GM「天然スチャラカコンビのネオとジオが妖精と遭遇し、
   彼女の拠点をジオの家に決めてゲームのオープニングの部分を
   勉強している頃、虹色町の少し離れた山中に向かう一人の少女がいた。」
リンツ「定時連絡ってガラじゃないんだけどなぁ。
   これも魔王様の為だから仕方ないか。」
 
 GM「山の奥深くの洞窟に入り深部へとリンツは飛んで行く。
   やがて大広間のような空洞の中央に浮き、
   猫のような瞳を持つ顔を少し上にした。」
 
 ネオ「上なのに下なんですか???」
 
 GM「はいはい、関係ない人は顔を突っ込まないの!(短い間)
    洞窟の壁から見えない光線が彼女の眼紋を確認すると
    あちこちからスクリーン状の画面が現れた。」
リンツ「(緊張した面もち)封印のクリスタルは七つに分解して
    地上に落下しました。それと天界から使者が送られた模様です。」
  
  ?「何はともあれ計画の第一段階は無事に終了したようだな。」
    ?「約束の物だ。好きに使え。」
 
 GM「リンツの胸の辺りにソフトボール位の暗褐色の
    水晶のような玉が現れた。」
リンツ「ありがとうございます。」
  
  ?「引き続き第二段階として魔王の復活の際に発現させる鋼腫瘍の元となる
   鋼獣核を移植した人間達を治療の名目で集めさせる。」
    ?「お前は鋼獣核が成長するまで計画の妨害になる要因を
    排除しておくのだ。」
    ?「余が制作したこの盗聴用のマイクロ・マシーンを町内に散布するのだ。
   そうすれば全て計算通りに進む。」
リンツ「皆様の御協力、ゴディバ様に代わって御礼申し上げます。」
  
  ?「頑張るんでシュよ。いっぱい鋼腫瘍を育てて食べるんでシュからね。」
    ?「お前は黙っとれ!このタコ!」
    ?「・・・以上で交信を終了する。」
 
 GM「画面は消え、それと同時に床にアタッシュケースが現れた。」
リンツ「さてと、この中のをバラまけば町内は筒抜けって訳ね。」
 
 GM「リンツはスキャンダルを捕まえたように微笑んでケースを開けた。」

吃驚リンツ

リンツ「うわ゛っ!!!何コレ!!・・・確かに盗聴器には
    見えないけど・・・・もぉう!さっさと散布しちゃお!ヤダヤダ!!」
 
 GM「ちなみにこのマイクロ・メカ、いわゆるゴ●ブ●瓜二つ。」
リンツ「あんたの体に付けてあげるわ。」
 
 GM「いえいえ。私は先程の補足をしますので遠慮します。」
リンツ「ふぅん。じゃあねオジサン!」
 
 GM「さて、この謎の軍団の正体は皆様に想像していただくとして、
    彼等の計画について説明しよう。(ジャキーンッと効果音)
    計画の目標は鋼腫瘍(こうしゅよう)の大量生産。
    これは極めて高いエネルギーと魔導金属に加えて
    レア・アイテムを含んだ魔導生命体であるが、倫理的な問題の為
    平和利用は不可能とされ、
    各ゲーム・ワールドでは取り締まりの対象になっている。
    というのも鋼獣核(こうじゅうかく)を人間に移植して恐怖等の負の感情を
    与えて鋼腫瘍に成長させるのだが、対象となった人間は憎悪が
    次々に蓄積されていき
    情緒が不安定になり犯罪に至る場合がほとんどである。
    そして完全に成長した鋼獣核は魔界から何体かの最下級魔族を
    召還・融合(周囲の金属も然り)して鋼腫瘍になるのだ。
    この際、対象者には大きな外傷と各種ミネラルの消失、
    そして鋼獣核を育成しやすい体質になってしまうのだ。」
 
 ネオ「ぐーぐー・・・んがぁ」
 
 ジオ「Zzzzzz・・・・ZzZzzzZZzzz 」
 
 GM「そんな厄介事に巻き込まれているのに気付かない二人は
    思いっ切り眠っていた。ちなみに彼等の両親は現在
    同居していない。と言うのも」
 
 ネオ「これ以上話がややこしくならない為しゅっね。」
 
 GM「何だこの田舎芝居な寝言は!」
 
 ジオ「いいのかぁ?あんな長い説明誰も読んでないんじゃないか?」
 
 GM「いいの!大体この回でこんな本質を話すって事は・・・」
 
 妖精「失敗するんでしょ・・・・・良かったピー・・」
 
 GM「だーかーら、なんで妖精までそんな嘘臭い寝言を
    するんだぁああああ!!!」
 
 ネオ「はぁあ?何叫んでるんすか?」
 
 ジオ「今日は体育があるんだから後5分寝かしてくれよ。」
 
 妖精「睡眠不足は美容の敵よ!」
 
 GM「はぁぁあ、どうせ私が悪いんですよ!そんな日の昼前(もう昼か!)、
    君達は体育の準備をしていた。」
 
 ネオ「(キャンディ・キャンディのオープニングで)
    おどけてなんて いられないわ
    ハンティングだって リンゴ だって お気に入り
    ナイフに ミサイル 大好き
    火炎放射器 大好き
    わたしは わたしは
    わたしはバレッタ」
   
