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85.15ミニッツ 15MINUTES (2001年米) <4.0>
[監督]ジョン・ハーツウェルド
[出演]ロバート・デニーロ、エドワード・バーンズ、ケルシー・グラマー、エイブリー・ブルックス
[時間]121分
[内容]ニューヨーク市警の殺人課刑事エディは数々の大事件を解決してはマスコミに登場するスター刑事である。ニュー
ス番組『トップ・ストーリー』のアンカーマンのロバートも、そんなエディの人気を利用して視聴率を稼いできた。だが、エ
ディの捜査同行リポートぐらいでは視聴者は満足しなくなってきていた。ある時、チェコ人とロシア人の二人組が金銭ト
ラブルから殺人を犯す。”殺人を重ねてメディアを利用すれば自分達は取り上げられて罪が軽くなる”と考え出し、狂気
な行動に出始める・・・
[寸評]今はケーブルTVは一姫が”カートゥンチャンネル”を気に入って見ているが、久々にCSN1チャンネルで本作品を拝
見した。視聴率のために、より過激な映像を追い求めるメディアと、そんなメディアを利用して名声とカネを得ようと起こ
された凶悪犯罪をめぐるサスペンス作品。まず途中の出来事にはビックリしたな。(あれは「エグゼクティブ・デシジョン」
のスティーブン・セガールと同じではないか・・・)逆に以降はエドワード・バーンズが奮闘して結構盛り上げてくれ、話も
引き締まった。「メディアは真実を伝えるために何をやってもいいのか?」「大量殺人を犯しても精神障害とみなされれ
ば罪は軽く(or放免)されるのか?」等、幾つかの重い社会的テーマを絡めて描かれており、(期待しないで観た事もあ
るが)結構見応えがあった。印象深いのは途中の出来事の公開映像を何だかんだ見つめてしまう大衆の視線と拘留
された主犯に同情の手紙や寄付を寄せる大衆の行動だ。まるで○○○の幹部のJ氏がアイドル化した現象が思い起
こされた。
86.ハリー・ポッターと秘密の部屋
HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS (2002年米) <3.5>
[監督]クリス・コロンバス
[出演]ダニエル・ダドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、リチャード・ハリス、マギー・スミス
[時間]161分
[内容]ハリーは魔法学校での最初の1年を終え、夏休みをダーズリー一家のもとで過ごしていた。ハリーが相変わらず意
地悪な一家に嫌気がさしていたある日、突然ドビーという“屋敷しもべ妖精”が現れる。ドビーはホグワーツへ戻らない
よう警告するが、ホグワーツこそ自分の居所と感じているハリーは警告を聞かずに、助けに来てくれたロンと共にダー
ズリー家を抜け出した。ホグワーツへ行くにも何者かの計らいで妨害され電車に乗り遅れ、ハリーとロンは(空飛ぶ)車
で何とかホグワーツに到着する。2年生となったハリーとロンは、二人の親友ハーマイオニーとも再会し、学校生活を送
るのだが、やがて校内で不気味な出来事が次々と起こり始める…。
[寸評]一姫と劇場で鑑賞。一姫はTVで予告編を観ていたようで「お父さん、グレムリンに似た青いのも出てくるよ!」と言
っていたので「?」と思っていたら、確かに出てきた。グレムリンみたいなの!子供なりによく観ているものだ。さて、本
作品はハリー・ポッター・シリーズの第2弾。タイトルも原作通り。前回同様、原作に忠実に製作されている。但し、長い
話をまとめようとする製作の仕方ゆえに登場人物が中途半端な使われ方になっている感が強い。今回新しく登場する
話のキーとなるロンの妹・ドビー・新任教師ロックハート、ハグリッドまでもどことなく中途半端だ。彼らをもっとしっかり
描こうとすると上映時間は更に長くなるのだろうが・・・。私の原作の印象は”前半はトーンダウン気味で後半盛り上が
る”という感じだったが、映画は前半さらりと進んで後半での結構見せるべきところは見せてくれたし、スピーディ感・
CG映像等は結構凄くて楽しめた。娯楽作品としてはマズマズでしょう。前作より若干面白かった感じかな。一姫も映画
慣れしてきたのか、怖いシーンも冷静にポップコーンをひたすら食べながら観ていた。一姫の評価は”前作と同じぐら
い”との事。原作は3作目・4作目と進むにつれて長くなっていくので映画として成り立っていくのかな?ダンブルドア役
