17.高根山・山星山(たかねやま・やまぼしやま)(2014.10.25)   参考サイトはこちら他多数

 

東海自然歩道・愛知コース歩きの4回目になります。テント泊2回目です。

 

1.計画

10月11〜13日の3連休で、定光寺からのテント泊コースを歩くことを目論んでいたのを台風に阻まれて、広瀬→香嵐渓の日帰りに変更したのが前回でした。

穏やかな天気が予報されていて家族の予定も特に無い、テント泊ができそうな土日を10月中にもう一度迎えることができました。前回に広瀬から香嵐渓までを先に歩いてしまったので、是非とも定光寺から広瀬まで歩きたいところです。しかし、定光寺から広瀬までは、愛知県コースタイム合計で16:40と、香嵐渓→寧比曽岳→田口 の15:35をも上回ります。アプローチが容易で早い時間から歩き始められること、エスケープルートが豊富であちこちから離脱可能であること、から日の短い秋であっても何とかなると見ていましたが、それでも10月の終わりはもうギリギリかな、とも思っていました。幕営地候補も色々考えましたが、初日から歩けるだけ歩きたいという思いもあり、柔軟に考えることにしました。

このあたり、詳しく説明すると尻込みされてしまうような気がしたので、家内には「今度はかなり歩く」とだけ伝えていたのですが、不穏な空気を正しく察知されていたようで、期待していた一番早い電車に乗れるように段取りしてもらえました。一日目の昼食は時間節約のため湯を沸かすメニューは割愛して弁当のみとし、二日目の昼食は深見常楽の交差点にあるコンビニで調達することにして重量低減を図りました。深見常楽に辿り着けない場合は非常食のカロリーメイトでしのぐ計画です。

なお、庭で犬を放し飼いにするのは最終的に断念しています。前のテント泊の際にバラバラにされた給餌器は、雨樋から続く縦管などを使って軒下に宙づりにして、時間がくると粒餌が落下するようにしました。粒餌の着弾地点付近にはバスタオルを敷いて弾まないようにしました。
*これらを予め準備していて、当日朝に素早く設置、帰宅後素早く撤去、できたのですが、素早過ぎて宙づりの給餌器を写し損なってしまいました。

 

2.決行

6時過ぎに起床、家内には弁当の用意をしてもらう一方で7時前から犬を散歩させ、7時半出発、散歩を省略しない限りこれが精一杯です。東海道線から中央線に乗り換える金山駅のホーム上で通過する特急「しなの」を見送って(下左)から、次の普通電車に乗り込みました。一つ手前の高蔵寺駅までは濃尾平野の景色ですが、定光寺駅までのもう一駅の区間は一気に山間部の景色になります。定光寺駅に8:43に到着。自動改札どころか切符の販売機も見当たらない無人駅でした。駅に降りた人は皆ザックを背負っていたようでした。
 
外に出てすぐの城嶺橋(上右)から東海自然歩道になります。ここで8:49。
定光寺川の右岸の車通りから逸れて左岸に渡ると湿った遊歩道になります。定光寺(駅でなくてお寺の方)の少し手前で右に登っていき、樹林をしばらく進んでまた下って、左に大きく曲がるとともに階段道を登ります。ルート地図でZの形になっているところになります。

階段を登り切った先が高根山(253m)、ここで9:45です。このあたりから普段なら一番元気な次男が、お腹が痛いだの足が痛いだの、ぶつぶつ言い始めました。
 
高根山から下りた先が愛知県労働研修センターの大立体駐車場の裏・・・ですが、駐車場への入り口が閉鎖されていました(上右)。隣の中小企業大学校瀬戸校と併せ、どちらも壮大な無駄公共事業だったのでしょうか。

再び登って、下りたところが大洞峠(10:20・下左)、このあたりから家内が「朝早かったから早めの昼にしよう」とか言い出します。どうも家内の調子も今一つのようです。まさかと思って聞き流していましたが、山星山の一つ手前のピークで、「10時半になったから昼にしよう」と長男と家内が言って来たので、やむなく弁当を広げました。私は7分ほどで平らげたのですが、長男が食べ終わったのは10:50頃、どうも思うようには、はかどりません。
 
山星山で11:00(上右)、なだらかなピークでした。このあたり、トレランの人がちらほら見えました。高圧電線と絡みながら下り基調になって宮苅峠が11:20。ここに東海自然歩道愛知県コース名物のトイレがあります。比較的きれいだったようで、「ここなら入れる」と家内が入ったのはいいのですが、出てきて「足がつった!」。ここでまた5分ほど休憩を取ることになってしまいました。

