桃子「ネオくぅん、一体何処に行ったのぉ。」
 
 GM「ま、この手のゲームでは今までの話で出てきた場所を
    探すのが基本ですな。」
 
 桃子「そういうモノなの?」
 
 GM「最近のはそうでもないけど古典的には、ね。」
 
 桃子「そっか、有り難う。えーと・・・」
 
 GM「桃子は第一話から読み返した。貴方も読み返しますか?」
      むぉっちろんそうする!・やってられっけぇい!
 
 桃子「えーっと、ここは太平洋に面した・・・・」
 
 GM「桃子は第一話の場面からシラミ潰しに探しにかかった。」
 
 ジオ「じゃ、ぼちぼち帰るか。」
 
 GM「一方ジオは妖精の食料を確保してキロについた。」
 
 ジオ「そーそ、あの体の何処に入るんだろうねぇって、ちょーいっ!」
 
 GM「ま、朝から冗談は兎も角何か良いもの買えたかね。」
 
 ジオ「それなりに。今日もネオに頑張って貰うかな。」
 
 GM「は、何故に?」
 
 ジオ「いや俺は女の子に話すネタがないから。」
 
 GM「そんな風には見えないけどねぇ。音楽とかドラマとか
    若い子口説くネタなんて君のが詳しいでしょ。」
 
 ジオ「って言ってもJ-POPとかの流行物は聞かないし、
    ドラマやバラエティは観ないしぃ。その点ネオは
    自称[普通の人]だけにそういう事はバッチグーだから
    基本はネオが走って俺がフォローなんだ。」
 
 GM「ま、なんともひねくれた事で。そんなジオの期待も
    背負っているネオだが、未だにひっくり返っていた。」
 
 ネオ「あのGM、まだ寝ているんすか?」
 
 GM「睡眠じゃなくて気絶!RPGじゃあ別物だろうが。」
 
 ネオ「オー、ココロがトンデイテ、ワカリマセーン!バタッ。」
 
 GM「そんなネオを発見してしまった薄幸の美少女がいた。」
久美子「あのGMさん、私・・自分のことを不幸だなんて
    思っていませんけど・・・・。」
 
 GM「これからなるの。で、公園のど真ん中で倒れた彼をどうする?」
久美子「えと、近づいて意識があるか確認します。」
 
 GM「久美子はネオの側にしゃがんで声を掛けた。」
 
 ネオ(.............・...・・...・・・..・・?・・??・・・・)
久美子「・・ん・・・・くん・・・・」
 
 ネオ「・・っ、んっく・・・・・・」
久美子「ネ・くん・・ネオ君!」
 
 ネオ「はうっ!」
久美子「きゃっっ!!・・・お・・驚いちゃった・・・・。」
 
 ネオ「あれ?!・・俺一体??」
 
 GM「いやあ、今のは危なかったですな。」
 
 ネオ「へ?何が??」
 
 GM「あんたがぶっ倒れていた所に久美子ちゃんが来て、
    心配して起こそうとしていたんですが、」
 
 ネオ「はいはい。」
 
 GM「もう少しで顔面直撃でしたよ。」
 
 ネオ「・・なんか俺、チョット前にも似たことやったような・・・。
    で、あの連中は??」
 
 GM「もう行っちゃいましたよ。」
 
 ネオ「全然分かんねぇや。・・・それにしても
    あのオッサンの手から出てたアレ何だぁ?」
 
 GM「ここでもしつこいようだが補足しておこう。この世界では
    『氣』の使い方は発達していない。
    その為、ダンの『へっぽこ拳』でも充分な
    インパクトを有している。」
久美子「・・・それよりもネオ君、起きられそう?」
 
 ネオ「ん、多分・・っと、とと」
久美子「大丈夫?・・・捕まって。」
 
 ネオ「ああ、いいよ、そんな・・って、うわ、グラグラする。」
 
 GM「なんか危なげな感じですが、彼の受難はこんな物では
    済まなかったりするのである。」
 
 桃子「んもう、ネオ君ったら何処に行ったのかしら?」
 
 GM「ほらね。」
 
 ジオ(あ、GMだ。)
 
 ネオ「うわっ!」
久美子「きゃあぁっ!」
 
 GM「これ又お約束にネオが公園の茂みに倒れて、
    支えていた久美子ちゃんを引き込んでしまった。」
 
 ネオ「ありゃぁ。駄目だこりゃ。もう少し横になってるよ。」
 GM「ネオは四肢の痛みを堪えながら空を見上げて呟いた。」
久美子「あの・・ネオ君。そのまま・・上を見ていてね。」
 
