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25.ロード・オブ・ザ・リング THE LOAD OF THE RINGS ; THE FELLOWSHIP OF THE RING
    (2001年米/ニュージーランド) <5.0>        
 [監督]ピーター・ジャクソン
  [出演]イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ヴィゴー・モーテンセン
  [時間]178分
 [内容]遠い昔、闇の冥王サウロンは凄まじい邪悪な魔力を秘めた一つの指輪をつくりあげた。指輪の力に支配されたミド
   ル・アースでは一人の勇者がサウロンの腕を切り落とし国を悪から救った。それから数千年・・・。指輪は様々な人の手に
   渡り、指輪の話も伝説から神話と化していた。その指輪がホビッド族の青年フロドに渡り、世界が動き始める。指輪を狙
   おうとサウロンの部下達が迫ってくる。そんな危機から世界を守るためには、指輪を滅びの山の火口に捨てなければな
   らない。フロドを含め9人の仲間が結成され、指輪を葬るための遥かなる旅が始まった・・・
  [寸評]トールキンの原作の大ベストセラー「指輪物語」をピーター・ジャクソン監督が映像化。あらかじめ全3部作という事で
   3作品が1年毎に公開され一つの物語が成立する。今回は、その第一章。私は映画はジャンルにとらわれず観る方だ
   が、「一番好きなジャンルは?」と問われると「アドベンチャー&アクション系」と答える。本作品はバリバリの「アドベンチ
   ャー&アクション系」で且つファンタジー色が豊かで目茶苦茶面白いと思う。壮大で美しい景色・凄まじいアクションと映
   像、次から次へ襲い来る危機と回避の連続・・・3時間などあっという間に過ぎ去る。これぞエンターティメントだ!この作
   品の撮影舞台であるニュージーランドも行ってみたい!主人公のフロドが「SW」のルークやアナキン、「ハリポタ」のハリ
   −のように他者と比べて別格の力の持ち主でなく、無垢なところがかえって良い(2作目から超人になってしまったりし
   てね・・・)。話は途中で終わってしまっているので3部作を全て観て、初めて作品の評価が出来るのかもしれないが、続
   編が非常に楽しみだ。近日発表されるアカデミー賞は撮影・音響等、何部門かは受賞するのだろうが、この作品だけで
   は完結したものでないため、作品賞の受賞は無い気がする。ある情報では2作目公開前に発売されるDVDは30分の未
   公開シーンを加えた3.5時間の作品を収録される模様。メイキング・裏話等の特典映像をじっくり観てみたい。先般、鑑
   賞した「モンスターズ・インク」と併せてDVD購入計画に入れておこう。

26.ネットワーク NETWORK (1976年米) <3.0>        
 [監督]シドニー・ルメット
  [出演]ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、ピーター・フィンチ、ロバート・デュバル
  [時間]121分
 [内容]ニュース・ショウの司会者ハワードは、視聴率低下を苦にノイローゼ気味であった事と解雇通告をされていた事もあ
   り、本番中に自殺の予告発言を行う。それによって視聴率が再び跳ね上がる。その現象に目をつけた女性重役のダイア
   ナは、ハワードを徹底利用して視聴率を稼ごうと画策する・・・
  [寸評]昨年放送されていたTV連続ドラマの水野美紀主演の「女子アナ」や現在連載中の国友やすゆき原作の漫画「コッ
   コちゃん」は女子アナを中心にTV業界の内幕を描いた作品でお気に入りなのだが、本作品は経営陣・企画者側の視点
   からTV業界の内幕を大胆に泥臭く描いている。報道の姿、情報の虚偽、人間の尊厳、主義主張等、取り扱っているテ
   ーマは重厚で、26年前の作品ながら、内容も、見栄えも、「現在の作品」といっても何らさしつかえない。但し、マックスと
   ダイアナの不倫の話は意味があったのかな。それにしてもダイアナ(フェイ・ダナウェイは、この役で主演女優賞を獲得)
   は嫌な女だ。実際、有能なのだが、自分を「仕事のできる女」と発言したり、人を利用するだけ利用したり、家庭人である
   事を侮蔑したり・・・。「あんた、それで自分に何が残るの?」と言ってやりたい。物語の最後も後味が悪い。人は利用され
   るコマだぞ、あんなの。指示をした方々は咎められないのか?マスコミ志望の人が観たら、どう感じるのだろうか?

27.青いパパイヤの香り L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE (1993年仏・ベ) <2.0>        
 [監督]トラン・アン・ユン
  [出演]トラン・ヌー・イェン・ケー、リュ・マン・ケン、グエン・アン・ホア、クエン・チー・タン・トゥラ
  [時間]104分
 [内容]1951年のサイゴン。資産家の家に10歳の少女ムイが奉公人として雇われてきた。その家には優しい奥さんと根無
   し草の主人、3人の息子達、孫娘を失って以来、2階に引きこもりっきりの大奥さん(お婆さん)がいた。ムイは先輩女中
   に教えを受けながら、雑事をこなしていく。ムイは長男が連れてきた友人クェンに恋心を抱くようになる・・・。
   そして10年後・・。
  [寸評]ほとんど家の中だけが舞台なので、サイゴンの文化・情景が本当に、どこまで描かれているのかは分からない。内
   容的にもベトナム作品という事から期待して観たせいか、イマイチだったなあ。話も最初から最後まで淡々としていて起
   伏もないし、後半の流れも何か分かりにくかった。私も親と同居しているから、こたえるけど、息子の不義を嫁のせいにす
   る姑はいかんぞ。(次男が、その光景を見て大泣きして、あげくには家を出てしまった)感想をまとめると「一風変わった
   映画」かな。

28.郵便屋 P.O. BOX TINTO BRASS (1995年伊) <2.0>        
 [監督]ティント・ブラス
  [出演]ティント・ブラス、チンツィア・ロッカフォルテ、クリスティーナ・リナルディ
  [時間]90分
 [内容]「昔々ある町に、心優しい郵便屋さんがいました。その郵便屋さんは・・・」というのは全く嘘で、官能界の巨匠となっ
   たブラス監督のもとには毎日、一般の女性達から赤裸々に性体験・欲望を綴った手紙やビデオが送付されてくる。そん
   な女性達のエピソードを実際にティント・ブラス監督が映像化した作品。
  [寸評]中学生ぐらいの頃に「カリギュラ」(観ていないが)が話題になった気がするが、その監督がティント・ブラス。馴染み
   のレンタルビデオ店の会員更新時の特典として貰った「TSUTAYAシネマハンドブック」に「レディが好むお洒落なムービ
   −」のコーナーに取り上げられていた事から興味本位もあり、本作品を拝見。エピソードを次から次へと映像化するオム
   ニバス形式。その内容についてはコメントし難いが、登場する女性は皆、綺麗だ。合間合間のブラス監督と秘書のやり
   取りが結構面白い。「人間には色々な欲望が潜在しているんだなあ」というのが観終わった感想です。