「やまつみ」
1.発端
2015年8月の鉄道旅行で、初めて上高地を訪問した家内は、ここからどこかの山に登りたい、と思ったのでした。
2016年8月に蝶ヶ岳に登り、その願いが叶った家内は、下山後に外来入浴で入った徳沢ロッジで見つけた立体地図鳥瞰図ポスターが欲しくなり、でも徳沢から荷物にしたくないので、上高地に戻ってから土産物屋を探し回り、ようやく同じものを見つけて購入し持ち帰りました。この地図をリビングの壁の一等地に貼り付けて、将来の北アルプス山行の夢を日々膨らませていたのでした。(同じものをネットで購入できるのを知ったのはつい先日です。)
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余りにも高価なので、私一人なら「穂高連峰」までは手が出なかったかもしれないのですが、ここで家内が「やっぱり蝶ヶ岳が入らなくてはねぇ」と背中を押したので、難易度でもシリーズ中最高の星6つが付いているこれをポチしたのでした。(以上2017.09.03)
2.積み始め
到着した9月2日の夕方から積み始めて、毎日楽しく作業して、9月7日には標高2460mまで積んだのですが、9月8日の午前中に掛かってきた電話から、あらゆることが中断しました。
実家にて母の通夜と葬儀、当面の手続き、まで済ませてから自宅に戻り、来月の四十九日の法要と納骨に向けての手配を昨日完了させたので、ようやく日常に戻り始められそうです。
自分で積み始める前に、ネットで色々調べました。特に参考にさせてもらったのが、まず、同じ「穂高連峰」を既に完成されたこちら。この山域なら、どの画像を見ても何処をどちらから見ているのか分かりますので、完成品を色々な角度で写した画像を、涎を垂らさんばかりに見ておりました。
もう一つ大いに参考にさせてもらったのが「大山」の制作動画になります。
最初の一枚を積む前に、穂高連峰の方は、木の土台にワックスを塗りこまれています。模型のベテランさんならではの「ひと手間」なのだろうと思います。私としては、完成後にかけるつもりの紙用スプレーニスが木にかかるくらいで十分だろう、と思うことにしています。
最初の一枚を土台の中央に張るのは簡単ではありません。穂高連峰の方は「慎重に貼り付けました」とだけ書かれていますが、制作動画では一枚目のシール面に木工用ボンドを塗りこんでから貼っています。実は、私に届いた「穂高連峰」の製品説明書も同じようになっており、どうやら最近になって推奨方法が変更されたようです。制作動画の説明にもあるように、ボンドを塗ってそっと土台に載せれば、多少は動かせますので、そこから位置と角度を微調整して、覚悟していたよりは苦労せずに土台中央に貼ることができました。なお、ボンドがはみ出すと厄介かな、と思ったので、縁と基準穴の近くは避けてボンドを伸ばしました。
位置決めして貼り付けた後で圧着するのに、壁紙用ローラが製作会社のサイトで「推奨」されていますが、これは殆ど「必須」だと思います。
続く2枚目から、制作動画では基準棒を使っていますが、これは難しいです。穂高連峰の方の仰る「5枚目位まで基準棒が立たないので大変」の方が実感に近く、それでも私は3枚目からは何とか基準棒を使ったように記憶していますが、2枚目はどうにも無理な感じでした。
そうなると、先に貼り付けた1枚目と、角で合わせることになりますが、角でない箇所のシール面が先に張り付いてしまうと厄介です。制作動画のもう少し先のシーンを参考に、基準棒を置いておくことで別の箇所が先に張り付くことを防ぎましたが、
次の機会には、1枚目と2枚目のシールをはがした跡の黄色い紙を適宜切って、シールをはがした面を上にして四辺に置いて、張り付き防止とします。その状態で対角線の角を目感と手感で合わせて、角のシールを軽く抑えて、それから四辺の黄色い紙をそっと引き抜き、全面を貼り付け、とするつもりです。
3枚目4枚目を基準棒で合わせるか角で合わせるか、は微妙なところですが、5枚目にもなれば確実に基準棒を立てて貼るのが良いと思います。基準棒は、都度抜いてからきっちりローラで圧着した方が良いです。私は最初基準棒を立てたまま積んでいたのですが、基準棒周りの下層が微妙に浮いているのに20枚くらい積んだところで気づきました。あわてて棒を抜いてから全力でローラをかけて、何とか圧着できたようですが、それでも微妙に平面度を損ねたかもしれません。
そのうちに、基準棒で位置決めできない「子部品」があちこちに現れてきます。台紙から「子部品」を一つはがしては貼っていき、全「子部品」が貼り終えてから「本体」を貼るのがお勧めです。「子部品」も小さくなるとはがしにくくなりますが、その時には裏側から境界を軽く突き、子部品が軽く持ち上がった状態にしてから、ピンセットで台紙からはがしています。