のリチャード・ハリスは本作品が遺作となってしまった。良い味を出していたのに残念だ。
87.K-19 K-19:THE WIDOWMAKER (2002年米・英・独) <4.0>
[監督]キャスリン・ビグロー
[出演]ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルゴ
[時間]138分
[内容]1961年、米ソ冷戦の最中、ソ連の国家首脳部は原子力潜水艦K-19の初航海の艦長にボストリコフを任命した。
副長には経験豊富なポレーニンが就く。ポレーニンは本来艦長であったが、出航準備の際のテストの不備等もあり、
ボストリコフに艦長の座を奪われた形になった。とはいえポレーニンは乗組員からの信望は厚い。幾つかの不吉な
出来事が発生した嫌な雰囲気の中、艦は出航する。艦長・副長の意見は時折対立するが、K-19は次々にテストを成
功させていき、困難なテストを乗り切った乗組員達は自信をつける。しかし、新たな任務を遂行し始めた最中、艦内の
冷却装置のひび割れが判明する。原子炉は過熱し始め、このままでは炉心の溶融が避けられない。艦の爆破は搭
載している核ミサイルの爆破になり世界を震撼させる事になる。男達はどう決断し、どう対応するのか・・・
[寸評]久々に試写会に当選し、愛知県中小企業センターで鑑賞。話題作を公開前よりかなり早く観れるのも時には良い
かな。本作品は冷戦時の期間は完全に封印されていた1961年に実際に起きたソ連の潜水艦の放射能漏れ事故を
今、長年の沈黙を破って巨額な制作費をかけて映画化されたものだ。米国の大俳優達が旧ソ連側を演じ、(当然だが)
英語で話しているのが何とも妙な気もするが米ソ間は冷戦時代ではないという証拠なのでしょう。放射能漏れ→艦の
みならず世界を震撼させる事態を防ぐための男達の奮闘・葛藤が描かれている。前半は訓練等が多く、ハリソン演じ
る艦長がやたら嫌われ者に見なされる感じがするが、危機発覚後は手に汗を握る展開となる。但し、敵とのドンパチは
全くなく艦内での危機の撲滅対応に終始している。汚染される事が分かりながら放射能の中に入って原子炉の修理を
する乗組員、その修理後の姿、おびえて何もできない若者、恐怖で海に飛び込む若者・・・どの姿も非常にリアルで心
に突き刺さる感じだ。艦長・副長のやり取りでどうも府に落ちないところがあるが単純な私の理解不足かな?音楽はロ
シアを意識したようなガンガン鳴り響くような曲が結構使われていたな。ベートーベンの「月光」まで流れたぞ。
88.サウンド・オブ・サイレンス DON'T SAY A WORD (2001年米) <3.0>
[監督]ゲイリー・フレダー
[出演]マイケル・ダグラス、ショーン・ビーン、ブリタニー・マーティ、スカイ・マッコール=バートシアク
[時間]114分
[内容]ニューヨークは感謝祭の前日。家族に帰途に七面鳥を買っていこうと思っていた精神科医のネイサンは、元同僚
のサックス医師から急遽、分裂症の患者を診てくれるよう頼まれる。患者は華奢な体つきのエリザベスという少女だっ
たが、彼女は時折、別の人格が表われ、信じられない力で暴力をふるい、先般、看護士に重傷を負わせたところとい
う。早速、面談治療を始めたネイサンだが、その日は意味不明の言葉を聞き出すのがやっとだった。しかし翌日、ネイ
サンは愛娘ジェシーを誘拐され、犯人から「夕方5時までにエリザベスから6桁の数字を聞き出せ」との要求を受ける。
[寸評]確かにサスペンスとしては普通に楽しめ、残り時間内に最後はしっかり解決するのか?という感じで鑑賞できる作
品だ。しかし、何かすっきりしない部分が多い感じがする。犯人達が10年も執着するブツはどのくらいの価値のあるも
のなのか?サックス医師の愛人等、幾人かの他者の死体は何を意味するのかよく分からない?エリザベスは何故、
看護士を襲ったのか?エリザベスの父と犯人達の関係・・そして、こんな事言うのは私だけかもしれないが、主犯のク
ライマックスのあのセリフは何だ?(実は・・・・・??)。このように疑問ばかり残ってしまった。印象なのはネイサンの
妻が綺麗で骨折しながら非常に強かった事。女性はここぞという時は頼もしいものだね(実感)。あの女性刑事も雰囲
気的にはキーパーソンになるかと思いきや、意外と見せ場がなかったのは残念だった。まあ新作レンタルながら50円
で観れたから、アレコレ言うのもやめとこ・・・。