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77.サイン SIGNS (2002年米) <3.5>
[監督]M・ナイト・シャラマン
[出演]メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ロリー・カルキン、アビゲイル・ブレスリン、M・ナイト・シャラマン
[時間]107分
[内容]米国北部のペンシルバニア州。グラハム・ヘスは牧師だったが、妻を突然の悲劇的な事故で亡くした事がきっか
けで聖職を去り、現在は弟のメリルと幼い二人の子供(息子モーガンと娘ボー)と共に自分の農場で暮らしている。
ある日、彼のトウモロコシ畑に巨大なミステリー・サークルが出現し、その日から農場の周辺及び世界各地で様々な不
思議な現象が起きる。やがて、それらの現象が何かのサイン(兆候)であることがわかるが・・・
[寸評]シャラマン監督のスリラー第3弾。監督自身も出演し、重要な役を演じている。最初から唐突に不可思議な世界に
入り込まされ、その間、怖い思いをさせられたり、コメディというかマヌケ的なノリで笑わせてくれ、最後まで楽しめる。し
かし、決して難しい話ではないのだが、府に落ちない点が幾つかある。悪くはないんだが、ウ〜ン?というのが率直な感
想だ。○○○の侵入を防ぐべく、家中の戸を塞ぐところは、最近DVDを購入して再見したヒッチコックの「鳥」を思わせる。
○○○まで話を超越させている割には、あっさりというかドッチラケという感じ(もっと話が壮大になるかと思った)。○○
○の撃退方法は明かされていないが、実は「ウルトラマン」に登場する「ジャミラ」の撃退方法と一緒なだけか?
78.トレーニング デイ TRAINING DAY (2001年米) <3.0>
[監督]アントワーン・フークア
[出演]デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、スコット・グレン、エヴァ・ベンテス
[時間]122分
[内容]ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった刑事ジェイク。一緒にコンビを組み彼に麻薬捜査のノウハウを教
え込むのはベテラン刑事のアロンゾで数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知している敏腕刑事だ。
配属初日にアロンゾに喫茶店に呼び出され、激動の一日が始まる。アロンゾはジェイクに「かよわい子羊でいるのか。
獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告する。そして、ジェイクが目にしたのは、犯罪摘発のためにはいとも簡単に
自ら法を犯すアロンゾの姿だった。とまどうジェイクをよそにアロンゾの行動はエスカレートしていくのだった…。
[寸評]デンゼル・ワシントンが本作品でアカデミー主演男優賞を獲得。今までの彼にはない悪徳な役柄で、何を演じても
上手いものだと思う。「麻薬捜査で大きな獲物を捕まえる」という目的を達するためには「どんな手段を用いても当たり前
なのだ」という論理を振りかざし、種々な悪事を働かす様は、どこ(誰)にでも起こりうる権力腐敗の姿であろう。最後は
裁きを受け懲悪という形にはなったが、すっきり割り切れない感じもあるし、話全体も何故か馴染み辛かったなあ。
79.ロード・トゥ・パーディション ROAD TO PERDITION (2002年米) <4.5>
[監督]サム・メンデス
[出演]トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、スタンリー・リッチ、ジェニファー・ジェイソン・リー
[時間]119分
[内容]1931年の米国中西部イリノイ州の小さな町。妻と二人の息子と暮らすマイク・サリヴァンは、この町を牛耳るギャン
グのボス;ジョン・ルーニーに可愛がられている殺し屋である。しかし、子供達は父親の職業を知らなかった。ある晩、長
男の12歳のマイケルは父親の仕事に疑念を抱き、車に忍び込み、ルーニーの息子のコナーと父親が殺しを行う現場を
