愛知県碧南市 目の前に飛んでいく矢の速さに驚く 古い歴史ある神事を愉しむ
<ブンと響く音を立てて、飛んでいく矢。約20メートルぐらい先には、直径45センチほどの的。 よく見かける白と黒のぐるぐるした的ではなく、矢のイラストが描かれたもの。案外命中精度が高い事に驚く> 秒速400メートルという速さの拳銃でさえ、素人には、たった10メートル先のサッカーボールに当てられないと聞く。 何本か矢を射ると、壁に隠れていた審査員が出てきて結果を読み上げた。 普通なら、ニヤとか苦笑いしてしまうものだが、そんな雰囲気は見受けられない。 ピリピリした空気だ。ボクら見ている方も気を引き締めなくてはならない。 当然、矢なのだから、人を死傷させる能力は十分に持っている。 見ている自分の視線の先、数メートルを矢がかすめるのだからドキドキする。”もし、あれがこっちに飛んできたなら…” とあらぬ不安が浮かんでくる。餅投げでざわめき始めた境内、ここだけは矢を射る者、見ている者の真剣勝負がある。
奉射神事の行われる「射小屋」「南山矢取塚」は昭和30年(1955)5月6日に県指定となった文化財。奉射神事は「徳川家康」にも縁あり、平安時代から続く神事である。大浜熊野神社の拝殿屋根に注目すれば、矢を射る武将の姿を確認出来る。 「射小屋」・「南山矢取塚」ともに江戸時代中期に制作されたもので、当時の矢場の様子を伺い知る貴重なものという。 餅投げの景品を以下に紹介する。1等<13型液晶テレビ・2本>、2等<DVD一体型ビデオ・3本>、3等<MDCDラジカセ・7本>、 4等<シティサイクル・8本>、5等<マウンテンバイク・7本>など。(記事内容・2003年10月12日)
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