GM「三人は真由美先生が居るマンション近くのコンビニから出た。」
 
 ジオ「こっちのマイク感度は最大にしておくけど返事はするなよ。」
 
 ネオ「なあジオ、本当にやるのか。」
 
 ジオ「あぁ。こちらが防戦一方になっている以上、裏は取らないとな。」
 
 桃子「そんなに信じられないの?確かに初めての人と付き合うのって
    とっても怖いけど・・・・・。」
 
 ジオ「信じるには先ず疑わないとね。事が重要であればなおのこと。」
 
 ネオ「難しいことは分かんないけどさぁ、合言葉決めないと。」
 
 ジオ「あ、そうそう。何にしようか。」
 
 ネオ「うーんと・・!スンダレマンボってのは!」
 
 ジオ「どうやって日常会話に混ぜるんだよ!」
 
 ネオ「こう水をカップ5リットル加えてね。」
 
 ジオ「そうじゃなくて他に言い回しがききやすいのだよ!」
 
 桃子「なんか政治家みたいね。」
 
 GM「遺憾というのは残念という意味で、謝罪じゃないようにね。」
 
 ネオ「ポンカンというのは蜜柑という意味でアンポンタンでない。」
 
 ジオ「だーかーら!進まないだろうが!頼むよ嫁!」
 
 桃子「えぇえ、そんなぁ、まだ婚約だってしてないのにぃ、でもぉ・・」
 
 ジオ「あ、アッチの世界に行っちゃたよ。」
 
 GM「『〜ではない』を使って、合言葉は『〜じゃない』にするとか。」
 
 ジオ「それだ!いやさすがGM。さすが博学!」
 
 GM「誉めなさんな。それより二人ともその手荷物は、一体。」
 
 ネオ「朝飯食い足りないから。」
 
 ジオ「そもそも朝飯喰っていないから。」
 
 GM「それでコンビニに入っていったのね。さて、それでは・・・」
 
 妖精「ストーップ!」
 
 ネオ「うぅわっ!!ビックリしたぁ。」
 
 ジオ「何で電話機の裏から出るかな?!」
 
 妖精「チョット寒かったから・・そんな事より私の方が先でしょ!」
 
 ジオ「いや、そんな事言ったって、ねぇ。」
 
 ネオ「んだんだ。」
 
 妖精「そんな怪しいか安全かもあやふやな状況なんて後々!
    私なんか思いっ切り危ないがピンチなんだからぁっ!」
 
 GM「はいはい分かりましたよ。では場所はジオ宅に移ります。」
 
 ネオ「あ、GM!オレ買った朝飯たべて良い?」
 
 GM「時間の経過がおかしくなるから却下。」
 
 ジオ「うぉお、ひもじいぅんだぁ!」
 
 GM「二人がそんな事になっているなど思いもしないリンツは
    ブーツの汚れを玄関マットで拭い、ホールディング・ポーチから
    もふもふしたスリッパを重ねて装着。屋内の散策を開始した。」
リンツ「お邪魔しまぁーす。って、一人暮らしだから誰もいないか。」
 
 妖精(ど、どうしよう!見つからないようにしなきゃ!)
 
 GM「さて、妖精君が取るべき道は次の四つ。
    1・窓を開けて逃げる
    2・ネオに電話を掛けて助けを求める
    3・隠れる(但し場所がポイント)
    4・この部屋にある物を使ってトリックで闘う」
 
 妖精「窓がボロで音がするから1は×。ネオを呼んでも間に合わないから
    2も×。トリックを作る暇もないからこれも×!!」
 
 GM「んじゃ3ですな。で、何処に隠れるので?
    相手は探し回っているのですよ。」
 
 妖精「んーと、んーと、んんんんんんーーと・・・」
 
 GM「その頃リンツは台所で冷蔵庫を覗いていた。」
リンツ「わ、冷凍食品が多いな。・・・何だコレ?」
 
 GM「蒟蒻でも?」
リンツ「なんか健康食品みたい。年寄り臭いなぁ。」
 
 GM「次は脱衣場ですか?」
リンツ「いいじゃない!コロンとか無くて保湿ローションかぁ・・。
    あいつ本当にジジ臭いなぁ。もぉボロボロ?」
 
 GM「下着も滋味だしね。」
リンツ「あぁでも、ここだけは若い男の青臭い・・って何言わせるのよ!」
 
 GM「いや、私は別に。あたふた。」
リンツ「五月蠅い!【これでもくらえ!】」
 
 GM「いつの間にT&Tにぃっ!ぎゃぁあっー!
 
