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13.007/ゴールドフィンガー GOLDFINGER (1964年英) <3.5>          
 [監督]ガイ・ハニルトン
  [出演]ショーン・コネリー、ゲルト・フレーペ、オナー・ブラックマン、シャーリー・イートン
  [時間]109分
 [内容]「金(GOLD)」を愛する男ゴールドフィンガーは米国中の金塊が保管されているフォートノックスを放射能で汚染
   させ、自分の金の価値を暴騰させようと企んでいた。最近の「金」の流出の動きを調査していたボンドは、事件の背後
   に、ゴールドフィンガーが存在している事をつかみ、やがて彼に接近していくのだが・・・
  [寸評]007のショーン・コネリーの出演作品は本作品を観た事で全て網羅した。秘密兵器を満載したボンド・カーが初登
   場し、最近の作品に見られるド派手なアクションの元祖的なシーンが数多く登場するので、マズマズ楽しめる。当時で
   は新鮮だったのだろうな。帽子の形をした刃物を敵の参謀役が投げまくったり、ボンドが女性に手投げされたり等、可笑
   しなシーンも見られる。話事体は単純で分かりやすいのだが、「この人が今回のボンドガール?」と登場するや否や殺
   されてしまうのが○回あったり、(実際殺されてしまったらシリーズは終わりなのだが)あまりにもボンドに隙が多いのに
   何故か敵が手加減してトドメをさそうとしないのは、お色気とスリルという面で若干物足りない感じもしたなあ。
   
14.JSA JSA;JOINT SECURITY AREA (2000年韓) <4.0>          
 [監督]バク・チャヌク
  [出演]ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン
  [時間]110分
 [内容]朝鮮半島の南北分断の象徴である38度線上のJSA(共同警備区域)で銃撃戦が勃発した。生き残った南北の兵
   士達は南側・北側と各々異なる陳述を繰り返す。両国家の合意のもと、中立国監督委員会は韓国系スイス人である女
   性将校のソフィーを派遣する。彼女は事件の当事者達と面会を重ねながら、事件の真相に迫っていく。事件の真相とは
   一体何なのか・・
  [寸評]あのヒット作「シュリ」を上回ったという朝鮮半島の政治事情を突いた作品で、なかなか良く出来ている。銃撃戦の
   真相を回想しながら差し迫っていく、という筋立て。JSAで、ひょんな事から北と南の男達が友情を交し合うが、同一民
   族でありながら北と南と分断され、思想も異なるゆえに当然、様々な思いが交錯するし、如何ともしがたい事がある。
   そんな難しさを巧みに訴えて考えさせてくれる内容だ。「チョコレートパイの件」「"銃撃戦の件は南北にとって曖昧とな
   る事が望ましい”という高官の言葉」が妙に印象的である。92年に韓国へ一人旅を決行したが、板門店は興味は凄くあ
   りながら、万一のリスクを恐れて訪れなかった。今でも若干後悔の念もあるが、この作品で良く情景が分かりました。
   P.S 韓国映画のヒロインは毎度ながら美しい。

15.オーシャンズ11 OCEAN'S ELEVEN  (2001年米) <4.0>          
 [監督]スティーブン・ソダーバーグ
  [出演]ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マッド・デイモン、アンディ・ガルシア
  [時間]116分
 [内容]保釈中のカリスマ窃盗犯ダニエル・オーシャンが刑務所暮らしの4年間で練りに練った犯罪は、ラスベガス3大カ
   ジノの現金が全て集まる地下の大金庫から、厳重な警備システムをかいくぐって現金を盗み出すというものだ。オーシ
   ャンは、まず昔の仲間でプロの詐欺師であるラスティーに接触し、話を持ちかける。「計画を成功させるには、様々な分
   野の天才たちを集める事が必要だ」というラスティーの助言もあり、次々とメンバーを集結させ、総勢11人の「犯罪ドリー
   ムチーム」を結成する。彼らのターゲットはラスベガスの冷酷なホテル王ベネディクトである。しかも彼はオーシャンの
   離婚寸前の妻の恋人でもあった・・・   
  [寸評]豪華出演陣が登場するクライム・ムービー。但し、人を殺したり、血なまぐさいような場面は一切ない。前半のメンバ
   ーを集めていく場面はキャラが多すぎて頭が混乱してきたのと、字幕の字が読みにくかったり、若干だるくて睡魔が襲っ
   てきたりとマイナス要因がはたらいていたが、話が進むにつれて各キャラの見せ場が出てきてグイグイ引きこまれてい
   った。終わってみれば「あー楽しかった」という感じ。スティーブン・ソダーバーグ監督は「トラフィック」で実証済だが、多
   数・多彩のキャラを存分に上手く使いこなせるものだと感心する。皆各々の役割がしっかり描かれていたと思う。ジョー
   ジ・クル−ニーは、なかなか格好良いんだ・・・

16.スターリングラード ENEMY AT THE GATES  (2000年米・独・英・愛) <3.5>          
 [監督]ジャン=ジャック・アノー
  [出演]ジュード・ロウ、ジョセフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ボブ・ホスキンス、エド・ハリス
  [時間]132分
 [内容]1942年9月のスターリングラードはナチス・ドイツの猛攻にさらされ、陥落寸前であった。そこへ送りまれた新鋭の
   スナイパーのヴァシリは敵の凄まじい銃弾が降り注ぐ中、反撃の機会を伺っている時に、同じように身を潜めていた青
   年将校ダニロフと出会う。ダニロフの銃を借りたヴァシリは見事な腕前で敵兵を狙撃する。ダニロフの計らいもあり、次
   第にヴァシリは味方の兵士を鼓舞するための英雄的存在に祭り上げられていく・・・   
  [寸評]スターリングラードをソ連側の視点から、スナイパー同士の意地のぶつかり合いやロマンスを中心に描いた作品。
   戦場での凄まじさを、なかなかの迫力で描写されており、スナイパー同士の戦いも見応えはあるのだが、この作品の
   本当の骨子は何だろうか?「プライベート・ライアン」で感じさせてくれたものと違い、どことなく中途半端な感がする。
   最後のターニャのシーンは、ホッとする反面、「本当かいな?」という気がした。サーシャは戦争が生む悲劇の象徴だが、
   あんなに簡単に敵味方を往来できるものかなあ?サーシャの母の言葉・割り切り方が私には印象的であった。