稚児橋(下左)が12:15になりました。愛知県のコースタイムが定光寺(城嶺橋)から2:45のところ、3:26かかっています。昼食休憩を引いても3:06ですから、これはかなり遅いぞ、と思ったのですが、残る3人のペースがどうにも上がりません。橋の下を流れる川まで下りて手や顔を洗ったら冷たくて気持ちよかったらしいです(下右)。
 

暗い樹林を通って一山越えて明るくなり、そこから降りる途中で歩道橋でR248を越えます。岡崎から豊田に抜ける、馴染みある番号の国道です。歩道橋の一部は自然に同化しかかっていました(下左)。
 
その先は蛇ヶ洞川沿いの田んぼの横の道になり、10月末とはいえ真昼の太陽が暑く感じられます。ザック姿の人は他には見当たらなくなりました。長男が「休憩しよう」というのですが、日陰のあるところまで頑張ろうよ、となって、ようやく見つけた日陰が中平橋のたもとに停めてあったトラックの陰(上右)。ここで12:59、愛知県のコースタイムが稚児橋から0:45のところを0:44で歩いていますが、トラックの陰で10分間へたり込んでしまったので、結局その分が遅れになってしまいました。

中平橋からは舗装道路の歩道をしばらく東に進みます(下左)。出発してすぐの所で自販機を見つけて飲み物休憩を取ったような記憶があります。道が細くなりかかったところから南への山道に入るのですが、そのあたりの記憶はあまりなく、しかし写真は一枚だけ撮っていて、これによると、なだらかで広い道だったようです(下右)。
 

逆に、その先で白岩の里が眼下に見えてきたあたりは、写真はないですが記憶にはあります。その白岩に着いたのが14:04、中平橋からのコースタイム0:50のところを、へたり込んだ時点からだと1:05、出発からでも0:55、やはり「負けて」います。白岩から再び山道に入ろうとするところで、学生風数十人+教官風数人、の大集団が軽装で降りてきたのですが、どこから現れたのでしょうか。

白岩から岩屋堂への道は、まず岩巣山に向かっての登りとなります。沢沿いの道で何度か渡渉を繰り返しますが、私達が歩いた日の水量であれば濡れる心配も殆どなく、「楽しく気分がでる」山道でした。
 

東海自然歩道は岩巣山山頂には寄らずに、山間の道を進みます。南向きから西向きに転じてからは、見通しのあまり利かない尾根道を少し登ってはもう少し下る、を何回も繰り返してから展望台に至ります。展望台から逆光下で暗めに撮った画像(下左)を拡大でしてコントラストを少し上げると、名古屋駅周辺の高層ビル群が見える・・でしょうか・・・(下右)。
 

展望台から一気に人が増えました。岩屋堂駐車場から展望台まで上がって来ているようですが、この間は標高差100m以上ある岩場のかなり険しい道なのに、サンダルで来ている人も居ます。そういうヨロヨロ歩いている人はブチ抜きながら大分下りていったところで、中年カップルの男性の方から声をかけられました。

男性:「展望台まで、ここまで登ってきた以上にあるんですか?」
 私 :「上から来たので下からの距離は分かりませんが、展望台まで未だかなりありますよ」
 私 :「その靴でしたら大丈夫でしょうけど、すれ違った方にはサンダルみたいな人も居てどうかな、と」
男性:「そうか、靴か。皆さんプロみたいな格好ですものね」

これを聞いていた次男が、「僕たち初級者なのに”プロみたい”だって」と、妙に喜んでました。

その会話地点から間も無く地上に着いてしまいました。うーん、会話地点から展望台まではまだ何倍もあるけれど、でも、かなりありますよ、と言ったのだから嘘は言っていないよね、などと家内と話しながらも、気は急いています。この時点で多分16時丁度くらい、(白岩からのコースタイム1:55と殆ど同じなのはともかく、)
当初の希望的計画だった「雲興寺で水を補給してその先の山道で幕営」は、日没時刻と雲興寺までのコースタイム2時間とを考えると、まるで無理です。となると、2食分の水はここで汲まなければなりません。

岩屋堂はちょっとした観光地のようなので、売店や自販機には不足しないだろうと予想していたのですが、下りて来たところから見渡した範囲では自販機は見あたりませんし、土産物屋さん?は店じまいにかかっていたようです。川向こうの丘にトイレが見えたので行ってみると、手洗い場には「この水は水道水ですが飲用には適しません」とか書いてあります。水道から引いているけれど途中のタンクのメンテとかしてないから水質の保証までは出来ないよ、という意味だと理解して、口に含んでみると普通の水の味がします。沸かして使うのに限れば問題ないだろう、と考えて、私が折りたたみ水筒に1.5L、家内が0.5L×2を汲んで、水の心配は無くなりました。

