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83.ティガー・ムービー/プーさんの贈り物 <2.5>   一覧表へ
 [内容]100エーカーの森の一番の元気者ティガーは、ある時、自分の家族は実際どこにいるのか考え込むようになる。
  そんなティガーを元気づけようと森の仲間のプー、ルー、オウル達で策を考えるのだが・・・
  [寸評]昨年、子供達が「プーさん」が好きな事もあり、映画館に連れて観に行こうとしたが、結局行けずに終わってしまっ
  たため、100円レンタルで借りて子供達と拝見。結局、家族というのは、お馴染みの森の仲間達なのだ、という最初から分
  かっているオチではあるので、大人が楽しめる作品とは言い難いが、ティガーが仲間を救うために奮闘する場面からエン
  ディングまでは、なかなか心が和む。一姫は「うん。これは面白い」と言っていたので、子供向けの作品でしょう。

84.あの子を探して <4.5>   
 [内容]中国の田舎の小さな小学校が舞台。1ケ月間、学校を離れる事になったカオ先生の代用教員として村長から指名
  された13歳の少女ウェイ。可愛いけれど、やんちゃな28人の生徒達との日々が始まる。ある日、一番ウェイを困らせていた
  少年ホエクーが家の借金返済のため、都会へ出稼ぎに出てしまった。ウェイはホエクーを呼び戻すように都会へ行こうと
  考えるが、何せお金がない・・・
  [寸評]中国映画も凄いものだ。この作品のような小学校や貧困ゆえに学校に通えず出稼ぎに出る子供達は広い中国で
  は多いのでしょう。13歳でありながら代行教員をつとめる、というのも決して非現実的な話ではないのかも。今にも壊れそ
  うな校舎・屋外のトイレ・厳しい生活事情等、中国の田舎の実態を認識させてくれる。物語も、とりわけ後半は感動的。ウェ
  イとホエクーの涙は超感動モノだし、ウェイが都会でホエクーを探し疲れて、食堂で残飯を盗み食いするシーンは強烈に
  印象に残る。それにしてもウェイのホエクーを探し求める強いパワーは「責任感」「愛情」「義務感」の、どこから来るのか?
  最初は冴えない少女が最後は、たくましく輝いてみえる、というのは「千と千尋の神隠し」に相通ずるものを感じた。

85.ジャック・フロスト/パパは雪だるま <4.0>   
 [内容]ロック歌手のジャックは妻ギャビーと息子チャーリーと幸せな日々を送っていた。しかし、クリスマスの当日、交通
  事故によりジャックは死んでしまう。その1年後、ジャックは何と雪だるまとなってチャーリーのもとへ戻ってくる。雪の精と
  しか思わないチャーリーを何とか父親だと分からせようと奔走するジャックだが・・・
  [寸評]本作品は日本の劇場では未公開。「雪だるま」に違和感さえ覚えなければ、「ふたり」「ゴースト」と相通ずる涙モノ
  の話。愛する妻子を思う気持ちはジャックも私も同じ。最後のジャックのチャーリーの寝姿に「自分の生きた証はお前なん
  だ。それを誇りに思う」という言葉には感涙。仕事にしても何にしても能無しの私だけど、間違いなく家族は自分の人生の
  証。しっかりとした子供に成長させる事が(実は非常に難しいのだが)私と妻の最大の「生きがい」「責務」だな、と改めて
  認識させられた。

