水色のリボン

 パンダのおかげで楽しみが増えた矢先、ある話が我が家に舞い込んできました。相性がぴったりでいつまでも飽きないクリオに充分満足しているものの、昔泣く泣く手放して、今もその姿につい目を奪われてしまうサンク。このマニュアルタイプを所有してみては?というお声がかかったのでした。素敵なルノーの中古車をみつけてくるのが御得意な(笑)Yさんが、お知り合いからサンクGL('89? ブラック)を譲り受けられたのだそうです。よりによって最も気になるサンク。すごく嬉しいけどすごく困る・・・。面倒みれるのは3台が精一杯だし、たとえ所有できたとしても4台となるとなかなか乗ってあげられない。だからといって我が家のどの子もかわいくて手放せないし・・・なーんて、まだ実車を見ていないうちから悩み始めていました。

 ある日、「今日ならすぐ見られるよ」という連絡を受けました。「ああ〜見ちゃったらまたダメだよねぇ〜」とわかっていながらも、行きたい!という感情の方が勝ってしまい、平日で仕事のある夫は一緒に行けないにもかかわらず、私は冬休みに入ったばかりの子ども達を連れて見に行ってしまいました。しかも試乗もしちゃいました・・・。外見は大人っぽいシックな黒いサンク。んん〜お洒落〜。動かしてみると、おや?以前私が乗っていたATのサンクとは感じが違う。なかなか軽快な走り。うわ〜これも楽しいじゃないの!同じルノー車である私のクリオと乗り味がかぶるかと予想してたけれど、微妙にパンダに近いものを感じる。これが1100ccでMTのサンクなの?やっぱり乗ってはいけなかったのかしら。あ〜ん、案の定ますます悩む〜〜!!その数日後には夫も試乗させていただいて、かなり気に入った模様。どうしよう・・・。半年前パンダを購入する時あんなに悩んだばかりなのに、またこんな事態になろうとは!

 さあ毎朝毎晩、夫婦での話し合いが始まります。せっかくのチャンスだけどやっぱり無理よネと、一時はあきらめかけていた私。でも夫が言います。「MTであんなに状態のいいサンク、探そうと思ったって滅多にみつからないよ。前と違って今ならサンクのメンテを相談できるお仲間がいてくださるし。そして何よりも、いつかまたサンクを買い戻そうと約束したことが果たせる・・・。」あれれ、だんだんサンク所有の方向に話が向いています。そうだ、どれか1台を手放すのではなく、信頼できるお仲間に預かっていただけるのなら、4台あってもやっていけそうかしら?そうなるとやっぱり一番気軽に扱える、しかも楽しいパンダをどなたかに面倒見ていただくのがいいかなぁ。

 というわけで心当たりのあるお仲間さんたちにご相談してみました。おお〜やはりパンダは人気者!手を挙げてくださる方々がいらっしゃる。しかもなんというタイミング!ちょうど車をどうしても一台必要とされている方が!!それに以前から、パンダの魅力にけっこう取り憑かれていらっしゃったとか。うちのパンダがお仲間の役に立ち(かえってご迷惑にならないかちょっぴり不安がよぎるけど)、毎日楽しんでもらえる。これはもう、「あのサンクはあなた達の所に来る運命です」と何かに言われてるようなものです(笑)。それなら話は早い。サンクには我が家に来てもらい、我が家のパンダ君には雅な日本の文化を学んでもらおう(?)と、京都で居候させていただくことに決めました。今回パンダの里親をあきらめていただいたKさん、ごめんなさい。次回は必ず真っ先に声をかけます!
  
 約5年前、白いサンクを手放す前夜、お別れのワインをふたりで飲みました。酒屋さんがディスプレイのために付けたのでしょう、そのボトルには小さな水色のリボンが結んでありました。またサンクに会えたらいいなと、何となくお守りかおまじないのようなつもりで、私はそのリボンをいつも持ち歩く化粧ポーチの中にこっそりしのばせていたのです。もしもサンクを再び手に入れるとしたら、子育てが一段落してからになるなぁと、ただ漠然と思ってました。これは水色のリボンの魔法なのでしょうか?こんなに早く願いがかなうとは・・・。今回、黒いサンクを私達にと言ってくださったYさんには、やはり車好きなお兄さんがいらっしゃるのですが、以前何かの話のついでに「想い続けていれば、いつかきっと機会は巡ってくるものだよ」と、そのお兄さんがおっしゃったことを思い出しました。本当に縁とは不思議なものですね。今あらためて水色のリボンを眺めつつ、Yさん、パンダを預かっていただくI さんご夫妻、そして、いつも気にかけてくださるたくさんのお仲間に感謝しています。もちろん我が夫にも・・・。ありがとう。

 さてさて、これで家族分の台数は揃うわけですねー。子ども達が乗れるのはまだまだ先だというのに。ほんとアホだわ〜。もうちょっと潔く生きられたらカッコいいのだろうけど、家族みんなに収集癖があるっていうのもツラいわ。ねっ、皆さん(笑)。