愛知県・碧南市 煌めく光の下で語り合いたい 忘れ得ぬ思い出「臨海公園」の夜
「<光の玄関」「光の森」「オレンジの燈台」に「電飾のヨット」たち。そして語らうためのベンチが用意される。さて、年頃の男子諸君ならば、このロケーションをどう思うだろうか。長い人生だが、チャンスはそれほどに多くない。碧南市がロマンティストのための用意してくれる場所> 男という生き物は実にロマンチスト。ひとり孤独に嗚咽したい夜もあれば、かたわらに誰かいて欲しい淋しい夜もある。 そこで「臨海公園」内の水族館入口前広場である。先ず規則的に並べられた木々にあるイルミネーションに驚く。 自然の木に電飾を施すのはごく普通の事だが、ここは特別である。圧倒される電球の数、つまり光の粒が贅沢に使用されているのである。 遠目から見れば、木々が自ら発光しているんじゃないかと錯覚してしまうほどだ。 外灯の発する光の色にも注目。低圧なトリウム灯から放射されるオレンジ光は、真っ白な燈台でさえも染めさせ、単に濃淡だけの幻想的な夜を創ってくれる。 展示されるヨットにも電飾のラインが施されて、海はないのにどこか「ハーバー気分」。 しかし残念なこともある。これ程に用意されたシチュエーションというのに誰もいないのである。 ロマンティックに夢見る男子諸君!もっと人生を謳歌しようではないか。
「臨海公園」横の産業走路を南下して、太鼓橋の体を成す「港大浜橋」の頂上に差し掛かると右手に白い塔が見えてくる。 「碧南消防署」の監視塔である。主である消防庁舎では、市民の財産・命を守るという重要な責務ある人達が24時間働いている。 乾燥した冬は火事により気を付けなくてはならない季節。市民への防災意識を喚起するためか、監視塔には「火の用心」の文字が点滅している。 心配性の気質を持つ碧南市民である。この文字を見てすぐさま確認の行動を起こすだろう。 監視塔は下からライトアップされて綺麗に見える。もっと近くへ行って見たくもなるが、私はお勧めしない。 この碧南消防署のある辺りは行き止まりの道路も多く、外灯も少ない。幼少の頃からこの辺りで遊び慣れていた私でも、夜は迷うほどだ。 岸壁から海へ落ちる可能性もある。ヘタに迷い込んで一晩中彷徨ったなんて事にならないように。
< text • photo by heboto >