「これをお聞き下さい。」
 
 GM「リンツは受信機から録音したサイキョー流の達人ダンの
    音声を再生した。」
  
  ?「ダンでシュか、これ?」
    ?「時空転移の際に触媒として使ったんだが、この時代に
    飛ばされていたのか。」
リンツ「あの、時空転移とは・・・?」
  
  ?「貴様もかつて某国にクーデターが起きた事は知ってるな。」
リンツ「あ、はい。でもそれが・・・。」
  
  ?「その国の王家こそゴディバを封印せしめた一族なのだ。」
謎の男「念の為、魔界の者でマーヴル・ユニバースとも、
    カプコン・ワールドとも無関係な僕が
    時代を戻って壊滅させるように仕向けたのですよ。」
 
 GM「リンツの背後から芸能人が取材拒否に使うような
    グラサンを掛けたおかっぱの男が話を合わせてきた。」
  
  ?「何を偉そうに!小娘を一人取り逃がしたくせに!!」
謎の男「僕は国を壊滅させる事を頼まれただけですよ。
    王家の根絶やしの以来をした方がいらっしゃいますか?」
  
  ?(遅刻したくせに。)
 
 GM「謎の男は軽やかに、そしてさらりと理屈のカウンターを喰らわせた。
    これぞ慇懃無礼なり。」
  
  ?「まあいい。貴様とは後でゆっくり話すとしよう。
    それでリンツ、二つ目は?」
リンツ「実は盗聴器が発見されて駆除されそうになったのです。」
謎の男「良く見つけましたねぇ、敵さんも。その辺りは録音済でしょうね。」
リンツ「は、はい、あります!!」
謎の男「では、あの方々に聞かせて上げなさい。」
 
 GM「リンツはいつの間にか見知らぬ男の言われるままになり、
    シャルとジイとサキの会話を再生した。」
謎の男「何方かマシンの動力源か何かに、この世界に微かに残る魔力を
    利用しませんでしたか?」
 
 GM「一瞬、関係者の表情が固まる。それに気が付かぬ振りをして
    謎の男は嫌味たっぷりに喋った。」
謎の男「おやおや、あの王家が魔導に長けた一族である事を知りながら間抜けな
    玩具をお作りになられたものだ。ま、良いでしょう。
    明日にでも、作戦を実行出来るようになりましたしね。」
  
  ?「ほう、思ったよりも早いな。」
謎の男「物見遊山のついででしたけどね。早いと不味かったですか?」
  
  ?「いや、余の計算の範疇だ。」
 
 GM「いるよな、こういう奴。」
謎の男「事後報告ですが、触媒としての鋼腫瘍も装置にセットしましたし、
    メイン・ディッシュの鋼獣核を発現させる種にあたる人間の集団も
    明日、治療のためにこの町に到着しますよ。」
  
  ?「これで天界は勿論だが我等の怨敵にも一泡吹かせられるな。」
    ?「明日でシュか!お腹一杯に鋼腫瘍を食べられるんでシュね?!!」
    ?「アレ食べるんか、お前・・。」
リンツ「あの・・・。」
  
  ?「おお、三つ目は何だ?」
リンツ「妖精の件なんですけど。」
謎の男「無駄足になってしまいましたね。」
 
 GM「何でその辺の事、知ってるの?!」
謎の男「それは、秘密です。」
  
  ?「そう言えば以前お前に渡したアレは未だ持ってきていないが、
    必要なくなったのか?」
リンツ「いえ、明日中には。」
謎の男「何のことか知りませんが、気張りなさいな。
    明日は君にとっても目出度い日なんですから。」
リンツ「、はい。えぇっと・・・」
謎の男「うーん、向こうの通り名も良いですが、
    ここはコーチと呼んで下さい。」
リンツ「は・・はい、コーチ様、これで失礼します。」
コーチ「普通コーチに様は付けないでしょ、リンツ。」
リンツ「あ、申し訳有りません。」
 