 ネオ「へ?」
久美子「見ないで!」
 
 GM「久美子のランニングウェアのファスナーがネオのズボンを、
    そのネオの社会の窓が久美子のシャツを互いにがっぷり四つに
    組み合っていた。」
 
 ネオ「あ、ゴメンッ!!」
 
 GM「ネオは頭をブリッジ状にして目も逸らした。」
 
 ネオ「久美子ちゃん、体に挟まなかった?」
久美子「ええ、大丈夫よ。」
 
 GM「久美子はネオのズボンを引っ張り上げてモゾモゾした。」
久美子「・・あの・・・・、動かないで・欲しいんだけど。」
 
 ネオ「あ、頑張るよ。うん。・・・ズボン脱ごうか?」
久美子「だって・・挟んでるよ。・・・・その・・・下着・・も。」
 
 ネオ「ゴメン。本当に迷惑かけちゃって。」
久美子「良いわよ、別に。・・迷惑なんて思ってないし。」
 
 ネオ「でもこんな所、誰かに見られたらお終いだね。」
 
 GM「では、そんな君に」
 
 ネオ「お助けアイテムっすか?キコキコキッコーィンと。」
 
 GM「ブーッ!クイズです。一般に男女間における
    危機的状況に流れる音楽としてJ.S.バッハの作品、
    [トッカータとフーガ ニ短調]があります。」
久美子「・・・バッハに失礼な話ですね。」
 
 GM「う゛っ。・・さ、さて、この出だしは俗に何と
    呼ばれているでしょうか?
    一:チャパティ、初めての収入。
    二:チャラリー、鼻から乳牛。
    三:ニヤリー、はだけた美乳。
    四:チャラリー、鼻から牛乳。」
 
 ネオ「はいっ!二番!!」
 
 GM「ブブーッ!!正解は四番です。引っかかりましたね。」
久美子「鼻からホルスタインが出たら鼻が無くなっちゃわ。」
 
 ネオ「うわぁあ、ケアレスミスはジオの役なのにぃ」
 
 ジオ「はっくしょん!ハックション!Fuck show on...!」
 
 GM「さて、間違えたネオ君には・・・」
 
 ネオ「え?罰ゲーム?!」
 
 GM「いえ、こちらの状況をプレゼントします。
    私の肉体をすり抜けて一人の少女が現れた!!」
 
 ネオ「きゃーっ!」
 
 桃子「き゜ゃ゛っぁあー!」
久美子「あいたっ!・・・・ぶつけちゃった。」
 
 GM「まさしくBGMは彼の曲ですな。
    検索エンジンでバッハとフーガを入力すると探せますよ。」
 
 桃子「何してるのよぉっ!」
 
 ネオ「いや、なにって、ジッパーがこじれちゃって・・。」
 
 桃子「何でそんな所がくっつくのよっっ!!・・ひょっとして、」
久美子「違うわよ。」
 
 GM「桃子が誰がどう見てもそうとしか思えない答えを
    言おうとした矢先、久美子がそれを遮った。」
久美子「ネオ君が怪我をしてたから運ぼうとしたら転んだだけよ。」
 
 GM「久美子の威厳ある言葉に桃子は動揺を納めた。」
 
 ネオ「ほ。」
 
 GM「が、かといって不安が無くなった訳ではない。」
 
 桃子「本当にそれだけなの?どうしてケガしたの?あたしが一緒なら
    そんなこと無かったのに、どうして起こしてくれなかったの!?」
 
 GM「桃子はネオに擦り寄って質問責めにした。」
 
 ネオ「え?!いや、あの何て言うかぁぁあ。助けてGM!!!」
 
 ジオ「おいおい、誰か忘れてないか?」
 GM「あ、ジオ!てめぇ何時の間に!(時代劇調)」
 
 ジオ「おうおぅぉうおう!ちょっぉいと待ちねぇいっ!(やっぱ時代劇)」
 
 GM「ジオはつかつかと歩み寄りネオの体に手を回し、」
 
 ジオ「俺が最初だ!」
 
 GM「っと女の子達に目で威嚇しながら腰をくねらした。」
 
 ジオ「テンキー入力だと1632143って感じだよぉーん、っと。」
久美子「・・・・(すっかり冷め切って)ふーん、どうぞ。」
 
 桃子「ダメェッ!ネオ君が[受け]だなんて絶対イヤァアーッ!!」
 
 GM「って事は[攻め]なら良かったのかね、君は?!」
 
 ネオ「は?何??何のこと?久美子ちゃん知ってる?」
久美子「良く分からないけど・・・知らなくても困らないわ。」
 
 ネオ「そりゃそうだろうけど・・うーん、やっぱ気になる。」
 
 ジオ「これ終わったら桃子ちゃんに教えてもらえよ。
    ま、寒い寸劇はさておき、何があったんだネオ?」
 
 ネオ「いや、何か変なニイチャンが叫びながら殴り掛かってきたんだ。」
 
 ジオ「そりゃ・・・不味いなぁ。」
久美子「なんだか・・気味が悪い話ね。」
 
 ジオ(まさかこれも魔王復活がらみ?いや、もっと先の何かか??)
 