 
 ジオ「おい!」 
 
 ネオ「ひどい目に遭うと
    ちょっぴりサディスティック
    そんな時 こう言うの
    形見を見つめて
    わらって わらって
    わらって バレッタ
    内蔵なんて サヨナラ ねc
    ブラッディ バレッタ」

 
 ジオ「お前なぁ、これから短距離走だっていうのに、
   よくそんなふざけた歌を歌ってられるな。」
 
 ネオ「いいじゃん別に。オリンピック選手と一緒に走る訳でなし。」
 
 ジオ「ところが違うんだな。今日はグラウンドとかの関係で男女混合。
   しかもお前と走るのは100m自由形代表候補の久美子ちゃんだよ!!」
 
 ネオ「ええっ!久美子ちゃんって・・・・陸上選手だっけ?!!」
 
 ジオ「アホか!水泳選手に決まってるだろ。
   大体、陸上の自由形って何やるんだよ!?」
 
 ネオ「そりゃそうだ。でも何か問題があるの??」
 
 ジオ「あのなぁ、彼女は歩くのより早く泳ぎ始めた水泳の申し子なんだよ。
   国家・民族・親戚・縁者に家族の希望に答えるべく生真面目に
   日々練習しているんだわ、これが。」
 
 ネオ「(頭かきながら)ふんふん。」
 
 ジオ「それに比べてお前は運動能力は抜群なのに大会とかには
   一切出ずに一人で鼻歌混じりに何故かハード・トレーニング
    していて不真面目度120%」
 
 ネオ「だってぇね、そういうの苦手なんだもぉん、後援会とか。」
 
 ジオ「(苛立ちながら)とにかく、彼女の隣では真面目に走って
    出来れば負けろ!」
 
 GM「ネオはヒラヒラと手を振って答えてスタート地点へ向かった。
   久美子は屈伸をしていた。」
 
 ネオ「や、頑張ろうね久美子・・さん」
久美子「・・・前から気になっていたんだけど、ネオ君。」
 
 ネオ「え!!?ななな何ですきゃ?」
久美子「あなたの名字・・なんて読むの。」
 
 ネオ「ああ、あれね。・・あれ?」
 
 GM「ネオは前回のショックで記憶が一部喪失していた。ちなみに
    陀尼壇荘と書き、名前は寝牡と書く。」
 ネオ「(戸惑いながら)あ、後でね。さ、一生懸命走るかなぁ。」
 
 GM「そんなやりとりを校舎の屋上から機械を操作しながら
    眺めている者がいた。」
リンツ「後はこの高校ぐらいか。やっぱり手下は男だよね。
    だ・れ・が・いいかなぁー」
 
 GM「この軽はずみが彼女の命運を分けるとは誰も思わない。私も思わない。」
 
 ネオ「よっっこいしょ、っとね。」
 
 GM「ネオはスタートラインで体勢を整えた。」
 
 ネオ「ねえねえ、GM。」
 
 GM「何ですか?」
 
 ネオ「俺のあの名字なんて読むの?」
 
 GM「教えても良いですけど、もしネオが勝ったら彼女に
    水泳での再挑戦をさせてやってくれないかな。」
 
 ネオ「なして?」
 
 GM「こちらもストーリーの進行を任されている関係上、色々とありましてね。」
 
 ネオ「分かったからさぁ。早くしてよ。」
 
 GM「では教えましょう。陀尼壇荘と書いて(だにだんそう)と読む。」
 
 ネオ「(やな予感)・・・へ?」
リンツ「え、あそこに立っている男子から出ているのって・・・」
 GM「ちなみに、英語風に並べると ねお・だにだんそう。変換すると、」
 
 ネオ「(さらにやな予感)もしかして」
 
 GM「根尾谷断層!岐阜県は濃尾地震で出来た断層が
    君の氏名のルーツだっ!!」
 
 ネオ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(プチッ)
   (これ以上ない程キレた叫びで)ズッペーーーーーーンッッ!!」
 
 GM「ネオはスタート地点から爆煙を吹き上げながらぶっ飛び、
    そのまま一気にゴールに突っ込んだ。これぞ、
    ギャグキャラの特権乱用!」
 
 ネオ「痛たたたっ!そ、そんな、んなのあんまりだよ!!」
 
 GM「あんまりなのは周囲の連中も同じである。ジオは頭抱えているし、
   久美子は鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔してるし、
    そりゃもう校庭は大騒ぎさ!」
 
 ジオ「まったく、何やってんだよぉ。」
リンツ「(呆れながら)何・アレ・・。ま、アレは元々パスだけど。」
 
 GM「ほとんどの者は呆れるか信じられないかのどちらか
    だが、唯一人この事態を職員室から冷静に見守る者がいた。」
真由美「あの異常な瞬発力、もしかしたら・・・・・・。」
 
 GM「何かを含んだような謎の言葉をつぶやく美人教師であった。」
真由美(きゃーっ、今回知的でクールな役だわ。頑張らなくっちゃ。)
 
 GM「ちなみに()内は心の中、つまりモノローグ等(!)です。
   さて、こんな破滅状態で次回はどうなる?縁があったらTo be continued!」