GM「さて、のっけから問題です。前回の話で轟いた悲鳴は
    誰が出したのでしょうか?」
リンツ「ひぃいぃ、あの馬鹿力!何も全力でつかまなくたって
    いいじゃないかっ!!」
 
 GM「はい、正解はリンツでした。
    ネオが溺れる者としてワラではなく顔面を掴んだのね。
    これが成人向けならそんなんじゃぁ済まないから良かったね。」
リンツ「五月蠅い!兎に角、何処か体を温められる場所を探さないと・・。
        それもこれもみんな棊子(きし)麺の幽霊のせいだ!」
 
 桃子「ひっくちんっ! 風邪?・・そんな訳ないか。」
 
 GM「桃子はネオ宅の裏にいた。丁度ネオが帰ってきて何事もないように
    自分の部屋に入った。」
 
 桃子「もうっ、ネオ君たら。直ぐにお風呂で体温めないと風邪引くのに。」
 
 GM「気になるんなら教えてやれば?」
 
 桃子「そんなぁ、まだ友達にもなってないのに家に上がるなんてぇ。」
 GM「じゃあ、明日にでも告白したら。」
 
 桃子「本当なら今日だったのに。はぁあっ。何処か行こぅかな。」
 
 GM「そう言うと桃子はフラフラと宙に漂って行った。
    一方、リンツの眼にはガラス張りの温室が入った。」
リンツ「とりあえず行ってみるか。」
 
 GM「ここは小学校の温室で、様々な動植物がいる。その奥には
    “恒温室”と書かれた扉がある。」
リンツ「中に入ってみるか。って、なんか本当にTRPGみたい。」
 
 GM「いいの。中は少し暑く、亜熱帯の動植物が少しいる。」
リンツ「ここで髪を乾かしていくか。それにしてもデモンズ・リングなのに
    他のゲームから持ってくるとこんなもんかな。」
 
 GM「そりゃあ、『ザナドゥ』でも姿が消えるだけで
    フィールドを形成した訳ではないしね。」
リンツ「ちっ、『マリオシリーズ』のスターが手に入ればなぁ。」
 
 GM「そう言いながら、水着を脱ぎ腰のホールディング・ポーチ
    (『D&D』のホールディングバッグのポーチ版。今考えた)
    からタオルを取り出し、髪と体を拭いた。」
リンツ「それにしても、もう少しでアレが使えたのにぃ。もう!」
 
 GM「ふと顔を上げると通風口の網が壊れて開いていた。」
リンツ「・・?!!もしかして。」
 
 GM「急いで盗聴ゴ●ブ●の受信機の現在位置を確認し、
    恒温室内の盗聴記録を調べた。」
 
 妖精「あーあ、見つかんないなぁ。」
リンツ「声が遠いなぁ。ボリューム上げるか。」
 
 妖精「クリスタルを(ムシャムシャ)吸収した(ゴックン)
    人って何処にいるのかしら?」
リンツ「これって・・・!」
 
 GM「お食事中のお喋りは余り感心出来ませんね。」
リンツ「そうそう。特に独り言しながらだと空しさがって、
    話の内容が肝心なの!」
 
 妖精「まあ、新鮮な物は確保出来たし、後はあの二人を動かさないと。
    あっ、新鮮な黒いの見っけ!コラ!逃げるな。待てぇー!」
リンツ「ゲゲッ!こいつこのマシンを食べようとしてたのか!!」
 
 GM「リンツは手早く身支度を整え、定時連絡に向かった。」
 
 桃子「あれ?何だろ、あれ。」
 
 GM「人の頭一つ分高くを飛んでいた桃子は遙か上空を走る人影に
    気が付いた。服装からして女性だと割り切った。」
 
 桃子「あのコも誰かの所に行くのかな?」
 
 GM「今、特にする事のない桃子はフィギュア・スケーターの様に
    その身を回転させ、気付かれないように宙を滑って行った。」
 桃子「あれ、山の方に向かって行くよ。内緒で会うのかな?」
 
 GM「後を追ってみたが、途中で見失ってしまった。」
 
 桃子「しょうがないや。その辺探してみよっと。」
 
 GM「そんな事はお構いなしに例の定時連絡である。」
リンツ「っと、以上であります。」
  
  ?「天界の使者の食事場所が分かったのなら話は早いな。」
    ?「うむ、薬殺するとしよう。遅効性で苦しませよう。」
リンツ「あの、お言葉ではありますが、
    児童も殺す事になりまして作戦が気付かれるのでは・・。」
  
  ?「大丈夫シュ。よくある話シュ。」
    ?「それとも殺しは嫌か?これだから半端者は!」
 
 GM「逆鱗に触れたリンツだが、唇を噛みしめる他はなかった。」
  
  ?「まぁ良い。要は行動不能になれば良いのだからな。」
    ?「貴君が申すのなら仕方あるまい。
    余のコレクションを特別に与えよう。
    お前のポーチに転送しておくから、
    後で塗布するのだ。」
リンツ「は、出過ぎた事を言って申し訳ございませんでした!」
  
  ?「・・・以上で交信を終了する。」
 
 GM「画面が消え一人になるリンツ。」
リンツ「半端者・・・か。畜生!どうせ私は混ぜモノさっ!!」
 
 桃子(!!・・あっちから声がしたけど・・・今はそっとしとこ。)
 
 GM「なにやら訳ありのリンツと、
    それに狙われる妖精はどうなる、どうする。
    全てを失い、
    新たなる一歩を踏み出した少女
    桃子の思いは通じるのか?
         絵美とめぐみもこの事件に
    巻き込まれるのか?
    未だ出ていない二人の出番は?
    ネオとジオは何故、天界より
    選ばれたのか?本当に
    急ぐべきまよね〜づの明日は
    どっち?! 縁があったらTo be continued!」