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72.シックス・デイ <2.5>        一覧表へ
 [内容]2007年、ペットさえも”複製”を作ることができる近未来。テクノロジーの暴走を防ぐため、世界は<人間は人間の
   複製を造り出してはならない>とする「6d法」を制定。しかし2010年・・・ついに「6d法」が破られた。ある日、アダムが仕事
   を終えて帰宅すると、そこには”もう一人の自分”がいて、家族と共に彼の誕生日を祝っていた。一体何が・・・何のため
   に?そして呆然とするアダムに魔の手が襲いかかる・・・
  [寸評]最近、英国を起点に話題となっている「クローン法」をネタに、約10年後の近未来を舞台に物語を設定している事
   に興味を持って観た。シュワちゃん主演だから、ド派手なアクションも期待していたのだが、う〜ん、何ていうか全般的に
   拍子抜けな感じ。話の展開・アクション共にメリハリ・面白味がイマイチかな。最後、今後2人は、どういう関係でいくんだ
   ろうか?あくまで娯楽作品としてボーっと画面を眺め、「クローンはあってはならない!」と良く実感できた程度。

73.アラビアのロレンス <5.0>
 [内容]1916年。英国陸軍情報部アラビア局の命令を受けたロレンスは、砂漠の旅を続け、独立軍の指導者ファイサル王
  子に会い、彼の参謀として作戦に協力。アウダ、アリらとトルコ軍の基地アカバを攻略、英雄としてもてはやされる。
  しかし、やがてトルコ軍に捕らえられて拷問を受け、自分も平凡な弱い人間だと悟る・・・・
  [寸評]言わずと知れた歴史活劇の名作。1962年公開版を手直しして当時削除されたシーンを加えて1988年に「完全版」
  として製作→公開された。今回、DVDで特典映像満載で「完全版」が発売されたので購入して初の鑑賞。「風と共に去り
  ぬ」同様、約4時間の話だが全くあきずに引き込まれる。これが40年前の作品かと思わせる程、映像が驚異的に素晴らし
  い。「灼熱地獄」としかイメージできない砂漠を、かくも美しく清潔に見せてくれるし、アリが登場してくる蜃気楼のシーン、
  現代のようにCG映像を使わない戦闘シーンは圧巻。話も主人公の戦場の中での心理の葛藤の変遷等を巧みに描いて
  いる。本作品は観て即に「うわー良かったあ」という感じでなく、しばらくして、しみじみと作品の奥深さを感じさせてくれるの
  でなかろうか。今後も時折観たいと思うし、上映される機会があれば是非、映画館の大画面で観たいものだ。
  特筆すべきは、本作品にはヒロイン・ロマンス・女性キャラが存在しない男だけの壮大なドラマである事。余談だが、スピ
  ルバーグ監督がNHKの「自らを語る」という対談の中で、「新作に取り掛かる前に必ず観て参考にする作品は3つあり、
  それは『アラビアのロレンス』『素晴らしき哉、人生!』『捜索者』だ」と話していた。彼の受け売りのようになってしまうが、
  私も今年、『アラビアのロレンス』『素晴らしき哉、人生!』を初見したが、2作品共に私の好きな洋画ランキングで、かな
  りの上位に入ります。

74.セブン <4.0>
 [内容]日常的に殺しが起こるロサンゼルスに田舎町から志願して赴任してきたミルズ刑事は、あと7日間で引退する老
  刑事サマセットと出会う。だが翌日からキリスト教の7つの大罪に沿った奇怪な連続殺人事件に遭遇するのであった・・・
  2人で捜索を進めるが、犯人は一体誰で、狙いは何なのか・・・
  [寸評]ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの絶妙なコンビによる異色のサイコ・スリラーで彼らの一週間を描く。犯人を
  模索し、つきとめていく展開は結構スリリングで引き込まれる。そして結末は結構、衝撃的だが、何とも後味の悪い終わり
  方だ。あの箱の中はAなのかBなのか?はっきり明かされないが、Aと考えるのがオーソドックスでしょう。「人間の原罪」
  をテーマにした重くて深く考えさせられる、一言でハラハラドキドキのスリラーと言い切れない作品でしょう。ケビン・スペイ
  シーは見事に役柄にはまっていたと思う。

75.17歳のカルテ <3.5>
 [内容]1967年。アスピリン1瓶とウォッカを飲んで自殺未遂事件をおこしたスザンナは医師と両親の薦めにより、精神病
  院に入院する事になった。「自分は頭痛を治したかっただけだ」と言う彼女への診断結果は「境界性人格障害」。病院内
  には様々な精神的に病んでいる患者達がいた。最初は戸惑うが皆と次第に打ち解けていく・・・
  [寸評]精神病棟での患者達との交流・自我との葛藤を描いた作品で、どうしても「カッコーの巣の上で」を思い出してし
  まう。前半は淡々とした感じだが、後半は重みのあるセリフ・シーンが時折出てくるので全体的にはマズマズの感。
  「ここ(病院の中)と外(一般社会)が、どちらが異常なのか良く分からない」という言葉は妙に納得してしまう。人間誰しも
  心の中に巣くっている「闇」。それと、どううまく付き合っていくのか自己管理が大切なのでしょうね。本作品ではリサ役の
  アンジェリーナ・ジョリーの演技が優れもの。ただ、スザンナもリサも、どうみても17歳には見えないけどね。

76.この森で、天使はバスを降りた <4.0>
 [内容]パーシーは5年の刑務所生活を終え、メイン洲にある片田舎のギリアドにバスから降りる。保安官の紹介で食堂
  の手伝いをする事になる。食堂の女主人のハナは気難しい年寄り。客は刑務所出身の、よそ者であるパーシーに興味
  を注ぐ。ハナの甥の不動産業者ネイハムはハナに近づく悪い奴と思い込んでいる。こうした中でパーシーは新しい環境
  での生活に溶け込もうとする・・・
  [寸評]なかなかの感動作。パーシー自身は、思わぬ結末を迎えてしまうので、可哀相でならないが、間違いなく彼女の
  存在は森の人達何人かにとっては「天使」だった。人間、人に対して何かを与えられる存在でいたいものだと思わせてく
  れる。パーシーが刑務所に入る事になった経緯は「継父」なのだが、どこの国でも、この問題は巣食っているのだろうか。
  最近、子供の虐待事件の記事をみると、若い母親と同棲中の男性(「内縁の夫」)による犯行が圧倒的に多い気がする。
  何か、そうした母親達は○○ガルにみえて腹立って仕様がないんだけどなあ。