GM「ここは太平洋に面した巨大都市虹色町。各モデル事業や 一大プロジェクトが集結してほとんど独立国家の条件を満たしている。 そんな日本のモナコ共和国みたいなこの町の公園に 帰宅途中の二人連れの青年らがいた。」 1P「(あくびを噛み殺しながら)ふぁーぁあっっ、眠いなあ春は。 『春麗赤ずきんと溺れる』だな。」 2P「それ言うなら『春眠暁を覚えず』だろうが!」 GM「典型的な漫才コンビの二人。今日この日までは普通の人と 同じような、悪く言えば誰でも構わない毎日を送っていた。 駄菓子菓子、そんな生活もこの日の夕日と共に消え去って行くことを 彼らは予想だにしなかった。」 1P「(耐えられずに)くふぁ・・ふふぁー・・はーふぁひゃふゃぁー・・」 GM「その時、天空に流れ星がきらめき、一つがこちらに向かって来た。」 2P「なっ、何だあれは!」 GM「その物体は超弩級のあくびをしていた男の口に・・・」 2P「入ったってか!?」 1P「えーっ!俺そんなの喰っちゃったの!?」 GM「否。アゴに見事にアッパーカットをしてきた。」 妖精「ぶべらっ!」 1P「たぁいがあ〜あぷぁかっと〜」 2P「おいっ、しっか・・ぐぇっ!」 GM「もう一人の青年が助けに駆け寄ったが無意識に繰り出た肘鉄を喰らい 二人は気絶してしまった。しばらくして足音が近づき、 心配そうな声で囁いた。少女のようだ。」 めぐみ「・・・大丈夫ですか?」 2P「うぅん・・。あれ?さっきの妖精は??まさか、夢?!」 1P「ふぁあ、あっ頭が。頭が!」 2P「どうした!痛いのか?」 1P「悪い。じゃなくて痒い!」 GM「困ったような顔をして少女が二人に尋ねた。」 めぐみ「あの、本当に大丈夫ですか??ご自分の御名前分かります?」 GM「カッコ良く答えようとした2Pではあったが何故か思い出せず 同じ境遇の1Pと顔を見合わせた。 ここで二人が記憶を復旧させる間を利用してキャラクターの紹介を。」 《キャラクター解説》 1P:健康一直線で運動が大好き。 主にボケ役&トラブルメーカー クイズは教科書関係はダメだが、人並み外れたカンの強さがある。 名前はネオ。 声の出演は古本新之輔。 2P:全ての学問をお笑いに利用する男。 主にツッコミ&フォロー役 クイズは一通り答えられるが、ケアレスミス等でハズれる事多し。 名前はジオ。 声の出演は山寺宏一。 ジオ「おー、そうだ、そうだった。」 ネオ「で、そう言うあなたは何者?」 GM「“ゲームマスター”状況説明や脱線した物語を本筋に戻す役割を担う。 声の出演は土師孝也。 ちなみに声のキャスティング並びシナリオの 形態はアスペクトから発売中の『不帰の迷宮』から転用。 この辺りの事情が分からずともTRPGのリプレイ集として 本ドラマを読んでいただければ幸いであります。」 ネオ「(お茶をすする音)終わった?」 ジオ「なーる程ね。要するにこの二つの作品に対するオマージュって訳だ。」 ネオ「何言ってんだか分かんねぇや。」 ジオ「それは兎も角、こんな所でこんな時間に何をしてるんですか?」 めぐみ「何をって・・ただの犬の散歩ですけれど。」 ネオ「まあ、女の子がこの時間にこんな場所でする事は普通そうだよね。」 ジオ「では日も暮れてきましたし僕が御自宅までお送りいたしませう。」 GM「ネオは犬のテルとじゃれている。テルとなじんでいる。」 ネオ「クーンクーン。ハッハッハ。」 めぐみ「いえ、本当に大丈夫ですから。帰るわよ、テル!」 ネオ「(しゃがんだまま)ウォン!」 ジオ「お前じゃないだろ!!」 GM「二人のやり取りに微笑むめぐみであった。」 めぐみ「えーと・・・」 ネオ「ネオでぇーいす!」 ジオ「ジオと申します。」 ネオ&ジオ「二人合わせてクイズ探偵倶楽部名物部員ネオ&ジオでーす!」 GM「二人は脚本通りに読んだ事を心の奥から後悔した。」 めぐみ「(明るく)聞いたことあります。それじゃあ又学校で。」 GM「めぐみはテルを連れて帰った。」 |
|
ジオ「ぉーし、楽しくなってきたぜ。」 ネオ「ところで学校の仕組みとかはどうなってんすか?」 GM「単位制度で夏休みは盆休み位。ただし平日でも街に生徒がいたりする。 ちなみに君達は高二で彼女は今年入学した。」 ネオ「あ、彼女年下なんですか?!」 GM「ファミ通の公式ガイドの97ページ参照。」 ジオ「そういう責任逃れするカナ!」 GM「(短い間)という所で君達は肝心な事を思い出した。」 ジオ「・・・あっ!妖精!!」 ネオ「周囲を探索しまーす!!」 GM「辺りを調べるとペンダントが落ちていた。」 ジオ「さっきの彼女・・・ってあ゛あ゛っ!名前聞くのすっかり忘れてた!」 ネオ「じゃ今からこのペンダントでダウジングしてみたら?」 ジオ「んなぁっ。こうなったら何でもやるぜ!」 GM「他に手のないジオは精神をクリスタルに集中した。」 <・・・・・1分後・・・・・・・> GM「静止していたクリスタルが突如草むらの方角に対し 引き込まれるように揺れた。」 ネオ「え?な、何!!?」 GM「その草むらの中から気絶事件の張本人、いや張妖精が現れた。」 妖精「いたたたた。死ぬかと思った。」 ジオ「(しゃがんで手を出して)大丈夫かい?怪我は無い?」 ネオ「何で俺のアゴにクリティカル・ヒットばすっと!?」 妖精「さっきはゴメンナサイ。それよりもあなた達に大事な用があるの。」 ネオ「だから何で俺達なのさ?」 ジオ「教えて妖精さん!Teach me why!」 ネオ「あんたミンキーモモかい!」 妖精「それは・・・あなた達が‘選ばれし者’だからよ。 あたしも天界の勅命で言われただけだから、 それ以上は詳しくは分からないけど・・」 ジオ「もうすぐ夜だし細かい話は、」 ネオ「ジオの家で。」 ジオ「いや、ネオの家で。」 妖精「もうっ!どっちだって同じでしょ!!!」 ネオ「いやいやいやいや。」 ジオ「いやいやいやいやいや。」 GM「シークレット溢れる己の部屋に入れまいと 不毛な譲り合い合戦する二人であった。そんな光景を目にし」 妖精「もう世界は終わったかも・・。」 GM「と、思った妖精であった。不意に非日常の舞台に送られたネオとジオ。 そしてこんな二人に関わる事になった不幸な妖精の明日はどっち!? 縁があったらTo be continued!」 |