絵美「うーん、ちょっと違うのよねぇ。」
 
 GM「絵美はカメラから目を離し呟いた。」
めぐみ「え?どこか不味かったですか?」
 
 絵美「いや、例えるなら『過ぎてしまった日々と新しい出会いへの不安』
    みたいなアンニュイな感じが欲しいのよ。」
 
 GM「いわゆる”切ない系”ですか?」
 
 絵美「そう、それよそれ。」
めぐみ「はぁ。」
 
 絵美「だけど今のめぐみチャンの瞳からは湧き出るような泉みたいに
    命の輝きが出ているのよ。」
 
 GM「いわゆる”希望の光”ですか?」
 
 絵美「そう、それよそれ。」
めぐみ「そうですね。でもそれを言うなら絵美さんもキラキラしてますよ。」
 
 GM「いわゆる”特ダネゲットだじぇ”ですか?」
 
 絵美「そう、それよそれ。・・・って、ちょっと黙っててGM。」
めぐみ「あのぉ、それでどうします?」
 
 絵美「う〜ん、無理に輝きを殺すのも勿体ないし、よし!
    河川敷公園の出店でお昼食べながら撮ろうか。」
めぐみ「わ、面白そう。」
 
 絵美「決まりね。じゃ、行きましょ。」
 
 GM「さて、一方その頃、出店では。」
 
 ネオ「ぅおっしゃぁ!燃えるぞぉー!」
 
 GM「ネオは完全にお祭りモードに入っていた。」
 
 ジオ「正確には買い食いモード。」
 
 ネオ「射的とかのお遊びモードも入ってるってば。」
 
 桃子「ぅぅ〜、二人きりのデートがぁぁ〜。」
 
 ジオ「ああなると手が出せないから諦めてね。」
 
 桃子「恨んでやるぅ。」
 
 ジオ「だってさ。逃げた方が良いよGM。」
 
  桃子「ジオ君によ!大体こうなるの分かってて誘ったんでしょ!」
真由美「まぁまぁ、落ち着いて。」
 
 GM「一方その頃、やはりイライラしている者がいた。」
久美子「イライラなんかしてません!」
 
 GM(それがイラついているんだってば。)
久美子「・・ふぅ・・・・・・。」
 
 GM「久美子はゆったりと泳ぎながら心を鎮めようとした。」
久美子「・・・......・・..・・...・・・..」
 
 GM「しかし胸の内から湧き出る感覚は、それを許さなかった。」
久美子(やっぱり・・この間・・・それは私だって・・・・・・・・・・
    ・・どうして?今までこんな事無かったのに・・・・・)
 
 GM「彼女にとって安らぐ場所でもある水の中、自分のいる場所だった
    そんな空間に居ながらも、久美子の芯は回り始めた独楽の様に
    微細に揺れていた。」
久美子(・・此処にいてはイケナイの?・・どこか・・・・・もっと・・)
 
 GM「久美子はプールから上がると何かにせっつかれる様に着替えた。
    予定表の自主トレ欄にランニングと書き込み、外に出た。」
久美子「・・ふう。・・・・・うん。」
 
 GM「久美子は喧噪に自分の気持ちを掻き消して貰おうと
    軽く走り始めた。其の様を物陰から見る者がいる事も知らず。」
コーチ「あ、僕の事でしたらお構いなく。」
  GM「そですかぁ。じゃ、再び場面は出店に戻りますね。」
 
 ネオ「うっしゃぁー!ど真ん中!」
 
 GM「ネオは弓撃ちに夢中になっていた。」
 
 ジオ「おぉ、やるなぁ。」
 
 GM「君はやらないのかね?」
 
 ジオ「自分は、財布の紐が堅いから。」
 
 GM「若者らしくないなぁ。」
 
  桃子「そうそう。ジオ君って妙に年寄り臭いのよね。」
真由美「ノネナールなんか出てないわよ。」
 
 ジオ「まぁまぁ。それより今思ったのですけどね、」
真由美「なぁに、ジオ君。」
 
 ジオ「この喧噪に紛れているから良いんですが、桃子ちゃんが
    見えない人にはこの会話は異様だな、てね。」
 
 GM「それは言えていますな。」
 
  桃子「GMだってそうじゃない!」
 
 ネオ「うっそぉーっ!」
 
 GM「ほらほら桃子ちゃん応援してあげなきゃ。」
 
 サキ「惜しかったですね。」
 
 GM「ほら取られた。て、なに臆病モード入っているのかね?」
 
  桃子「え、だって初めて会うんだもん。」
 
 ネオ「そうなんすよぉ、もチョイなんだけどね。で君誰?」
真由美「あらら。1年のサキさんよ。」
 
 サキ「サキです。ネオ先輩達の事は有名ですよ。」
 
 桃子(え?何?何なの!?)
 