 GM「彼女は彼の有無を言わさぬ迫力に完全に隷属化してしまった。」
コーチ「この娘を少し借りますよ。宜しいですね、皆さん。」
  
  ?「好きにするが良い。」
コーチ「では、リンツ。僕はまだ話が有りますので、後で会いましょう。」
リンツ「はい。畏まりました。」
 
 GM「リンツが去るのを見送るコーチ。いなくなるのを確認し呟いた。」
コーチ「あの娘が自然に生まれるのを待たねばならなかったとは
    ゴディバも不運な方ですねぇ。」
  
  ?「仕方なかろう。我等が介入すればクリスタルの結界に
    唯一つだけあった欠点に天界が気付いてしまうからな。」
コーチ「そう言えばあの娘に渡した物は何なんですか?」
  
  ?「ああ、精神体を封じ込めるマジック・ジャーだ。それで、
    人間を仮の魔族に出来る。」
コーチ「ほほう、魔界では蔑まされているから人間界で竹夫人選びですか。」
  
  ?「本人は手下が欲しいという名目だったがな。」
 
 GM(竹夫人って暑さしのぎの竹製抱き枕だよな。確か英語名が・・・。)
  
  ?「どちらも変わらんな。」
コーチ「ごもっとも。何れにせよ明日の楽しみが一つ増えましたね。
    そうそう、この町のあちこちが緩やかに魔法陣化していますね。」
  
  ?「ほぉう、やはり例の王家の仕業か。」
コーチ「でしょうね。ま、ゴディバはこのゲームの世界の人間に
    退治してもらいませんとね。」
  
  ?「でもさぁ、そんな事できるんシュか?」
コーチ「ま、完全復活しないように鋼腫瘍の量は調整していますから、
    その辺は大丈夫でしょう。」
  
  ?「そうそう、ゴディバと言えば、奴を封印した者はこのゲームの外の
    世界に存在していたらしいな。」
コーチ「何故、封印という形式を取ったのか、その辺りの
    手掛かりになりそうですね、GM。」
 
 GM「なんか、魔法陣グルグルを思い出すなぁ。」
コーチ「ま、お気張りやす。では僕も失礼しますよ。」
  
  ?「おい、復活は何時頃だ?」
コーチ「月並みですが満月の夜で。」
 
 GM「そう言って異界の悪魔は去って行った。一方、久美子の家の
    電話が鳴った。絵美からだ。」
 
 絵美「もしもし、夜分済みませんが久美子さんいらっしゃいます?」
久美子「・・はい、私ですが。」
 
 絵美「あ、私ネオ君とジオ君の先輩にあたる絵美という者ですけど、」
久美子「?二人に何かあったんですか!?」
 
 GM「久美子は昨日の今日の事件を思いだし、咄嗟に聞き返した。」
 
 絵美「あ、そういうのじゃないんだけどね。」
久美子「そうですか(良かった。)・・それで、?」
 
 絵美「二人からプールの幽霊の件は一応聞いたんだけど、
    どうも、ちぐはぐな所があるのよ。それで出来れば
    現場にいた人全員の話を聞いておきたくてね。ダメかな?」
久美子「あ、はぁ・・・・・分かりました・・。」
 
 絵美「本当!良かったぁ。・・・・
    そう言えば、久美子ちゃんはあの幽霊と話をしたんでしょ?
    私は遠くから見ただけだからチョット羨ましいなぁ。」
久美子「・・!。あの、絵美さんも?」
 
 絵美「ああ、遅れてゴメンね。昨日の晩に私とめぐみちゃん、一年の。
    何故か私達だけ見ちゃってね。
    それで、いつ頃久美子ちゃんには取材できるかしら?」
久美子「明日なら少しは時間が取れると思いますが・・・。」
 
 絵美「よし、それで決まりね。こっちも撮影とかがあるから夕方に
    しない?夕飯ぐらいならおごっちゃうから。」
久美子「・はい。それでは明日。」
 
 GM「今回は払いませんからね。」
久美子(あの娘、幽霊になる位にネオ君の事好きなんだよね・・・・・・・)
 
 絵美(ラッキーッ、これで五輪関係にもコネが出来そうね。)
 
 GM「謎の男によって急速に展開が進む今、主人公達の知らないところで
    サブキャラ達も動き出す。さぁ、どう切り返すアノ二人。
    縁があったらto be cotinued!」