愛知県碧南市 神有の「照光寺」 70年生きた牡丹の花は一株で百花も咲かす

碧南色即是空

照光寺ぼたん

今年も咲いたと一喜一憂 神有「照光寺」の牡丹を前に俳句を詠む愉しみ

闇夜に浮かぶ本堂と牡丹

<神有・照光寺に咲く70年近く生きた「牡丹の花」を拝見する。一株より百の花を咲かせるという照光寺の牡丹。沈黙する夜の境内に牡丹の花はライトアップされ、その美しき光景を詠む為に各地より「俳人」たちは静かに照光寺へとやって来る> いろいろな催しを考え、訪れる人々を楽しませてくれる神有の「照光寺」。本堂と庫裏の間に咲く「牡丹の花」は約70年も生きた歴史を持つ。 毎年4月には「ぼたんを愛でる会」が催され、風流な大人達の人気を集めている。境内には投句箱が用意され、浮かび上がる牡丹の花を前に句を詠む「俳人」たちが静かな神有の夜を愉しんでいる。 ただ皆で集まって俳句を詠むという風でもなく、思い思いに訪れては俳句を詠み、静かに帰ってゆくといったスタイル。 まさしく大人の俳句の楽しみ方である。明け放れた本堂では、仄かな明かりに浮かぶ本尊さんの姿が見え、牡丹の花と共に幻想的な世界を魅せる。 夜に訪れる寺院とは、いかに風情あるものか。

ヘボト自画像ヘボトの「有相無相(うそうむそう)」

点灯された灯籠

「夜の灯籠・神有天満社」

神有の氏神である「天満社」。その入口にある灯籠は、電灯ではあるが明かりが灯っている。これは近年では珍しいことだ。 現在、碧南市内にある神社の内で、境内にある灯籠・常夜灯に明かりが灯っている神社はどのくらいあるだろうか? 信仰心厚い大浜や鷲塚でもまず見かけない。 またこの天満社の灯籠以外に、鷲塚へと向かう旧道沿いにある常夜燈にも明かりが灯されている。 安政5年(1858)に建立された常夜燈である。明治4年(1871)、小雨降る「鷲塚騒動」の夜に「杉浦晋」は、この常夜燈の明かりをめざして走ったのかも知れない。その記憶を忘れないために今も明かりを灯し続けるのか。 神有では昔からの伝統を今も守っている。先人達の遺産を活用しない手はない、他の街もぜひ神有を見習って欲しいものだ。

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