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市販スイッチング電源の無線機用活用実験



 たまたま「アルインコ」のホームページ電源の項目を見ていたらスイッチング電源が紹介されていました。

スイッチング電源と言えばノイズバリバリとても無線機には使えないと思い込んでいましたが、メーカーが市販しているということは実用になるということでしょう。

以前ヤフオクで入手したスイッチング電源で実験することにしました、仕様は12V29A、29Aあれば100W機も余裕です。

12Vで20A以上あるスイッチング電源はジャンクでもなかなかみつかりません、何かの役にたつのではないかと思い、特に格安新品であったため落札し保管しておいたものです。

AC104V入力のとき、出力は半固定ボリュームをまわして、9.1〜13.4V可変できたため、最高の13.4Vに固定しました。



 スイッチング電源外観 スイッチング電源外観
出力電圧調整 出力電圧調整半固定
ボリューム

9.1〜13.4Vまで
可変できた

(LED右側にある)


パソコン用電源(ATX電源)のこと

 以前、使用していないパソコン用電源を実験用電源として使えないかと調べたことがあります。

パソコン用電源は、通常 3.3V 5V 12V またマイナス電圧もあり実験用に適していると考えたからです。

しかしノイズが気になりノイズを調べました、下記のように個体差が大きくありました。


形式 AC入力部 ノイズ状況
ST-301HR ST-301HR内部 非常に良い
ST-150SL ST-150SL内部" 少しノイズ
が出ている

(正式名は外観
が異なるため
Flex ATX電源)
JJ300 JJ300内部 最悪:ノイ
ズバリバリ



ノイズの調査

 スイッチング電源、実際どのくらいノイズが発生しているか調べてみました。

ICOM  IC-726 にロングワーヤー(正式なものでなく、庭先の立木に同軸の先に10mくらいにのビニール線を引っ掛けたもの)

(1)ACラインへの影響
   IC-726 をトランス式電源に接続して、スイッチング電源をONにした結 果。14MHz以上は問題なし。7、
  3.5、1.9 MHzはSメータは振れませんがわずかにノイズが確認できる程度です。

(2)DCラインへの影響
  IC-726 をスッチング電源に接続した結果。
  14MHz以上は問題なし、7MHzはS3、3.5MhzはS5、MHzはS7 ありました、1.9MHzは予想以上強いノイズです。
    

対策

 まず鉄製のケースに入っているため、本体から漏れるノイズは少ないのではないかと推測し、AC,DCからノイズ対策を始めました。

   

AC側対策
フィルター AC側対策として、「ATX」電源
で一番ノイズの少なかった

「Seventeam ST-301HR」
(写真最上段)から取り外した
フィルターを使用

スペックは115V/10Aあり
余裕十分
フィルター接続 結果
14MHz以上:問題なし
7Mhz:問題なし
3.5、1.9MHz:わずかにあり
耳Sで対策前の半分くらい?


完璧に取れず残念、
期待外れ。



DC側対策

トロイダルコア 数種類ある手持ちの
トロイダル、コアから外形が
一番大きい(Φ60)ものを選び
DC用コードを16回巻き付け


スペック不明のため、線径
巻き数は適当。

(巻けるだけ巻いた)
トロイダルコア接続
結果
14MHz以上:問題なし
7MHz:微小あり
3.5MHz:S2
1.9MHz:S5

3.5、1.9MHzはS2〜S3低減
したがノイズバリバリ、
実用ならず。




  

結果

 残念ですが、3.5、1.9MHzは実用になりませんでした、ただし7MHzについては非常に微小なノイズで 、バンド内でこれ以上強いノイズはたくさんありました。

これらから7MHz以上は実用になると感じました、3.5、1.9MHzについてもスペックの分からない「トロイダルコア」を使用しましたが、スペックの明らかなものを使用して対応するものを、見つければもう少し低減で
きたかもしれません。

実験とはいえ接続端子、フィルター等むき出しでは不安全であるうえ外観や操作性も悪いので、遊んでいるケースに入れました。
今後トロイダル、コアの変更や巻き直し等に対応してケースも入れ替える予定です。

すでに鉄製のケースに入っており、更にケースに入れるのは相当違和感がありますが、この方法が最適でしょう。




電顕内部 余裕のあるケースが無かった
ため、ムリに押し込んだ


左下灰色ACコードの下にAC
フィルタがある。

電源外観 天板に放熱用穴を、冷却用ファン
付近に開け、前面は電源スイッチ
、LED、プラス、マイナス端子を
取り付けた




冷却ファンの改良

 この電源、負荷が掛り熱をもってくると突然高速で冷却ファンが回り出しその回転音が気になります。

ファンの回転制御回路は熱が上がれはファンはON、下がればOFFになる単純な回路のようです、4K円弱で入手した電源、やもうえないことです。

そこで回転する際の電圧を測定したところ、ファン定格12Vに対して電源の出力そのまま13.4Vで回転していました。

パソコン電源はたいてい、電源内の温度からファンの回転数を制御しています、そこで遊んでいる「パソコン用電源」からファンの「回転コントロール回路」のみ取り出しこの電源に追加しました。

結果0V(5.4V)〜13.4Vの変化がありファンの回転数もそれに応じていますので快適に使用できるようになりました。
オリジナル回路にシリーズに接続したことにより、低温ではファンは停止しており、少し温度が上がると5.4Vで回転します。
この場合低速で回転していますので回転音は、気になりません。当然温度変化に応じて回転は変化します。

この電源の特徴は、軽量小型です、庭先でのアンテナ調整や移動運用、等大活躍です。
ちなみに現用の電源「アルインコ、EPS110M」と下表で比較してみました、EPS110Mは最大14A仕様、単位はoです。

    
電源名 重量 W D H
スイッチング電源 1.5Kg 140 230 70
EPS110M 5.5Kg 200 220 120



ファンコントロール基板 「パソコン用電源ファン
コントロール基板」を取り
付けた状況。
結束バンドを用い
他部品にからませ固定
した。
ファンコントロール基板例
「パソコン用電源、内蔵
ファンコントロール基板」
の例です。
たいてい電源メイン基板
と独立した「小さい基板」
です。
これを流用することは
比較的容易です。
大きさ比較 大きさの比較
一目瞭然です、右
「アルインコ、EPS110M」
「最大14A仕様」

 

 

 



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