86.遠い空の向こうに <4.5>   
 [内容]後にNASAのロケット・エンジニアになったホーマー・ヒッカムの自伝を基にロケットへの夢を求める若者達の挑戦
  を描いた作品。1957年にソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功し、炭鉱の町コールウッドで衛星の軌
  道を見ていたホーマーは「自らの手でロケットを打ち上げたい」と思うようになり、級友3人と共に模索するようになる。しかし
  ホーマーの父ジョンはホーマーに炭鉱夫として自分の道を継いでほしい、と頑なに思っていた・・・
  [寸評]高校生達の夢に向かって模索し立ち向かう姿は美しい。それを支援する人々との触れあい、疑義の念を抱く人々と
   の葛藤。特に父親とホーマーとの衝突→和解が本作品の見せ場でしょう。父親が炭鉱夫という点でも「リトル・ダンサー」
   と似通ったところがあるが、いざという時に父親は子供に対して、どれだけの理解を示し、手を差し伸べられるか!(大事
   なんだよね) 最後の父と子のシーンには胸が熱くなったし、「ジュラシックパーク」のローラ・ダーンの温かい先生役も良
   かった。しかし、彼らの高校時代と自分を比較すると偉い違いだな・・・

87.ムーラン・ルージュ <4.0>   
 [内容]1899年のパリ。悪名高く、派手で魅惑的なナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」。サティーンは「輝くダイアモンド」と謳
  われるスターで最も有名な高級娼婦でもある。貧しいが才能ある若き作家クリスチャンは同じ下宿人から「ムーラン・ルー
  ジュ」でショーを企画しようと持ちかけられ、オーナーに具申するステップとしてサティーンを口説き落とす作戦を実行する
  事になった。サティーンを一目みた瞬間に虜になったクリスチャン。やがて2人は運命的な恋に落ちるのだが・・・
  [寸評]豪華絢爛な(やや騒々しいが)ミュージカル映画。貧乏で才能ある作家と魅惑的な娼婦との純愛悲恋物語で筋自体
  は単純である。しかし、あっちへ飛んでこっちへ飛んでの目まぐるしく変わる映像・「サウンド・オブ・ミュージック」「愛と青春
  の旅立ち」のメロディ、マドンナやデビッド・ボーイ等のナンバーが目一杯歌われて、なかなか魅せてくれる。しかもニコール
  もユアンも自前の声で歌っている。二コールの歌・下品な姿・魅惑的な姿等、どれも良かった。(もともとニコール見たさに
  本作品を拝見したのだが・・)「ムーラン・ルージュ」の建物・一味違ったオープニングとエンディングも気に入りました。オペラ
  を気軽に観る感覚で(豪華絢爛でエネルギーは要しますが)、本作品を観に映画館に足を運ぶのも良いのではないでしょう
  か。余談ですが「スターウォーズ:エピソードU/クローンの攻撃」の予告編が観られますよ。
   
88.連弾 <3.0>   
 [内容]夫の正太郎は親の莫大な財産を受け継ぎ、働かずに家事全般をこなす専業主夫。妻の美奈子はゼネコン会社の
  設計課長で部下をも罵倒するキャリア・ウーマン。美奈子が職場の部下と不倫関係にある事が発覚してから深刻な喧嘩に
  発展。美奈子は独り家を飛び出してしまう。しかし、娘のピアノの発表会に母娘で連弾で出場するため、練習は続けるので
  あった・・
  [寸評]竹中直人流に家族の絆を描いた作品。主人公や子供達は悲惨な境遇であるのに、何故か悲惨で悲惨でしょうが
  ない、という感じはしない。それは、ギャグや笑いを織り込んだり、竹中直人自作の妙な挿入歌やピアノ演奏の場面が所々
  に出てくるからだろうか?息子の、母親の不倫相手の妻に現場写真をみせられて罵られたり、姉が父親を馬鹿にするの
  をなだめたり、母親を軽蔑しても”やはり母恋し”と泣いたりする、健気で純朴な演技が良かった。夫・妻の各々の立場か
  らすると、相手に対する不満はわかるが、そもそも何故この二人は結婚したのかが最大の疑問。親の資産を食いつぶす
  プー太郎とキャリア・ウーマン。どうみてもバランスとれないと思うが・・・。正太郎は過去はバリバリの実業家だったとか?
  この作品から学ぶ事は絶対に子供の前で夫婦で罵倒しあうのは良くない事。あの悲しげな表情が印象的。