下左がトイレの前から来た方角を振り返ったところ、下右がそのトイレ、なのですが、16:04に写したこの2枚が、この日最後の画像ということになってしまいました。岩屋堂の岩屋堂たるその場所を、写すどころか拝みもしませんでした。
 

さて、幕営地を探さなければなりません。後で聞いたら家内は「ここ(岩屋堂)でいいじゃない」と思っていたそうですが、これだけ開けた場所にテントを張る度胸は私にはありませんでした。当初予定通りに雲興寺に向かって「近道」を進むとして、その途中で幕営地を探すことにしました。「近道」については詳しく説明したくないのですが、とにかく「迂回路」の途中には幕営適地があるようには思えないのです。

なお、愛知県コースタイムは、岩屋堂⇔雲興寺が、3.3km/2:00 となっていますが、これは「近道」での道のりと、「迂回路」のコースタイムを併記してしまっているのではないかと思われます。少なくとも「迂回路」の距離は3.3kmより大分長いように見えます。

*2015年6月頃くらいに、「近道」は晴れて東海自然歩道の正式ルートに復帰しました。

さて、色々書いてある看板類を無視して「近道」に突っ込みます。車一台なら難なく通れそうな、広くて緩い登り坂で、標高230mくらいの岩屋堂から徐々に登っていきます。突き当たりにある休憩所(標高370mくらい/多分4:30頃)は十分広くて平らで、ここに張ろうか、と一旦は決まりかけたのですが、家内が「やっぱりキャンプ場まで頑張る!」と決めたので、進むことにしました。それまでも愚図愚図言っていた長男がここからは半べそになりました。

岩屋堂と同じくらいの標高まで降りる道は、やや荒れた道でしたが、迷うとか危ないとかいうレベルではありません。暗くなり始めた道をペースを落とさずに、瀬戸市自然児童遊園まで降りました。5時を少し回った位だったかと思います。ここにテントサイトがある・・・のですが・・・

(リンク先を引用↓)
キャンプの利用できる期間は7月1日から9月30日です。
利用を希望される場合は、その年度の4月15日から利用日の7日前までにお申し込みください。(利用料は無料ですが、炊飯用まき等は実費をいただきます)

・・・こんな低地の森の中の川の横で、7〜9月だと、暑くて虫が多くて、テントを張るには最悪だと思うのですが。とにかく、幕営候補地の一つに考えていたこの場所にテントを張ることにしました。7日前までの申し込みもしていないし、利用できる期間からも外れているので、今回も「闇テント」の一種ということになるらしいです。どちらにしても無料ですけど。

下りて来た直ぐの場所に「どんぐりテントサイト」の看板があったので、要するにその辺の平らなところに適当に張れば良いのね、と理解して、比較的草が茂っていないところにテントを張りました。川の向こうの「すぎのこテントサイト」であれば、完全に区画整理されたところに張ることができることを知ったのは翌朝です。幕営地としては、途中の休憩所の方が椅子とテーブルがある分だけ「すぎのこテントサイト」以上に使い勝手が良かったように思います。(ペグの刺さり具合までは分かりませんが。)

日が落ちていく中、テント設営と夕食の準備を並行して進めました。半べそだった長男もテントを立てる頃には元気になって参加していました。表層の土が弱く、その下の層には中々ペグが刺さらず、前回より随分てこずりましたが、まずまず上手く立てられたと思います・・・画像ありませんが。

夕食は、アルファ化米の五目御飯と、家内の手作りシチューです。前日に鶏肉と野菜を炒めていたものと市販のルーとを持参していて、アルファ化米をふやかしている15分+αの間で煮込んで完成です。初めてキャンプで作った温かい料理を勿論美味しく頂きました・・・画像ありませんが。

食べている間にどんどん暗くなり、自分でヘッドライトをつけていないとカップの底が見えなくなってきました。ヘッドライト2個では不足で、人数分必要であるようです。ナベとカップは食パンでぬぐってシチューを精一杯回収しました。

食べてすぐ一旦シュラフにもぐりました。親二人は寝付けませんでしたが、子供は爆睡したようです。9時くらいに星空を見に外に出ました。空が極端に狭く、星の密度でも棚山高原で見た星空とは比較になりませんが、それでも刈谷の夜空よりは沢山の星が見えました。。。。。

18.猿投山2につづきます。。。。。

 

10月25日/26日の全歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道区間、緑:その他区間(「昭和の森」をショートカット)

・東海自然歩道区間の41.7km相当を歩きました。
(実歩行距離は2kmくらい少ないのではないかと思います)

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