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17.死刑台のエレベーター ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD (1957年仏) <3.0>
[監督]ルイ・マル
[出演]ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、ジョルジュ・プージュリー、リノ・ヴァンチュラ
[時間]91分
[内容]開発会社の社長夫人フロランスは夫に嫌気がさし、愛人の技師ジュリアンに夫殺しをもちかける。社員の退社
後、会社に忍び込んだジュリアンは社長を射殺し、自殺のように偽装する。しかし窓にロープを忘れた事に気付き、
エレベーターで戻る途中、管理人が電源を切ったため閉じ込められてしまう。一方、会社の前に駐車していたジュリ
アンの車を若者が盗み、別の事件を引き起こす・・・
[寸評]10年程前の映画ガイドブックに本作品を京本政樹が絶賛していたのを目にしたのを契機に拝見。邦題から、エ
レベーター内での奮闘劇かと思っていたら異なり、「完全犯罪にするつもりが、エレベーターを引き金に不測の偶然
に偶然が重なり、別の事件の犯人にされていた」という筋立てで、発想自体は結構面白いかと思う。しかし、ド派手
なアクションを期待していたのか、内容が「不倫」の話からなのか、何故か何処か欠けていた感じがしたなあ。それ
にしても最後の二人の写真は誰が撮ったのだろう?
18.ハムナプトラ2/黄金のピラミッド THE MUMMY RETURNS (2001年米) <3.5>
[監督]スティーヴン・ソマーズ
[出演]ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、ジョン・ハナー、アーノルド・ヴォスルー
[時間]140分
[内容]ハムナプトラでの死闘から8年後。リックとエヴァリンは結婚し、アレックスという息子がいる。3人で世界各国の
遺跡発掘を行う多忙な日々を送っている。そんなある日、エジプトにて、リックとエヴァリンは以前から探し求めてい
た「伝説の腕輪」を発見する。アレックスがいたずらに腕輪をはめてみると、アム・シェアのオアシスに存在したと言
われる黄金のピラミッドの場所を示す映像が映し出される。それが3人に降りかかるトラブルの発端であった・・・
[寸評]はっきり言って物語の筋・整合性は無茶苦茶で、まだ前作の方が話は分かりやすく筋が通っている感じがす
る。しかし、本作品は完全に「まあ話の筋道云々は気にせず楽しんで下さいよ」というノリだ。感嘆させられる(少しく
どい気もするが)CG映像とアクション・シーンが最初から最後まで存分に貫き通され、単純に楽しめるのは間違いな
い。それにしても最後の2組のカップルの行動パターン(特にアナクスムナン)は超・爆笑物で、話の発端を覆すよう
な感じだ。妻曰く「これは完全にコメディだ!」。全く同感。
19.モンスターズ・インク MONSTERS.INC. (2001年米) <4.5>
[監督]ピート・ドクター
[出演]<声>ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル、メアリー・ギブス (吹替)石塚英彦、田中祐二
[時間]92分
[内容]世界中の子供達にとって怖い事−それはクローゼットの奥に隠れているモンスター。モンスターズ・シティは
子供達の悲鳴をエネルギー源にしている。モンスターズ・インク株式会社はモンスターをクローゼットのドアから派
遣して悲鳴をかき集めている。この会社のNo.1の怖がらせ屋がサリーで、彼を支える相棒がマイク。但し、モンスタ
−側にも弱点があった。人間の子供は有害と思われているため、人間界のものは例え靴下一枚であってもモンス
ター界に持ち帰ってはならないのだ。ところが、2歳の人間の女の子がドアから入って来てしまったから大変・・・
[寸評]一姫と一緒に劇場で鑑賞。マイクは一つ目であり、”ゲゲゲの鬼太郎のお父さん”をイメージしてしまい、親近
感を抱けるのか観る前は不安であったが、いざ拝見するとサリーとマイクのコンビは「トイ・ストーリー」のウッディと
バズを彷彿させるほど良い味を出している。笑いあり、ほろりと来る箇所あり、スリリングなアクション・シーンありで
話の内容もしっかりしている。”ブー”こと2歳の女の子が非常に可愛い。最初は「やっかい者」の存在が、観る者に
も何とかして守ってあげなければ、と思わせてくれる。2歳の頃って話し初めで仕草も可愛いんだよね。非常に面白く
満足させてくれた作品でした。これもシリーズ化するのかな?DVDが出たら妻や二太郎にもみせてあげたい。
20.クロスファイア (2000年日) <3.5>
[監督]金子修介
[出演]矢田亜希子、伊藤英明、原田龍二、長澤まさみ、吉沢悠、永島敏行、桃井かおり
[時間]115分
[内容]少年グループによる残忍な女子高生連続殺人事件が発生していた。そんな中、青木純子がほのかに淡い思
いを寄せる同じ会社の男性・多田の妹が事件に巻き込まれ惨殺されてしまう。少年グループのリーダー;木暮は著
名人の息子であり、未成年である事もあり法の裁きもままならない。幼少の頃から念力発火能力=パイロキネスの
力を持つ純子は、その力を封印していたが、独自の調査で木暮の犯行の確信をとり、世にはびこるキレた暴力・残
虐行為に対して怒りの制裁を下し始める・・・
[寸評]今、個人的には好きな作家;宮部みゆきの原作(本作品は未読)を平成「ガメラ」シリーズの金子監督が映像
化。先日、読了した「模倣犯」といい本作品といい、犯人達の残虐行為には末恐ろしさと激しい憤りを感じる。木暮
が無職ながら、桃井かおり演じる女刑事に「その年で、その職位だったら先は知れているな」なんて話すが、宮部
作品の残虐犯は自分程優れたものはいなく、人を見下すというタイプで本当に許せん。頭の出来云々より、まっと
うに生きる事が大事だわい!子を持つ親としては怖くてかなわんよ。だから、ある面では純子が下す制裁行為に
は同調してしまう。話のテンポや炎の使い方は、なかなか良かったとは思うが、後半の黒幕主犯の本当の目論見
等が良く理解できなかった事と倉田かおりの描き方がイマヒトツだった感もする。ラストシーンは、どう解釈すれば
良いのかな?最後は、はしおって疑問を残すのも宮部作品らしいのだが・・・。