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66.お熱いのがお好き <4.5> 一覧表へ
[内容]禁酒時代のシカゴ。もぐりの酒場で音楽を演奏しているジョーとジェリーは酒場の持ち主であるギャング、コロン
ボの殺人現場を目撃してしまう。追っ手から逃れるため、2人は女性ばかりのバンドに女装して潜り込み、マイアミへ。
ジョーはバンド歌手のシュガーに一目惚れ。女装姿のジェリーはマイアミで大富豪に惚れこまれてしまう・・・
[寸評]コメディ映画の傑作。私は**には強烈な拒絶反応があるが、女装ものコメディの本作品は非常に笑え、楽しめ
る。禁酒時代を舞台に、皆のお酒を飲みたい欲望を巧みに表現しているし、女装姿の言葉の端々にユーモアを感じさせ
てくれる。よく名前だけは聞いていたM.モンローを今更であるが、初めて観た。なるほど確かに非常に魅惑的な雰囲気
だ・・・只、実際は結構、我がままで、本作品を撮影するにあたっても、スタッフ達とかなりイザコザがあった模様。
モンロー演じるシュガーとジョーの船上でのシーンは何故、ジョーは船内の事をこんなに知っているのか疑問(矛盾)も
感じるが良しとしましょう。最後の「ノーバディ・パーフェクト」のセリフは何気にビシっと決まっていて爽快です。
67.ダンサー・イン・ザ・ダーク <3.0>
[内容]遺伝性の病気で視力を失いつつあるチェコからの移民、セルマは同じ病気を持つ息子ジーンには早期に手術して
失明の運命を歩ませないように、手術代を工場や内職で貯めていた。そんなある日、目が不自由ゆえに工場での生産
にも迷惑がかかる、という理由で解雇され、更に家に帰ると手術代が盗まれていた・・・
[寸評]2001年お正月映画で結構話題になった作品。この映画は正直、主人公は何ひとつ良いことがない。努力は報われ
ないし、正直者が馬鹿をみる夢も希望もない絶望的なお話。観終わって非常に暗い気分になってしまった。映画は、やは
り楽しく希望や元気を与えてくれるものであってほしい。ミュージカル・シーンも「何でここで?」という感じで楽しいものでは
なく苦言。「グリーンマイル」「コンタクト」で好感あふれる役柄を演じていたデヴィッド・モースの今回の役柄は、そりゃあない
よ、という酷い男でした・・・。色々言いましたが、本作品自体はデンマーク(or監督)特有の映像で時折、胸を打つセリフも
出てくるし(内容は暗いが)、後々にも印象には残るでしょう。
68.アメリカン・グラフィティ <2.5>
[内容]カリフォルニア州の地方都市モデスト。カート、スティーブ、テリー、ビッグ・ジョンの仲間がドライブ・インに集まった。
その内2人が明日の朝、東部の大学に進むため、しばらくの別れとなる。彼らの気晴らしはカスタム・カーに乗り回し、ガー
ル・ハントをすること。やはり今夜も町に繰り出すことにした・・・・その一夜の出来事を描いた作品。
[寸評]あの「スターウォーズ」のジョージ・ルーカス監督が自分の若き青春の体験を重ね合わせて描いた作品。数々のアメ
リカン・ポップスがバックに流れる。今や「お父さん」「オッチャン」であるせいか、高校を卒業して新しき世界に旅立つという
本作品に、どっぷり入り込めなかった。20歳前後に観たら違う印象を持っただろうか?でもアメリカの高校生は結構進んで
いるよな!という感じ。私の(ウブであった)大学時代でも映画の中での事ってなかったもんね。この映画で笑えた事は、
何と「ハリソン・フォード」がチョイ役で出ている事!これ以降、ルーカスと「スターウォーズ」「インディ・ジョーンズ」の仕事
をしたんだよな。
69.102 <2.5>
[内容]ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」の実写版「101」の続編。あの事件から3年・・・ダルメシアン犬を盗んだ罪で逮
捕されたクルエラは最新の精神療法により、すっかり愛犬家となり、仮釈放されたら、慈善活動に尽力する。しかし、精神療
法には落ち度があり、ある事を機に、クルエラは本来の邪悪な心を取り戻してしまう・・・
[寸評]一姫の幼稚園の友人の家族から、居住の市民会館で開催される上映会の整理券を譲り受け、家族で鑑賞。
実写版の「101」を観ていないので前作と比べてどうかとはいえないが、本作品はクルエラ役のグレン・クローズが際立って
目立つため、共謀する悪役・犬の買主(可愛い)・更には犬までも、どうしても引き立て役になってしまう。あえて言えばオウ
ムの印象が強いかな。CGも駆使して犬を一生懸命写してている努力はよく分かる。だが話の展開はイマイチ全般的にメリハ
リがなく、楽しめるのは最後の10分のみ、という感じ(それにしてもグレンさん、よくやってくれます)。まあ子供達は喜んでい
たから、子供と一緒に楽しむ分にはマズマズかな?