そういうサイズの「子部品」は貼るのも大変。最初はピンセットを右手、左手はルーペを持ちながら小指薬指を伸ばして作業していましたが、途中から、家内が持っていた、頭にかけてレンズを撥ね上げたり下ろしたりできる、お医者さんが使うような両眼レンズを使っています。両手使えて、しかも両眼視できるので、断然調子いいのですが、一般のご家庭には無いものなので普通にはルーペの使用を推奨します。
ある程度進行すると、「本体」の凹凸が激しくなり、台紙からはがしにくくなるので、全「子部品」を処理し終えてから、台紙から使わない部分を先にはがしてしまい、それから残った「本体」をはがすようにしています。子部品をつけたまま使わない部分をはがしてしまうと、子部品がはがした側に付いていったり、台紙側に残せても後で勝手にはがれたり、と慌てることになるので、これはお勧めできません。(以上2017.09.17)
3.とりあえず積み終わり
9月2日の夜から積み始め、9月8日から16日まで中断しましたが、9月22日にとりあえず積み終わりました。
所々画像を撮り損ないましたが、ほぼシール一枚ごとの進捗を記録しましたので、動画にまとめました。
BGMはラヴェル作曲「クープランの墓」より「トッカータ」、発表会の一週間前に自宅で録音した私の演奏、こちらにて限定公開していたのと同じテイクです。
2次元で見るだけでもうらやましかったものが、自分で作った3次元になって目の前にあるのは素晴らしいです。作業中は正確に積むことに集中して、主に真上から見ているのですが、ふと手を止めてながめてみると、製作途上であっても3次元の存在感に引き込まれる思いで見ておりました。
細かく見れば色々とアラはあるのですが、今から直せるところだけ直した上で、スプレーニスをかけて、完成とするつもりです。
前回説明したところに付け加えますと・・ |
・ | 台紙から使わない部分を先にはがすのは、「本体」がバラバラになった2500m以降では止めました。 |
・ | 基準穴周辺がどうしても盛り上がるためだと思いますが、積み上げた後からシールのはがれが出来ました。 常念と蝶ヶ岳の間の右側の「三股」、上高地北側の「岳沢」では、亀裂を押さえつけて一旦付いたようでも、 時間が経つとはがれたので、シール台紙の黄色い紙を細く切ったものに木工用ボンドを薄く塗り、 それを亀裂に押し込んでから押さえつけることで、修復できました。 |
・・・・「穂高連峰」は、かくして完成に近づいているのですが・・・・
パパが嬉々として積んでいる様子を見ていて、しかし手出しする訳にもいかない他の3人が、余りにもうらやましそうだったので、
甘々パパは、家内に「六甲山」、長男に「御嶽山」、次男に「富士山(富士五湖を含む丸バージョン」、をポチした、のでした。(以上2017.09.24)
4.家族もつみ始めました
「今から直せるところ」とは、小さいパーツが欠けたところは予備パーツをはりつけて、表面がはがれたところは色鉛筆での補修です。色鉛筆の緑では色が強すぎるので、黄緑色を使い、標高の高いところはそれに茶色で加えるので良いことにしました。
製作会社のサイトで推奨されている紙用スプレーニスが、近所のカーマホームセンターには置いていなかったので、これもポチして、9月30日に塗って完成としました。完成写真も撮りましたが、撮影の腕が無いので、ニスの有無は画像では分からず、まあ、こちらの方が完成されたのと同じようなものとお考え下さい。
その横で、家族3人がスタートしました。が、それぞれ苦戦しているようです。1枚目は、木工用ボンドを併用して問題なく貼れて、2枚目は中央棒のある「富士山」の次男は棒基準で、他の二人は、予定外貼り付き防止に黄色のシール台紙を並べて敷いて、それぞれ上手く貼れた、のですが、
3枚目で家内が基準棒に挑戦して、やっぱり無理だわ、と2枚目と同じ貼り方に変更しようとして、しかし黄色の台紙の使用をケチったものですから、一部が変に張り付いてしまい、手は出さない約束だったパパが出動して何とかはがしました。
長男は基準棒が立った4枚目から「僕、やまつみの才能があるかも」などと調子に乗っていたのですが、6枚目辺りで、棒の周りを降ろす前に周辺が垂れてずれた状態で張り付いてしまい、これもパパが出動して何とかはがしました。
丸バージョンは最初の3枚くらいまで中央基準棒を土台に立てた状態で積めるので、安定は良かったはずです。にもかかわらず、10枚くらい次男が積んだところで見てみると、基準穴が全て見てすぐ分かるくらいに傾いています。一体どうすればそういうことになるのか、分からないのですが。
家内は立ち直って順調に積んでいますが、子供二人は自分達の至らなさを思い知らされて、手が止まってしまっているようです。さて、この先どうなりますやら。(以上2017.10.08)