目撃してしまう。マイケルに見られたコナーは保身のため、マイク一家を殺そうとする。マイクの妻と次男は殺され、かろ
うじて生き残ったマイクとマイケルは二人で町を出る。しかし、ルーニー達は若き敏腕の殺し屋マグワイヤを雇って二人
を追跡させる・・・
[寸評]トム・ハンクスとポール・ニューマンの大俳優が共演する(何と連弾も見せてくれる)ギャング映画。二人共、顔と表
情だけでも人間味・懊悩を上手く表現するものだ。更にジュード・ロウも粋な演技を見せてくれる。本作品は父(トム・ハン
クス演)と子のロード・ムービーだが、「山の郵便配達」の父から子への純粋な継承と異なり、自分の道を歩ませないよう
にさせるべく父親が奮闘し、父親としての責任を果たすというものだ。その一方で出来の悪い実の息子を血縁ゆえに見
捨てられず、何だかんだ守ろうとする父(ポール・ニューマン演)の姿も描かれる。ポール・ニューマンが行き詰まった時
に神に呼びかける姿が印象的だ。私はどうも”父と息子”の物語には弱い事もあるが、本作品は話の展開の仕方も良
く、発せられる台詞には含蓄もあり、非常に完成度の高い作品でないかと思う。サム・メンデス監督はアカデミー賞の
作品賞を受賞した「アメリカン・ビューティ」の監督なのだが、数段、本作品の方が好ましく監督としての手腕を評価でき
る。作品の冒頭で最後は父親(トム・ハンクス演)は・・・・・・・・と読めてしまうんだが、それでも最後のあのシーンが結構
好きだなあ。今度のアカデミー賞の作品賞にノミネートされる事を願う作品だ。
<余談>最近よくやる二太郎との会話
私「なあ、二太郎。お父さんと二太郎は男同士だ。男同士仲良くしような!」
二「???・・・お姉ちゃんは?」
私「勿論、お姉ちゃんも二太郎もお父さんとお母さんにとって同じ大事な子だよ。でもね、二太郎が大きくなればなる
ほど男と男の間でしか分かり合えない部分っていうのもでてくるんだ。そういう意味で仲良くしような!」
二(機嫌の良い時は)「???男同士ね。なかよくね?いいよ」 (←↑理解できるわけないよな・・・)
(機嫌の悪い時は)「ヤーダ!お母さんがいいの!」
80.愛しのローズマリー SHALLOW HAL (2001年米) <3.5>
[監督]ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
[出演]グウィネス・パルトロー、ジャック・ブラック、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ヴィテレッリ
[時間]114分
[内容]父親の遺言(「普通で妥協するな!」「女性は美女に限る!」)を守り、ハルは昔から外見の美しい女性だけを追い
かけ続けてきた。しかし、小太りで外見が良い訳でもない彼が美女との恋が成就するわけもなく、気づいてみればすっ
かり中年となっていた。ある時、エレベーターの中で偶然鉢合わせた著名なカウンセラーが、ハルの嘆きを聞き、ハル
に内面の美しい女性が美人に見える催眠術をかけてしまう。そして、ハルが出会った心の美しい女性は何と体重300ポ
ンド(136kg)の巨漢女性だ。しかし、催眠術にかけられたハルの目に映るのはスレンダーな絶世の美女。早速、猛烈な
アタックを始めるハルなのだが・・・。
[寸評]監督・脚本が「メリーに首ったけ」のファレリー兄弟。ハル役のジャック・ブラックと美女と巨漢女性の2役のグウィネ
ス・パルトローの演技が結構良くて楽しませてくれる。なかなか男性心理を微妙に的確についており、何とも言い難い部
分があるなあ・・・。巨漢女性は周囲から笑われる対象なのか、巨漢女性は全て心が優しいのか・・・等、なかなか際ど
い面もあるのだが、本作品で一番言いたいのは「内面の美しい人間が良いのであって、人は決して外見だけで判断す
るものではない」という事でしょう。私もかつては面食いで親しい友人達から「自分が外見で惹きつけられる訳でもない
んだから、そう高望みするな!(作品の中でも同じセリフあり)」とお咎めを受けたり、キャリア・ウーマン的な女性に惹か
れたりしても、自分が○○ゆえに、つり合わない(相手にされない)事に気付いたりした事があったなあ・・・。