70.007/ドクター・ノオ <3.5>
[内容]殺しを自分の判断で状況に応じて行う事を許可された'00'の称号を持つ英国の諜報員ジェームズ・ボンド。ジャマイカ
の英国の諜報員と秘書が何者かに殺害された。本部は事件究明にボンドを派遣する。この事件には米国の宇宙開発を妨害
しようという恐ろしい陰謀が隠されていた・・・
[寸評]2002年早々より第20作目の撮影に入ると噂されている007シリーズの記念すべき第1作目を遅まきながら拝見。近
年の作品のような、ド派手なアクションはみられないが、ショーン・コネリーを中心にスパイ映画の雰囲気をうまくつくってい
る。シリーズ13作目の拝見のくせに、'00'が殺しの許可という意味である事を本作品で初めて知った。2作目の「ロシアより
愛をこめて」以降には、あまりみられないかと思う(?)が、本作品のボンドは殺しを主導的に行うところが数箇所あり、紳士
である反面、残忍性がかいまみられる。ボンド・ガールにも「何でそんな事するの・・・」と言われてしまい、さらりと理屈付けて
かわすところが印象的。
71.反則王 <4.5>
[内容]いつも遅刻ばかりして、契約も一件もとれない銀行員のイム・デホは、厳しい上司から罵られ、トイレではヘッド・ロッ
クをかけられる情けない男。オヤジ狩りには遭うし、父親にも親不孝者といわれ良いことがない。上司からのヘッド・ロック
に対抗しようと、ふとプロレス道場を覗いたら、選手を募集していた。無理矢理入門し、引き立て役の覆面・反則レスラー
としてリングに上がる事になる・・・
[寸評]昨年流行った韓国映画「シュリ」で主人公の親友役を演じていたソン・ガンホが銀行員&プロレスラーを演じる。
この作品は異色の爆笑コメディで笑いすぎて涙が出た。韓国も日本もサラリーマン社会は同じような悲哀があるものか。
上司の攻撃に対抗しようとする事を契機に、プロレス道場に足を踏み入れ、(展開には、かなり無理があるが−そんなに
短期間でたくましくなれるもの?−)プロレスのリングにあがって、ストレスを猛烈に発散させるがごとく奮闘する。しかし、
上司を前にするとガチゴチで結局、太刀打ちできない(おかしな方法で抵抗はするが・・・)。主人公と様々な人との関係が
巧みに描かれているのは良かった。イムと同様に銀行からはダメ社員と言われている同僚が不正融資に手を貸すよう、
上司から、そそのかされるが、彼は正義感もあるゆえ、イムのような発散方法が無いため、鬱積して大爆発して退職す
るのが印象的。結局、自分をつぶさないように、自分のバランスはうまく保たないと、という教訓。