 妖精「ひぃいっ!見つかったらあんな風に虐められるんだ!
    私なんて可愛いからきっと酷いイタズラされちゃうんだぁ!」
 
 GM「みんな、目上の人をおもむろに攻撃しちゃ駄目だよ、ガク。」
リンツ「ふん!さてと、次は二階に行ってみるか。」
 
 妖精「あぁあぁああ。来ちゃったよぉ。なんかオシッコちび・・・・
    !!そうだ!えと、マジックで・・良し!」
リンツ「ふうん。此処が自室かぁ。どれどれ。」
 
 GM「そう呟きながらリンツはパソコンの電源を入れると、
    起動時間をりようして周囲の引き出しをガサ入れしだした。」
リンツ「ひょっとしたらアイツ、天界と関わりがあるかもしれないし・・
    って、あんたやられたんじゃないの?!」
 
 GM「ふふふ、GMの実力を舐めて貰っては困りますな。」
リンツ「(つまらなそうに)ふぅん。・・・あ、あそこにあるのは?」
 
 GM「へ?・・・・・見ての通り『ネコのトイレ』でしょ。」
リンツ「そうじゃなくて、なんで部屋にあるのよ?おかしくない?」
 
 GM「寝るときだけの非常用でしょ。換えたばかりでしょうが。」
リンツ「寂しい奴・・・・・。あ、やっと使えるわ。」
 
 GM「そういうとリンツはパソコンの中を調べだした。」
 
 妖精(ほ、見つからずに済みそうね。)
 
 GM(成る程、妖精用の『トイレ』を『ネコのトイレ』に書き換えて
    その中に逃げ込みましたか。)
リンツ「さてと、どの場所に何があるのかな?取り敢えずワープロの
    ソフトでも開いてみますか。」
 
 GM「アプリケーションソフトを起動させようとした時、窓の外に
    大きな虎猫がやって来て、半端でない濁声で唸り始めた!」
リンツ「げ!こいつ飼っていたのか!えぇいウルサイ!!」
 
 GM「早く窓開けて入れてやらないと近所迷惑ですよ。」
リンツ「今人目にさらされるのはマズイな。ここは出直すか!」
 
 GM「そういうとリンツはパソコンを終了させ、窓を押さえていた
    定規のロックを外すと、家から出ていった。」
 
 妖精「・・・助かったのね!良かったぁ!!」
 
 GM「うんにゃ、そうでもない。その虎猫は窓を開けると
    スルリと室内に入ってきた。」
 
 妖精「あ、コラ!あなたはもう良いから出て行きなさい!」
ファー「おみゃー折角助けたっただに、それはないんと違う?」
 
 妖精「わ!ビックリした!」
 
 GM「あんた13話では接触性テレパス使ってませんでした?」
ファー「あの晩は未だ探知機があるかもしれんでやったけどよぉ、
    まぁ連中も諜報から次の段階に入ったみたいだで
    こいでええがね。」
 
 妖精「何言ってるのか良く分からなーいっ!」
ファー「ま、そんな話は兎も角よぉ、おみゃーの所にはピュアから
    何か言って御座ったかね?」
 
 妖精「ちょっと女神様の名前をそんな軽々しく・・って
    どーしてその名前を知っているの?!!」
ファー「ほりゃ、昔は四人(三人と一匹)でクイズ・ワールドを
    救った仲だもん。」
 
 妖精「・・・って!まさかファー様!?」
ファー「ええて、ええて、ファーって呼んでや。」
 
 GM「あんた、偉かったのね。」
ファー「ほだよ。そりゃそうと、ワシがコッチの世界に来ることは
    ピュアから聞いてなかったんかい?」
 
 妖精「はい。女神様は世界中の異変の対処に追われていたので・・。」
ファー「なんか嫌な予感が走って来たがね。あの二人が今どーいう風に
    情報を集めて、どーいう行動起こそうとしとるか教えてちょー。」
 
