「ドキドキ」から「楽しい!」へ

 ベージュのパンダがやってきたのは夏。一応クーラーが付いてますが、スイッチ入れるとやっぱり苦しそう?な音や振動が。MT初心者の私としてはよけい不安になってきてしまうので、クーラーを使わずに過ごせる朝方や夕方に練習です。最初はとっても緊張して、シフトを握る手に思わず力が・・・。私の心臓はドキドキ、パンダの動きはガクガク。教官役の夫に付き添ってもらって、近所のなるべく車が通らない道を選びながら走りました。比較的涼しい時間帯でもやはり夏は夏。暑い上に緊張してますから、ちょっと走っただけで汗だくに。交差点のあたりがちょっとでも傾斜してたりするともう大変。発進時はイチかバチかの大勝負!といった心境でした。ある時はパニクってエンストを繰り返してしまったことも。あの時の後続車のかた、ごめんなさいでした(大汗)。

 そうこうしているうち、次第にシフトのタイミングがつかめてきて、少しずつ少しずつ練習範囲を広くしていけるようになりました。今日はあのお店まで、次はとなりの街まで、というように目標を決めてひとつずつクリア。ギクシャクしながらも、パンダに乗ることが面白くなってきました。最初は必ず夫が一緒でなければ怖くて乗れなかったのですが、近所なら1人で運転できるようになり、もうそこから急速にパンダの楽しさを感じるようになりました、気軽にヒョイヒョイとどこでも行けちゃいそうな感覚は、プントやクリオに勝っているようです。昔、夫があんなに楽しそうに運転していたワケを、ようやく身をもって理解できたような気がして嬉しさもひとしお。出来の悪い生徒を隣で根気よく指導してくれた夫に感謝です。また、練習し始めは後部座席で心配そうに私の運転を見守っていた子ども達の表情にも余裕が出てきて、シフト操作をマネて遊ぶようになりました(笑)。

 そうそう、お約束のトラブル、うちに来て一週間もしないうちにクラッチワイヤーが切れたり、秋にはサーモスタットの不調で水温計はぐんぐん上昇。クリオの車検やプントの短期入院も重なったりして、3台もあるのに綱渡り状態だ〜と苦笑いする期間も少しありました。しかしパンダの場合は部品の劣化によるものなので、こんなのトラブルのうちに入らないのかな? とにかく趣味車(他のも趣味車のようなものですが)という位置付けのため、消耗品の交換を順番にコツコツやっていこう・・・とのんびりかまえています。

 だんだん運転に慣れて来た頃、「よーし、イタ車といえばチッタナポリ。挑戦してみる?」と夫に促され、「Petit Paquetのサイトオーナーとしては、やはりパンダであそこまで行けるようにならなくちゃ!」と頑張ることに。長距離とまではいかないけど、約1時間弱の少し長い道のりをずっと運転していくのは初めて。念のため下道で行くことにしました。信号や遅い車などで stop & go という状況が続いたりするので、知多半島道路を通るよりもかえって忙しくはありました。が、これがけっこう練習になったような気がします。無事チッタナポリに辿り着けた時は、ちょっとした満足感で満たされていました。現在もまだまだ余裕とは言えませんが、ある程度高速で走ることも経験して、速い速度でもパンダは意外としっかりふんばってくれることを知りました。ハンドルもふらつきません。振動音はうるさいけどクリオやプントとはまた違った気持ち良さで走れて、腰だって案外疲れにくいのです。
 パンダって小さくてかわいくて、だけど見た目だけじゃない、実用的でまさに生活密着型。そして乗り手が楽しもうと思えば思うほど、どんどん答えてくれる不思議なクルマなんです。

 
 パンダでMT練習したことで、もうひとつの目標(?)をかなえることができるようになってきました。それは・・・いろいろなクルマを運転席で試乗させていただけること!助手席でももちろん楽しいですし、その車の良さを感じ取ることはできます。でもやはり自分で運転できるとなると感動も違います。私では古い車や大きい車は無理ですが、以前から乗ってみたくてもMTであるがゆえに乗れなかった車のハンドルを握れるなんて、ちょっと前までの私からすれば夢のようです。自分で選ぶとすれば、トコトコ走れるごくノーマルなタイプのクルマが好みなのですが、ちょっとスポーティなクルマの運転も体験。うわぁ〜これに夢中になる気持ちもすごくわかるな〜と感心することしきり。これまで試乗させていただいたマニュアル車は、A112ジュニア、ルノー4、クリオRS(2型Ph2)、クリオ16V(1型Ph2)。ATだけでもクルマごとに違いがあっておもしろいけど、更に視野が広がって、お仲間の皆さんと楽しさを共有する機会が増えたことがとても嬉しいです。あれも試乗したい、これも試乗したいと、欲がどんどん出て来ちゃって困りますけどね(笑)。