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21.サンセット大通り SUNSET BOULEVARD (1950年米) <4.0>        
 [監督]ビリー・ワイルダー
  [出演]グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールディン、エリッヒ・フォン・シュトロハイム
  [時間]110分
 [内容]売れない脚本家であるジョーは借金の取立てから逃げまくっている途中、車がパンクしてしまい、サンセット大
   通りの静かな豪邸に駐車する。その豪邸にはサイレント時代の伝説的女優ノーマンが隠遁生活を送っていた。ノーマ
   ンは女優復帰を夢みて、自らのための脚本を綴っていた。ジョーは脚本の修正を任されるようになり、豪邸の一室で
   生活するようになる。ジョーは次第に、ノーマンに私生活まで束縛され出し、嫌気がさし始めるのだが・・・
  [寸評]ノーマン役のグロリア・スワンソンの演技は非常に鬼気せまるものがあった。過去の名声におぼれ続ける悲しい
   今の姿。ノーマンのみならず、本作品の登場人物は映画の世界に生きる(ていた)人々ばかりで、生存競争の厳しさ・
   舞台裏の世界をジワジワと認識させてくれる。冒頭で、いきなりプールの死体が浮かんでおり、悲劇の結末が想定さ
   れるのだが、何と死体の人物が、これに至る経緯を語り始めたのはビックリした。これもビリー・ワイルダー監督の特
   色なのかな。本作品を観て「週刊現代」「週刊ポスト」で時々掲載されている「あのスター達は何処へ」という記事を思
   い出してしまったが、過去の名声にあぐらをかいて悲惨な末路となっている人もいれば、地道に新しい道で頑張ってい
   る人もいて様々だ。後者の方には敬意を感じるけどね。

22.天使のくれた時間 THE FAMILY MAN (2000年米) <4.0>        
 [監督]ブレッド・ラトナー
  [出演]ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、ドン・チードル、ジェレビー・ピヴェン
  [時間]125分
 [内容]恋人ケイトの「残って二人の生活を始めたい」という懇願を振り切って、自らの成功を夢みてロンドンへの研修に
   旅立ったジャック。13年後の現在、大手金融会社の社長の座についたジャックは優雅な独身生活を満喫していた。
   クリスマス・イヴの日、ケイトから会社に電話があった事を秘書から聞いていたが、かけ直さず帰路についた。帰路の
   途中、ある店で謎の若者と出会ったジャックは眠りからさめると「ケイトが妻で子供も二人いる」という別世界にいた・・・
  [寸評]ニコラス・ケイジの映画では久々の当たり作品なのでは。なかなか心にしみる良い内容だと思う。あの若さで大手
   会社の社長となっているのも米国らしいが、仕事も抜群に出来、何でも買える優雅な独身の主人公に天使(っぽくない)
   が「全て満ち足りている?」と問いかけ、「本当の幸福とは?」と(観る者にも)考えさせる筋立て。観る人々にとって受け
   取り方も違うんだろうし、正しい答えもないんだろうな。別世界でのケイトが話しているように、「本当の幸福」は本人が、
   どう感じ、どう満足するかだから・・・。ケイト役のティア・レオーニは「ジュラシック・パークV」にも出ていたが、本作品は
   非常に可愛らしくて好感が持てた。ニコラス・ケイジより光っていた。

23.ドラえもん・のび太とロボット王国 (2002年日) <3.5>
    +ぼくの生まれた日、ザ・ドラえもんズ ゴール!ゴール!ゴール!      
 [監督]芝山努
  [出演]<声>大山のぶ代、小原乃梨子、肝付兼太、野村道子、新宮千春
  [時間]約80分(3作で約110分)
 [内容]かつては平和だったロボット王国もジャンヌ女王が支配している現在は、デスター司令官の命令で、生活してい
   るロボットを捕らえ、感情を抜き取り、人間に従属するようはたらきかけていた。ドロイド兵の追撃に母と一緒に逃走して
   いたポコは、偶然に偶然が重なり、時空をさまよい、地球のドラえもん・のび太達のところに傷ついた姿で現れる。お馴
   染みのメンバーでポコの体を治す事・力添えをするために、タイムマシンでロボット王国へ向かう・・・
  [寸評]先週に引き続き一姫と劇場で鑑賞。(二太郎は最近、非常にドラえもんが好きでレンタルでよく借りて観るのだが
   どうも未だ映画館は苦手のようで妻と留守番)映画もシリーズ23作目。TV、特番、映画といい良くこんなにネタがある
   かと思う。「ロボット王国」は、様々な映画のネタがかいまみれた(「グラディエーター」ネタにはびっくり)が、細かい事を
   言わなければ結構楽しめる。タイムマシンにナビゲーションが付いているのには時世を反映していて笑った。「ぼくの
   生まれた日」は実は一番期待していたが、なかなかほのぼのとした感動的な短編。隣の一姫をジーっと見つめてしまっ
   た。一姫も二太郎も、各々の生まれた日・状況は頭に明確に残っている。親なんてそんなものだよ。

24.ラマになった王様 THE EMPERER'S NEW GROOVE (2000年米) <3.5>        
 [監督]マーク・ディンダル
  [出演]<声>デヴィッド・スペード、ジョン・グッドマン、アーサ・キッド (吹替)藤原竜也、楠見尚巳、京田尚子
  [時間]78分
 [内容]南米のジャングルの某国を治める若き国王クスコは我儘で傲慢で、何でも自分の思い通りにならないと気がす
   まず、家来が何か気に入らない事をすると即、追放してしまう。密かに国王の座を狙う魔女イズマにまでクビを言い渡し
   たら、イズマは逆にクスコの抹殺を試み、秘薬を飲ませて、クスコをラマの姿に変えてしまう・・・
  [寸評]最近のディズニーの作品の中でも時間は短いが、なかなかテンポも軽快で気軽に楽しめる。クスコが自分の為に
   奮闘してくれる農夫パチャと触れあう事により「人間味」に目覚めていく、いかにもディズニーらしい内容。クスコは18歳
   だが、あそこまで傲慢で性悪だったのが、良人;パチャと出会った事によって、性格が変わって本当に今後も人間味ある
   国王でい続けられるのだろうか?人間「3つ子の魂100まで」というけどな・・・。それより素直にパチャの姿を見て、彼の
   行動を見習うべきなのだろう。最近、新聞を賑わせている政治家諸氏も一度本作品をみて反省してみては?