ジオ「なぁ、ネオ。着替えは持って来たか?」
 
 ネオ「ああ、もち。面倒臭くないように水泳用パンツは履いてるけど。」
 
 ジオ「・・・。替えのブリーフは?そのバッグの中か??」
 
 ネオ「トランクスだって。何?俺の見たいの?H!」
 
 ジオ「ショーツは女の子のだって興味ないさ。」
 
 GM「またまた、嘘ばっかり。」
 
 ジオ「包装物よりも中身に興味のある年寄り、じゃなくて年頃なの。」
 
 GM「で、ネオのパンツは?」
 
 ネオ「しょうがないなぁ。待っていろよ。今見せるから。」
 
 GM「ネオはバッグの中を探した。暫くしてジオに苦笑いした。」
 
 ジオ「・・・だと思ったよ。サポーターを脱いで着替えにするんだな。」
 
 GM「星が輝く夜の9時。スポーツプラザ内には例のコンビと一人の少女が
    最初で最後の競争の準備をしていた。」

 
 ジオ「しかし二人とも本当に普段着なんだな。
    少しは策を練ってくると思ったのに。」

 
 GM「ネオはゲーム画面そのままで、久美子は厚ぼったいジャージの下に
    競泳用水着という姿である。」

 
 ジオ(服の薄さと半ズボン。これで二人のハンディは同じ・・か。)
 
 ネオ「あ、ゴメン!トイレ!!」
 
 ジオ「とっとと行ってこい!・・・御免ね久美子ちゃん、
    こんな理不尽な勝負させて。怒ってない?」

久美子「ううん。こういうの初めてだし・・それに・・・・・・・」
 
 GM「そのまま水面を見つめる久美子。ジオは彼女の瞳に恋人を待つ
    少女のそれを感じた気がして、慌てて否定した。」

 
 ジオ(まさかな。スタンド使い同士の如く互いに引き寄せられる
    なんて訳ないし。まして・・)

 
 ネオ「お待ったせぇ。じゃあ始めようか!」
 
 ジオ「おう!ルールは相手の妨害以外は何でもありで往復はなし。」
久美子「ええ。」
 
 ジオ「それじゃあ位置に着いて、よーい、スタート!!!」
 
 GM「海パン一つのジオの合図と共に久美子は同時に飛び込んだ。」
久美子(!重い・・。)
 
 ネオ「んじゃっ!タタタタタタッ!!そりゃっ!!!」
 
 GM「ネオは後ろに戻り飛び込み台を踏み台にして走り幅跳びをかました。」
 
 ジオ「なっ・・・5mは越えたぞ!助走なんて有ってないようなモノなのに!!」
 
 GM「良い子は真似しては駄目だぞ。」
 
 ジオ「っていうか出来ないし、やったら監視員に説教だな。」
久美子「え?きゃあっ!!」
 
 GM「ネオの奇襲に対する久美子のサプライズド・チェックは失敗した。」
 
 ジオ「何のゲームだよ、それ!!」
 
 ネオ「うっ ぱはぁ  うっ ぱはぁ」
 
 GM「ネオはむき出しの脚を活かして、力強く泳いでいった。」
 
 ジオ(良し、勝てる!・・・勝って良いのか?彼女は今、微妙な所に
    いるはず・・・・・・・いや、この方が楽になる、か。)

 
 GM「久美子の頭の中に音にない声が呟いた。」
久美子(だって彼は男子だし、服だって無いようなモノだし、大体・・・。)
 
 GM「しかし、彼女は眼前の悪夢と動きがままならない今を選んだ。」
 
 ネオ「ふがっ!!」
久美子(来た!)
 
 ジオ「へ??!」
 
 GM「ネオはゴール寸前で急に沈んだ。スパートを狙いに来たと
    思った久美子も差を開けられないように覚悟を決めた。
    が、彼女が見たのは、」

 
 ネオ「うばっ!がぼがぼぼっっ」
 
 GM「水中で意味不明に慌てている間抜けなネオの姿であった。」
久美子「大変!足がつったのね!」
 
 ジオ「馬鹿がーっ!!待ってろ、今助けてやるから!」
 
 GM「その頃、桃子は高台にいた。もしも自分が生きていた頃なら
    こうやって彼とのきっかけを作ろうと、死んでから考えていた。
    それを実現するチャンスは昨日やって来た。何か光る物が
    自分の中心で消えた時から実体を作られるようになった。」

 
 桃子「なんで、ここ一番で戻っちゃったのかなぁ。
    ・・・・・・・・・・・・・・やっぱり嘘ついたからかなぁ。
    ・・でも幽霊なんて分かったら・・・もうバレちゃったか。」

 
 GM「何もかもが空っぽになった。流れている時間も 自分も」
 
 桃子「もう、な〜んにもないや。」
 
 GM「その静寂を突き破る衝動が彼女の胸中を走った。」
 
 桃子「死んじゃう・・ネオ君が!」
 
 GM「一瞬、トンデモナイ思いが浮かんだが、それを打ち消す
    ように頭をブンブン振り引き込まれるように飛んだ。」

めぐみ「(驚いた調子で)・・絵美さぁん。今のって・・・・幽霊?!」
 
 絵美「(興奮した声で)大丈夫、ダイジョウブだって。
    ねぇメイクさん今の見たよね。」

 
 GM「しかし、二人以外に桃子を見た者はいなかった。」
めぐみ「どうなってるんでしょう??」
 
 絵美「さあ、ただ・・・・。」
めぐみ「ただ?」
 
 絵美「クイズ探偵倶楽部OGのカンだけど、
    単なる幽霊騒ぎで収まってくれないかも。」

めぐみ「それにしても・・・幽霊にしては何か変でしたね。」
 
 絵美「うーん・・・。ねぇ、めぐみちゃん。クイズ探偵倶楽部で
    誰か知り合いはいない?」

めぐみ「あ、あのネオさんとジオさんとは・・ほんのチョットだけ。」
 
 絵美「良し、その二人に声かけてみましょ。」
 
 GM「さて、場面は再び水没現場。
    ジオはタオルを持ってプールサイドからネオの近くまで
    走り込んで飛び込み、そして!!っと、ここで御約束の
       縁があったらTo be continued!」

 
 ネオ「俺、溺れているんですけど。」
 
 ジオ「オレなんか中に浮いたままだってばっ!」