 ネオ「いっやぁ、そんなに?参っちゃうなぁ。」
 
 ジオ「まだ何も言ってないって。」
 
 サキ「この前、人間離れしたロケット・ダッシュしたんですよね。」
真由美「サキさんは一年女子の記録更新したのよね。」
 
 サキ「あの時は体調が極めて良かっただけの、まぐれですよ。」
 
 ジオ「いや、それにしても流石は地球防衛軍の人だ。」
 
 ネオ「略して地球の人だね。」
 
 ジオ「略し過ぎだっての!って、言うかそうやって強調すると
    サキちゃん地球人で俺達一体何星人?」
 
 ネオ「う〜ん、じゃオレ駄洒落星人。ジオはオッパイ星人?」
 
 ジオ「いやむしろ、つるぺたし〜し〜星人・・ってオイッ!」
 
 ネオ「成る程なぁ。あら?じゃサキちゃんの「ちきゅう人」の
    ちきゅうって何??」
 
 サキ「は・はは。」
 
 GM「サキは少し困ったような笑い方をした。」
 
 桃子(もう、何なのよネオったら。デレデレしちゃってさ。)
 
 GM「あ、時に諸君。」
 
 ネオ「もっくん。」
 
 ジオ「毛。じゃなくてな。なんなの改まって。」
 
 GM「このような所で遊んでいていいのかな?」
 
 桃子(そうそう。)
 
 ネオ「いんでない?ちゅーか、今時これくらいで何も言われないって。」
 
 ジオ「ま、そうは言っても・・あぁっ、そういう事かいね!」
 
 サキ「どうしたのですか。」
 
 ジオ「良く考えたら真由美先生ってゲーム中で生活指導の腕章してた!」
 
 ネオ「しまったぁ〜!よし、みんな逃げるぞ。
    ジオはアッチでサキちゃんはそっちでGMはこっちで
    オレと桃子ちゃんはどっちな!」
 
 ジオ「方向決まってないんか!」
 
  桃子「うん♪」
 
 ジオ「仲良しこ良しで愛の逃避行だからって嬉しそうに答えないの!」
真由美「ちょ、ちょと君達待ちなさいって。」
 
 ネオ「はい?」
真由美「貴方達は私が保護者扱いになるから良いのよ。」
 
 GM「ま、厳密な事言い出したらキリが無いですしな。」
 
 ジオ「そう言えばゲーム中でも右手に何か持っていたし。」
 
 ネオ「手乗り金魚?」
真由美「はよーん・・って、発音これで良いですか山寺さん?」
 
 ジオ「あ、いやまぁ良いんじゃないですか、はい。」
 
 ネオ「素に戻ってるてば。ぃうあっ!サキちゃんは逃げなきゃ。」
 
 サキ「え?・・あ、心配要りませんネオ先輩。私も保護者同伴です。」
 
 ネオ「へ?ドコ?あ、ドコはオレ・・じゃなくて何処?」
 
 サキ「あちらです。」
 
 桃子(ち〜か〜よ〜るなぁー。)
 