 妖精「はーい。えとですねぇ・・・」
 
 GM「さて、こちらは時間を少しさかのぼって再びコンビニ。」
 
 ネオ「あ、お帰りなす。」
 
 ジオ「早かったねぇ。」
 
 GM「時間をさかのぼったからね。」
 
 ネオ「おおおっ!カッコイィーッ!」
 
 ジオ「何かどっかの漫画のボスみたい。」
 
 GM「ふふふ。GMの能力は絶大なのだよ。」
 
 桃子「でもその力で悪いことしてるでしょ。」
 
 GM「あーうー。」
 
 ネオ「あったなぁ、そんな歌。」
 
 桃子「あ、カラオケにあったよぉ。」
 
 ジオ「はいはい、其の話は二人に任せたよ。じゃあネオ、
    電波の届くところで隠れていてくれ。言っておくけど・・・」
 
 ネオ「逃げろって言うんだろ。」
 
 ジオ「そゆこと。ジャッ!」
 
 GM「ジオは一人で真由美のマンションに入っていった。」
 
 ジオ「済みません。さっき(コンビニで)電話したジオですが。」
真由美「はい、一寸待っていてね。」
 
 GM「真由美は幾つかのロックを開けると姿を見せた。」
真由美「さぁどうぞ。散らかっているけど上がってね。」
 
 GM「既にブランチ時。真由美は髪を整え軽くメイクを入れていた。
    其の声にはどことなく軽やかさが感じられた。」
 
 ジオ「はい、失礼します。」
 
 GM「ジオはあくまでも礼儀正しく振る舞った。」
 
 ジオ「あ、これ倶楽部に提出するレポートです。まだ途中ですが・・。」
真由美「そう。さっそく読ませてもらうわね。」
 
 GM「真由美はプリントアウトした用紙を受け取る際に彼が手にしている
    コンビニの袋に気が付いた。」
真由美「あら、それひょっとしてお昼ゴハン?」
 
 ジオ「いえその、起きるのが遅かったので遅い朝食です。」
真由美「まぁ、野菜が全然ないじゃない。こっちにいらっしゃい。」
 
 GM「良いなぁ、私もあやかりたいなぁあ。」
 
 ジオ「あんた物語の外なんでしょうが。」
 
 GM「テーブルには牛乳とノンオイル・ドレッシングのかかった
    食べかけのサラダが置かれた。」
真由美「さぁどおぞ。って、何にも用意出来てないけどね。」
 
 ジオ「いえそんな事ありませんよ。それでは御言葉に甘えて頂きます。」
 
 GM「(ぼそっと)あ、間接キス。」
 
 ジオ「(小声で)・・同じ所食べなきゃ、それは無効だ!」
真由美「そんなに緊張しなくて良いのよ。」
 
 GM「そう言うと真由美はレポートに目を通し始めた。しかしアレだね。
    こんないい人を疑うなんて君って奴は。」
 
 ジオ(確かに。操られている可能性を考慮する事さえ苛まされる。
    ・・・そうなら・・・・・・・)
真由美「エリアルレイヴ風味だけど口に合う?」
 
 ジオ「あ、はい。とても美味しいです。」
真由美「どうしたのかな?ネオ君と一緒にいる時はそんなに
    堅くしたりしないのに。」
 
 ジオ「はぁ、あの・・興奮しているんです、少しだけ。それよりも
    宜しいのですか、一人暮らしの部屋に男をこんなに長く
    入れてしまって。」
 
 GM「あんたら日本語妖し過ぎ。」
真由美「まぁ!そんな事考えていたの。イケナイコね。
    少し生徒指導しちゃおうかしら。」
 
 ジオ「あ、はぁ・・・。」
 
 GM「妖精の羽が気になるジオは生返事をかましてしまった。」
真由美「宜しい。ところでジオ君は彼女とかいるのかな?」
 
 ジオ「いません。」
 
 GM「おいおい。彼女って言っている矢先にキャンセル即答するなよ。」
真由美「別に内申書に書いたり学校の話題にしたりしないわよ。」
 
 ジオ「はい。ですがいません。」
 
 GM「お前なぁ。」
真由美「そう・・君くらいの年頃ならそう言う事に興味持っても
    別に不思議じゃないのよ。」
 
 ネオ「あ、出番?!」
 
 桃子「今のは先生だってばぁ。」
 
 GM「ネオと桃子は真由美先生のいる階の非常階段で傍聴している。」
 
 ジオ「不思議と言えば・・・」
 
 GM「ジオの切り返しに一瞬表情を強張らせる真由美。しかし、
    彼の口から予想外の台詞が紡がれた。
    芳醇な美女と猛々しい下半身の青年が密室で
    如何なる展開をしようというのか?!
    縁があったらTo be continued!」

 

 妖精「えーっ又伸びちゃうのぉ?!」
 
 ジオ「誰のせいだと思ってんだ?」
 
 妖精「悪いのは基本的にあの魔族の女でしょ。」
 
 ネオ「妖怪マユゲぼーんね。」
 
 桃子「さ、次回までデートしよ、ネオ。」
真由美「・・・・・・・・・・・・・・・・いいなぁ・・・・・・」