 桃子「えぇっ!酷ぉい!あたしが一緒だったらこんな目に
    あわせないのにっ!!」
 
 GM「桃子は見たこともない相手に怒りを露わにした。」
 
 ジオ「まぁ、これからは四六時中付き添っていれば問題ないよ。」
 
 ネオ「そだね、同じ家に住んでいるんだし。」
 
 桃子「うんっ!ずっと一緒ね!」
久美子「・・・・・・・あ、それはそうと怪我は大丈夫?」
 
 ジオ「後は自分が何とかするよ。久美子ちゃんは
    トレーニングを続けてよ。」
久美子「え・・でも・・・。」
 
 ネオ「オレならも、絶対大丈夫だからさ。そうしてよ。」
久美子「そう・・・じゃぁ、後はお願いね。」
 
 GM「久美子は三人に背を向け走り始めた。」
久美子「・・あの、もう一つだけ。」
 
 GM「久美子は振り向いて質問しようとした。」
 
 ジオ(あんたはコロンボかーいっ!!)
 
 GM「ジオはツッコミを必死にこらえた。」
 
 桃子「何?」
久美子「プールで貴女と会った事を、絵美さんって人から
    聞かれているんだけど・・話しても良いかしら?」
 
 桃子「えぇーっ?!」
 
 GM「桃子はあからさまに嫌そうな顔をした。」
 
 ネオ「あ、いいよ別に。」
 
 桃子「ちょっとネオくぅん、ダメよそんなの。」
 
 ジオ「・・・いや、絵美さんが動いた以上いずれはバレるさ。
    だとしたら早い方が良い。」
 
 ネオ「ね。で、絵美さんには会うの?」
久美子「一応、今日の夕方に。」
 
 桃子「はぁあ。二人っきりの時間がこんなにチョットなんてぇ。」
 
 ジオ「まぁまあ、夜は二人のモノなんだしさ。」
 
 桃子「やん、ジオ君のH!」
 
 ジオ「左様。」
 
 GM「んなこと0.2秒で即答するなっ!」
久美子「・・じゃあ、また明日ね。」
 
 ネオ「うぃーっす!」
 
 桃子「さようなら。」
 
 ジオ「頑張ってね。」
久美子(同じ家に暮らしているんだ・・。・・・・・。・・・。)
 
 GM「久美子は心にモヤモヤした感じを払拭するように走り出した。」
 
 ジオ「さてと、試してみるか?」
 
 ネオ「ん?ああ。やってみてよ。」
 
 桃子「え??何をするの?」
 
 ネオ「ほら、ジオって昨日から不思議な力が使えるだろ。
    だったらケガも治せるかなって。」
 
 ジオ「人目につくと不味いから、そこのトイレに行こう。」
 
 桃子「・・・・ヘンな事しないでよ。」
 
 ジオ「じゃ、付いて来れば?」
 
 桃子「えぇえっ、男子トイレにぃ?!」
 
 ネオ「別にオシッコする訳じゃないんだし。」
 
 ジオ「そ、どこでもいっしょ、でしょ。」
 
 桃子「もぅっ!行けば良いんでしょ!」
 
 GM「と、言うわけで君達はトイレへ向かった。」
 
 ネオ「あ!チョイ待ち!!」
 
 ジオ「ん?どした??」
 
 桃子「ひょっとして、本当にお通じ?」
 
 ネオ「腹減った。」
 
 ジオ「ちょーいっ!」
 
 桃子「ケガより空腹のが辛いの?」
 
 ネオ「んー。何か両方。」
 
 ジオ「分かった。取り敢えず口の中とかその辺を軽く治そう。
    続きはネオが飯喰ってからで良いな。」
 
 GM「と、言うわけでトイレの中。」
 
 ジオ「まぁ、歯が抜けてなくて良かった。」
 
 桃子「ネオ君大丈夫?」
 
 ネオ「ああ。なんか体が良い感じだよ。」
 
 GM「ジオはネオの顔、胸、腹、腰に手をやり健康な状態にした。」
 桃子「凄ぉい。本当にどうしてそんな事が出来るの?」
 
 ジオ「うーんむ、ひょっとして・・・」
 
 ネオ「ひょっとして?」
 
 桃子「何々??」
 
 ジオ「業界用語で言う所の[押してまぁーすぃっ]って奴かも。」
 
 ネオ「ずっぺーんっ!!」
 
 ジオ「だぁあっ!治したばかりなのにトイレの壁へ激突すなっ!」
 
 桃子「ジオ君が悪い!!」
 
 GM「・・・じゃ、事態の収拾は次回までにやっておくとして、
    取りあえず他の方どうぞ!」
めぐみ「(戸の開く音)う〜ん、本当に綺麗な空。
    今日も良い一日になりますように。」
 
 絵美「・・・へっっ?もう朝?!
    確かゲームやっていて、経験値稼いでいて・・・はいぃ?
    ・・・・あ゛っ!!レベルが上がっている!いつの間に・・。
    ま、いいわ。・・・えと、めぐみちゃんとは昼からだし、
    とにかくセーブして・・っと。
    さ、寝るか。・・・・・・・・ふぁあ・・・あ。
    でも、な〜んで二度寝って気持ちいいのかしら。」
 
 GM「あの、まとまらないんですが。」
 
 絵美「そう、縁があったらTo be continued!・・・・じゃ、お休みぃ。」
 
 GM「取り逃げ寝するしぃー。」