 GM「君達の前に現れたのは背の高い、がっしりした男性だ。」
 
 サキ「紹介しますね。こちらが私の所属している班のかずき先輩です。」
 
 GM「男は君達ににこやかな顔で挨拶をした。」
かずき「や、どうも初めまして。」
 
 ジオ「あ、どうもこちらこそ初めまして。」
 
 ネオ「あ、どもども初めてこちらまして。」
 
 サキ「先輩、こちらが私が通っている学校の上級生の」
 
 ジオ「ジオです。それとこちらが僕達の保護者の真由美先生です。」
 
 ネオ「あ、ネオです。それとここにいるのが保護色の桃子ちゃんです。」
 
 ジオ「いい加減にしなさい!」
 
 GM「ジオは慌てて逆手チョップこと’ツッコミ・チョップ’をした。」
 
 ジオ(危ねぇ、危ねぃ。)
かずき「あ、そうなんだ。てっきり浮遊●かと思ったよ。」
 
  桃子「えぇ〜っ、違いますぅ。私はずっとネオ一直線で遊んでなんか
    いませんよー。」
 
 サキ「そうなんですか。凄いですね。」
かずき「いやいや、五面御免。」
 
 ジオ「え゛あ゛ぁ〜、もうこんな時間だ。折角の所申し訳有りませんが、
    自分達ありますのでこれで失礼します。」
 
 サキ「そうなんですか。失礼しました。」
かずき「それじゃあ気を付けてな。特に君は、な。」
 
 GM「かずきはネオ→桃子の順に指さした。」
 
 ネオ「え、ああ。大丈夫っすよ。も・・」
 
 ジオ「ホレ急ぐぞ!」
 
 GM「ジオは慌ててネオを引っ張っていった。」
 
  桃子「あ、待ってよぉ。」
真由美「それでは失礼しますね。」
かずき「じゃ、僕達もそろそろ姫の所に行くか。」
 
 サキ「はい先輩!でもシャルって呼ぶように言われてますよ。」
 
 GM「君達はそれぞれの方向へ歩いて行った。」
 
 ネオ「どしたのジオ?そんなに慌てて。」
 
 ジオ「あのな、さっきの二人の会話、桃子ちゃんが見えてるんだ。」
 
  桃子「そうよね。私に話しかけてきたし、相づち打ったし。」
 
 ネオ「じゃあ・・・」
 
 ジオ「ああ。」
 
 ネオ「どうするね?」
 
 ジオ「うーん・・かといって、お前には桃子ちゃんがいるしな。」
 
  桃子「そうそう、だからネオはもう他の人はダメなのぉ。」
 
 ネオ「よし!あの兄さんはジオ担当な!。」
 
 GM「サキちゃんは?」
 
 ネオ「んじゃ真由美先生ね。」
 
 ジオ「おにぃ〜さま〜ぁ。・・・・・もしもしぃっ!」
真由美「どうして私がサキちゃんと付き合うの!?」
めぐみ「え!先生サキさんと付き合っていたんですか?!」

真由美先生とサキつんはそ〜いう風!?  

 絵美「教師と教え子の禁断の愛!スクープだわ!」
真由美「違います!先生には・・ぁ!」
 
 ネオ「オカマが好きなんですよね。」
 
 ジオ「んまっ!ど〜しましょ・・・もしもしぃ〜」
 
 絵美「ま、変態の後輩は兎も角、間近に見るのは初めてね。」
めぐみ「私は学校の廊下で会いましたから2回目ですよね。」
 
  桃子「あ、ホモ騒ぎの時にいたのよね。」
 
 ネオ「昨日の事なのに去年のようだぁね。」
 
 ジオ「・・全く。それはそうと、先輩達は撮影か何かですか?」
 
 絵美「ま、そんな所ね。そういう君達は?」
 
 ネオ「射的やって美味い物食べてダーツして飲んで弓やった。」
めぐみ「ネオさん、お祭り好きなんですね。」
 
 ネオ「も、喰い歩きとか大好き。」
めぐみ「そうなんですか。・・って、そちらの幽霊さんと何か予定が
    あるんじゃないですかぁ?」
 
 ジオ「いや、そうなんだよ。今から急いで出掛けないとね。・・って、
    良く分かったね。」
 
 絵美「まぁそんな顔してればね。」
 
 GM「確かに桃子ちゃんチト怖いですな。」
真由美「さ、みんな時間がないわよ。それじゃあ、お騒がせしました。」
 
 ジオ「そういう訳なんでどうも済みません、先輩。」
 
 絵美「いいって事よ。私達は別様があるしね。」
めぐみ「そうですよ。気にしないでバーンと行って下さい♪
    ところで何処に行くのですか?」
 
 ネオ「公園なお墓を参らせに行くの。」
 
 ジオ「それじゃぁそういう事で。」
真由美「めぐみちゃん、また明日ね。」
 
 GM「またまた各パーティは分かれていった。」
めぐみ「いいんですかぁ?色々聞かなくて?」
 
 絵美「なんか隠したがっていたしね。それにこっちも、
    あの子達にナイショで聞き込みもするし、それに・・。」
めぐみ「それに?」
 
 絵美「誰も後から付いて行かないなんて言ってないわよ。」
 
 GM「さて、ネオ・ジオ・桃子・真由美は出店から離れ、
    当初の目的地へと向かった。」
 
 ネオ「あ、途中でコンビニに寄ろう!」
 
 ジオ「買いたい物も有りまくりだしな。」
 
 GM「はいはい、御勝手に。それはそうとこんなメンバーを
    遠くで発見した者がいた。」
久美子「あ・・?」
 
 GM「彼女はジョギングを止め、しばし眺めていたが
    そちらへ歩いていった。」
久美子(何か・・あったのかなぁ。・・先生まで一緒にヘンな感じだし。)
 
 GM「桃子の墓標の前でネオは何を語るのか。変態説流れるジオは
    それを証明出来るのか。桃子は好感度を稼げるのか。
    真由美に貞操の喜機は訪れるのか。何より物語の進行を勤める
    私の運命は如何に!縁があったらTo be continued!」